【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#79 私が非行に走った本当の理由

2016-07-28

おはようございます。
伊藤幸弘です。

本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。

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前回のおさらい
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前回は、
改めて「過保護」そして「過干渉」
についてお伝えしました。

過保護は「親バカ」で
過干渉は「バカ親」

というお話でしたね。

「親バカ」と「バカ親」の違いは、

・そこに愛があるかどうか
・子どもの逃げ場があるかどうか

です。

あなたはいかがですか?

愛情を持って、
お子さんに逃げ場を与えながら
子育てをしてきましたか?

あなたの思い通りに育てようとして
逃げ場を与えない子育てを
していなかったでしょうか?

あなたがお子さんの問題行動に
悩まれているのであれば、
「お子さんに逃げ場を与えない子育て」
について、
身に覚えがあるのではないでしょうか?

基本的なことではありますが
過保護と過干渉について、
今一度、考え直してみてください。

それでは、本日は珍しく
僕自身の過去の話をさせていただきます。

ご存知の通り、
僕自身も10代の頃に
かなり問題を起こしてきました。

しかし、だからこそ、
問題を起こしている
子どもの気持ちが理解でき、
あなたにお伝えできるのです。

僕自身が当時考えていたことを知って、
あなたの子育ての参考にしてください。

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本日のテーマ:あまえられるものを求めて

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私が生まれたのは1952年、
太平洋戦争が終わって8年目です。

この年の4月28日
対日講和条約が発効され、
日本は6年8ヶ月に及ぶ
アメリカの占領から解放されました。

独立国として国際社会に復帰したのです。

ちょうどその頃、
雑誌「少年」に「鉄腕アトム」の
連載が始まり、
子ども達のハートをとらえました。

また、ラジオドラマ「君の名は」が
放送開始になり、
主人公たちのすれ違いに女性たちが
ハラハラドキドキさせられました。

ボクシングでは白井義男が
日本人初の世界チャンピオンになりました。

そんな時代に私は生まれました。

小児喘息だった私は、
周りから大事にされて育ちました。

母は私が小学6年生のときに
亡くなりましたが
生前は忙しい中でも
時間を見つけて温かく接してくれました。

学業不振の私につきっきりで
勉強の面倒を見てくれたことも
たびたびありました。

ちょっと時間が長くなると
すぐまぶたが重くなる私にとって
勉強から逃げられる唯一の道は、
家に人が訪ねてくることでした。

母が客の相手をしている時に
私は逃げ出し、近所の友達と遊びます。

勝手に逃げ出した事で、
家に帰れば父と母に
代わる代わるに叱られるのは
分かっているくせに・・・

私は、また隙を見ては逃げ出し、
帰っては叱られることの繰り返しでした。

厳しくも優しかった母は
42歳でこの世を去りました。

私の11年間の人生で
最も悲しい出来事でした。

「もう勉強の時に逃げたりしない。
もっと男らしく強くなるから・・・
お願いだから目を覚ましてよ」

と私は心の中で叫んでいました。

私は泣くだけ泣いて、
悲しむだけ悲しんで
早く母を忘れようと努めました。

母と同じように父も、
私のことを可愛がってくれました。

しかし中学生になった頃、ふと

「私のことが本当に可愛いのだろうか?」

と思うようになりました。

父は私を
いろいろなところに
連れて行ってくれましたが、
それはいつも父の仕事が絡んだ
外出でした。

一家で子どものために
遊びに出かけたことは
覚えていません。

記憶にないのです。

覚えているのは、

父が運転免許証を取りに行った時に
立ち寄って食べた寿司の味。

仕事で行った東京で食べた
フグ刺しの味。

父と歩いていたら
ガソリンスタンドの社長に借金の催促を
受けていたことなどです。

父との思い出にはこんなこともありました。

小学5年生の時、
母が結核で入院しました。

毎日のように父と自転車に2人乗りして
お見舞いに行きました。

4人兄弟の末っ子で
長男の私は
母が入院してから
父にべったり、
父がいないときは
一番上の姉にべったりでした。

日増しに良くなっていく
母の顔を見るのが願いであり、
楽しみでした。

母の顔を見るたび、
私は幼児感覚に戻り、
病気の母に遊びや
添い寝をねだりました。

母は、嫌な顔ひとつせず
私の要求に応えてくれました。

私の心の中は
満足そのものでした。

一方で、本当は優しいけど、
理由も聞かずにすぐ怒鳴る父が
あまり好きではありませんでした。

周りの人たちは父のことを
「子煩悩」だと言っていたようですが、
実際の父は口数も少なく、
冗談を言うこともありませんでした。

今思うと、
こんな父に対して

「甘えたいけれど甘えられない」

という思いを
抱いてしまったのかもしれません。

そして・・・

母が亡くなりました。

この出来事をきっかけにして、
私の人生はひとつひとつ
崩れていったような気がします。

つづく

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編集後記
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思春期の頃、大好きだった母が
亡くなってしまったことは
僕に非常に大きなダメージを与えました。

