【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#21 その叱り方、子供の自尊心が傷つきます。
おはようございます。
伊藤 幸弘です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩んでいる親御さんに役立つ情報をお伝えしたいと思います。
*********************************************
前回のおさらい
*********************************************
前回は、母性と父性は”順序”が大切ということをお伝えしました。
父性の前にまず母性が無いとダメ、ということです。
まずは子どもに甘えさせてあげて、
子どもが母親に対して信頼感や安心感を
もつようにならなければいけません。
また、子どもにとって
家がくつろげる場所であることも大切です。
役者が楽屋でリラックスできるからこそ舞台で集中できるように、
子供も、家でリラックスできるからこそ
学校でシャキッとできるんです。
家でくつろげない子どもは
外で緊張感をもつことができなくなってしまいます。
あなたの家庭内はいかがでしょうか?
子どもがくつろげる環境になっていますか?
もしなっていなければ
これを機にぜひ、子どもがくつろげる環境を
意識してみてくださいね。
*********************************************
さて、本日1つ考えていただきたいことは
「伝え方」です。
あなたは子どもを叱るとき、どんな言葉で叱りますか?
その叱り方が、もしかしたら子どもの自尊心を
傷つけてしまっている可能性があります。
僕と佐々木先生の対談を読みながら「伝え方」について
考えていただければと思います。
それではどうぞ。
■伊藤:
母性がなければ依存できない。
依存できないから、
相互依存できる人間になれない。
人との関係が健全につくれない人間になってしまう、
というわけですよね。
●佐々木先生:
今の日本の荒れる子どもたち、
青年たちが見せる色々な現象は、
一番わかりやすい言葉で言えば
「母性の喪失」でしょう?
■伊藤:
ええ。
単に「子どもに厳しくすればいいんだ」
「もっと厳しくしつけないといけないんだ」
とか言っている人もいるけれど、
僕はそれは大きな間違いじゃないかと思います。
やっぱり佐々木先生が言うように、
母性から父性、保護から干渉にもっていかない限り、
子どもは健全に育たない。
●佐々木先生:
厳しい父性原理、つまり厳しいしつけというものは、
家庭にうんと豊かな母性性がなければ
伝わらないんです。
十分に保護された人でないと、
他からの干渉は受けられませんよ。
■伊藤:
思春期の子でも、
荒れた子ほどわがままになってくるでしょ。
幼児性が強いとわがままも強くなる。
僕の場合、
「ここまではオマエのわがままをきいてあげるよ。
でもこれ以上はみんなが迷惑するから聞けないよ」
と言うんです。
●佐々木先生:
けれども母性原理、母性性というものが
十分に伝わっていない子どもには
バーンと叱っても伝わらないでしょう?
■伊藤:
ええ、だから
「自分がこうしてほしい」というわがままなら、
とことん聞いてあげる。
でもルール違反したら怒る。
そうやって母性から父性に流れていかないといけないと思う。
●佐々木先生;
絶対そうですね。
それがあると、
そこから先、叱られても聞けるんだよね。
■伊藤:
根底に
「常におまえのことを見ているよ」
という母性感覚がないとダメなんですよ。
ただ怒るだけじゃ反射的に反発するだけ。
特に他人が怒る時はね。
●佐々木先生:
人間とは本当にそういうものなんですね。
子どもを傷つけるのは
ある意味では父性原理なんです。
ムチャな父性原理によって傷つけられた部分を救うのは
母性原理ですよね。
だからと言って父性がいけないのかというと、
そうではなくて、
母性が十分相手に伝わっていることを理解した上で
発揮すればいいんです。
父性というのは、母性が伝わってからでしか
やってはいけないんだよね。
そこが難しいところなんだけれども。
■伊藤:
今の話を聞いてて思ったんだけれども、
父性の役割には、ただ怒る、叱るだけではなくて、
「こうだからこうだよ
だからこうしちゃいけないんだよ」
と説明してやることも含まれてくるのかな という気がします。
●佐々木先生:
基本的にはルールを教えるということですからね。
愛情をもってルールを教えるということ。
“条件付きの愛情”
「これができなければ愛してあげないよ」
という
“交換条件付きの愛情”ではなく、
ルールを教えるという条件のついた愛情なんです。
ですから、何について叱っているのかを
説明してあげるというのも
父性の役割と言っていいでしょうね。
それからもう一つは、何を教えるにしても
子どもの自尊心を傷つけない伝え方を
していかないといけないと思います。
子どもの自尊心を傷つけないことですね。
「なんでおまえはこんなバカなんだぁ!
お前のやることでいつもいつも
お父さんやお母さんは困っているんだぞ」
というような言い方よりも
「お父さんだって、子どものことは
そんな過ちを何度もやってきたよ。でもね・・・」
と道筋を立てて教える言い方のほうがいいでしょうね。
子どもの自尊心を傷つけないでいけなかった事・その行為を
説明して注意してやるんです。
時々
「自分はそんな怒り方を一度もしたことがない」
なんて顔をして怒っている人がいますけれど
そんなことはないんだからね。
■伊藤:
ホントですね。
それで、ここまでの話をまとめると、
順序正しく母性の役割、父性の役割というものを
発揮していかないと子育てというものは完成されない、
ということになるかな。
●佐々木先生:
どんなことがあっても最初が母性。
母性があった上で
「これじゃダメだぞ」
という教育が後からなされるということです。
この順序が逆になったらダメなんです。
母性が豊かであればあるほど父性が伝わっていくんです。
■伊藤:
保護から干渉へ、ですね。
●佐々木先生:
そう、保護から干渉へです。
過保護ぐらいの気持ちで、
まずは保護をしてあげる。
過保護なんて本当はなかなかできないんですよ。
でも、より大きく、たくさん保護してやるほど
子どもはきちんと育っていく。
わがままばかりでちっとも親の言うことを聞かない
そんな子も変わってきます。
思春期の子どもも同様です。
いっぱい保護してあげれば、
どんなに荒れていても変わってきます。
子どもが変わってくれば
親も楽しくなってくるでしょ。
そうなると育児が楽しいし、面白くなってきますよ。
お母さんが
「育児は面白い、楽しい」
と思えれば、子どもも幸福になっていくんです。
親が子どもといることに喜びを感じられれば
絶対子どもも喜びを感じている。
ごちそうが食べられなくたって
オモチャがたくさんなくたって幸福なんです。
でも、その子といることに
喜びを感じていないなら
何をしても子どもは幸福を感じません。
そのためにも、まずはお母さんが幸福でないと・・・
お父さんに支えられ、人に支えられて
お母さんが幸福でいられることが
子どもを幸福にしてあげることにも
つながっていくんですよ。
「幸福」ということにはそういう循環があるんですね。
**ここまで**
いかがでしょう?
冒頭で「伝え方」についてお話しましたが、
あなたはちゃんと子どもの自尊心を傷つけないような
叱り方ができていましたか?
もしかしたら、ついつい感情的になって、
愛情の無い言い方を
してしまったこともあるのではないでしょうか?
たかが一言かもしれません。
でも、子どもの心には後々までその言葉が残るかもしれません。
怒る時は、まず一息ついてもらい、
「どうすれば子供の為になるか」を考え
事実だけを冷静に注意するようにしましょう。
たとえば、自尊心を傷つける言葉として
「いつも」
「必ず」
「絶対」
「みんな」 があります。
例) 「おまえはいつも迷惑をかける」
「必ず間違えてるよ」
「絶対できないよね?」
「みんなはできているのにおまえはできない」
など
これらを使うと、叱られたお子さんは
「自分はいつもできない」
「自分はみんなより劣っている」
と劣等感を持ってしまいます。
もし、何回も繰り返し注意している出来事でも
「(うっかり)そういうことをしちゃったんだね」
「(たまに)こういうことをしちゃうことがあるね」
…という言葉で伝えるように心掛けたいですね
また、注意する言葉も
「●●しなさい」
という命令形ではなく、
「●●してくれるとママ助かるんだけど・・」
「○○がいい?それとも××がいい?」
など、「自分で決めた」
と感じさせる言葉かけも自尊心を傷つけない怒り方です。
ぜひそんな自尊心を傷つけないような伝え方を心がけてください。
さて、本日はもう1つ大切なことをお伝えしました。
それは、あなたが育児を
「面白い、楽しい」
と思っているかどうかが重要だということです。
正直なところ、あなたはどうでしょうか?
お子さんといるだけで幸せを感じられていますか?
もしかしたら成長するにつれてどんどんワガママになり、
あなたの言うことを聞かずに反抗するお子さんに対して、
幸せを感じる余裕がなくなってきているかもしれませんね。
もし今あなたが育児を楽しめていないのであれば、
原点に帰り、「育児を楽しむ」ということを意識してみてください。
そして、何よりもまずは
あなた自身が幸せになることを心がけてください。
育児を楽しみ、お子さんといることに喜びを感じられていれば
それは必ずお子さんにも伝わります。
お子さんはあなたからの愛情を必ず感じ取ります。
先日「喜びの声」のメールを頂いた方も、
反抗する娘さんを心から愛せず悩まれている1人でした。
でもちょっとした気持ちの変化、行動の変化で
親子関係が変わり始めたようです。
ここで、実際に先日その方から頂いたメールを
紹介させていただきますね。
全てのお母さんに、参考にしていただけるお話です。
**ここから**
伊藤先生、いつも丁寧なメールマガありがとございます!
先生からのメルマガとラジオの内容を聞いて、
いろいろ悟ることがありました。
高2の一人娘がいますが、
中学3年間不登校で、高校ではたまに登校する状況です。
引きこもりに続いて、うつ病、対人恐怖症になり、
最近は躁うつ病になってました。
子供がこうなったのは、親に原因があると聞いたことはありますが、
正直自分が何がいけなかったのか、よくわかりませんでした。
先生からの具体的説明と実際の事例をとおして、
自分の子育ての過ちがやっとわかり、納得しました。
そして自分が如何に子どもを傷付け、
殺しかけていたのか、痛感しました。
自分は子供の気持ちと感情を無視していたのでした!
過保護ではなく、過干渉ばかりしてきました。
それでいくら物を買ってあげても、
子供は愛されてないと感じていたのでした。
今まで反抗ばかりする子供を
本気で心から愛することができず、悩んでいましたが、
最近は子供がかわいそうだと心から思うようになりました。
そして自分が悪かったと子供に謝りました。
最近はごく小さいことでも子供に、
ありがとう、をよく言います。
子供は笑顔をよく見せるようになりました。
幸せ、も言うようになりました。
まだ恐怖症はあるので、
子供の意見によって、学校はしばらく休学しようかと思っています。
まだまだ未熟な子育てですが、今からでも頑張ります。
これからも宜しくお願いいたします!
*******************************
とても素晴らしいご報告のメールを
いただきましてありがとうございます!
“引きこもりに続いて、うつ病、対人恐怖症になり、
最近は躁うつ病にも”とありましたが、
大変なご苦労をされていることが伺えます。
でも、娘さんへの愛情をもたれて、
それが娘さんにも伝わり始めているようで安心しました。
本日の対談にもありましたが、
愛情があればオモチャはいりません。
ごちそうがなくても子どもは幸せを感じられるのです。
大変なこともあるかと思いますが、
親子関係が変わり始め、
おそらく少しずつ
子育てが楽しくなってきたのではないでしょうか?
お子さんの笑顔を見られることに
以前にも増して大きな幸せを感じられていることと思います。
これからもぜひ楽しみながら、
そして、娘さんと一緒にいられることに喜びを感じながら
愛のある子育てを続けてくださいね。
必ずもっともっと良い関係を築くことができると思いますし、
娘さんの症状も必ず改善に向かいます。
また喜びのご報告をお待ちしておりますね。
*******************************
いかがでしょう。
もしかしたら、
同じようにお子さんの引きこもりや対人恐怖症などに
お悩みの方もいらっしゃるかもしれませんが
その方にとっては特に参考にしていただけるメールだと思います。
また、「愛情を与えることで親子関係が変化する」
ということに対して、まだ実感を持てずにいる方にとっては、
それをリアルに感じてもらえる
キッカケになったのではないでしょうか?
「過保護」というと
ちょっと難しそうに聞こえてしまうかもしれませんが、
愛情があるかどうか、それが全ての土台なんです。
しんどい、つらい、と思うこともあるかもしれませんが、
つらいことに目を向けるのではなく、
お子さんと一緒に居られることに対する喜びに
目を向けてみてください。
そして、何か子育てに嬉しい変化がございましたら
ぜひぜひメッセージをいただけたらと思います。
みなさんからのリアルな喜びの声が、
他の読者の方の喜びにもなれば、と思い
4月ごろから喜びの声の募集をさせていただきましたが
おかげさまで紹介しきれないくらいの
メッセージを頂いておりますので
順次紹介させていただきますね。
実は僕自身も、頑張って状況を改善させれている
お母さん方からのご報告のメールを読ませていただき、
元気を頂いております。
何回でも送っていただいて構いませんので
ぜひこれからも、あなたからのメッセージを
お待ちしております。
例えちょっとしたことであっても
あなたの子育ての経験が
他のお子さんの人生を変えるかもしれませんので
どうぞよろしくお願いいたします。
さて次回は、”子どもの遊び”がテーマです。
あなたのお子さんは小さい頃にどんな遊びをしていましたか?
そして、どんな遊びをすることが
子どもの成長に良い影響を与えるかご存じでしょうか?
また、遊びの中で子どもが何を身に付けるのか?
次回はそんなお話をさせていただきます。
実は子どもの遊びは、
世間にある、いじめや学級崩壊の問題とも
密接に関係することでもあります。
ですから、全てのお母さんに
ぜひ知識として知っておいて欲しいことであります。
それでは次回も期待してお待ち下さい。
本日も最後までご覧下さいましてありがとうございます。
まだメルマガにご登録されていない方は、下記よりお申し込みができます。
この他にも不登校やひきこもり役立つ情報を随時発信しております。
下記フォームよりお申し込みください
※ご記入頂いた個人情報は、メールマガジン配信やセミナー情報など、その他弊社のからの不登校解決のご案内のみに使用させていただくものです。どんなことがあってもあなたの情報を第三者にはわたしません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧下さい。 ※ご登録後も「いならい」「役に立たない」と思ったら、ワンクリックで配信解除ができます。お金は一切かかりません。あなた自身の目で内容をご確認下さい。
自分のいいようにコントロールしようとしてました。
過保護ではなく、過干渉でした。
少しでも子供が自分の意志で動けるように、笑顔が出るように信じて愛してあげたいと思います。
ありがとうございました?
上記の内容とても勇気づけられました。