そして僕の人生は、
母の死をきっかけに変わり始めました。

次第に非行への道を進むことになります。

ただ、僕が非行への道を
歩んでしまった本質的な理由は、
母の死とは別にあります。

それは、
僕が人一倍愛情を欲する子どもだった
ということです。

あなたも僕の幼少期のエピソードを
読んでそれを感じたかもしれませんね。

人一倍愛情を欲する
子どもだったからこそ、
母の死をきっかけに
愛情不足に陥るようになり、
そして道が逸れ始めたのです。

ももちろん、
父も僕のことを
可愛がってくれてはいましたが、
その愛情に対して疑問をもつことも
多くありました。

僕の場合、
人一倍愛情を必要としていたため
父の愛情だけでは
心が満たされなかったのです。

今回の話から
あなたに知って欲しいことは、

「人は誰もが
愛情を必要とするけれど、
どれだけ愛情が必要か
その量は人それぞれ異なる」

ということです。

そして、考えて欲しいことは
あなたのお子さんが今
どれだけの愛情を欲しているのか?

ということです。

おそらくあなたのお子さんは
愛情を人一倍必要とする
タイプの子ではないでしょうか?

そして今はそれが
満たされていない状態
ではありませんか?

もし本当にそうであれば
お子さんの愛情を
満たしてあげない限り
現状は何も変わりません。

あなたが今すぐにしなければ
いけないことは
愛情を注ぐことです。

すなわち過保護な
子育てをされることです。

これは何度も
お伝えしているので

「聞き飽きた」

と思われる方もいるかもしれませんが、
とても重要なことなので
何度でもお伝えします。

ぜひ今一度
お子さんがどういうタイプなのかを見極め、
そして足りない愛情を
補ってあげてください。

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読者の方から頂いた喜びの声
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それでは本日も

読者の方から頂いた子育ての
体験談を紹介させていただきます。

本日は、MFさんという方からのメッセージです。

不登校ではないものの
息子さんのゲームに悩まれていた
親御さんです。

今は、過干渉な子育てを反省し、
少しずつでも良い関係を築くために
努力をされている様子を
ご報告してくださいました。

MFさんの姿勢をぜひ
あなたの子育ての
参考にしてください。

*******************ここから********************

中学2年生、男子の母です。

いつもゲームばかりで、
時には夜遅くまでしていて、
勉強をしない事が悩みました。

そんな息子を見ていて
自分の中で子育てに対して
葛藤している部分がありました。

それで、伊藤先生のDVDを購入しましたが、
その伊藤先生の子育て論を
直ぐは受け入れる事が出来ませんでした。

それでも、伊藤先生のDVDの内容を観て、
伊藤先生が真剣に子ども達に向き合って
問題を解決された話しを聴いて
我が子にも当てはまる事があるかも知れない
と思い、実践する事にしました。

我が子は不登校でもひきこもりでもありませんが、

「勉強をしなさい!」

と言わないようにしました。

今は、先回りしていて
過干渉だったと反省をしています。

他にも、
ゲームを取り上げたり、
やらせないということはせず、
時間を決めてやるように約束させることを
実践しています。

まだ3日目ですが守ってくれています。

頭ごなしに言うより、
落ち着いて話し合いが出来るまで
待つことも必要だと教えて頂きました。

まだまだこれからですが、焦らず
子どものペースに合わせて
子どもの意見も聞きながら
親子関係を良くして行きたいと思っています。

*******************ここまで********************

MFさん、貴重なメッセージありがとうございました!

>伊藤先生の子育て論も直ぐは受け入れる事が
>出来ませんでした。

とのことですが、世間には
過干渉を推奨する方が多くいらっしゃるので
MFさんがすぐに受け入れることができなかったのも
無理もないことだと思います。

しかし、それでも今は信じて
過保護な子育てを実行されている
ということで、大変嬉しく思います。

>頭ごなしに言うより、
>落ち着いて話し合いが出来るまで待つ

こちらも非常に重要なことですね。

子育ては一朝一夕で変化するものではありません。

それでも
たった一言でお子さんとの関係が
縮まることもありますし、
たった一つの行動で
お子さんが笑顔を見せることもあるのです。

これからの輝かしい未来を信じ、
過保護な子育てを続けてください。

また何か新しいことがありましたら
ご連絡報告頂けたら幸いです。

お忙しい中、
メッセージを送ってくださいまして
本当にありがとうございました!

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「友達に相談することもできない」

「スクールカウンセラーや
教育相談所に行っても
何の解決にもならない」

そう言って孤独に戦ってらっしゃる
親御さんは大勢いらっしゃいます。

そのような親御さんにこそ、
読者の方からのメッセージを
ご覧いただくことにより、

「悩んでいるのは自分一人ではない」

と知って、勇気を持っていただきたい
と思っています。

繰り返しになりますが
あなたは一人ではありません。

僕も情報提供などを通じ、
これからも応援させていただきます。

どうかそのことを忘れず、
今日も明るく
過保護な子育てを続けてください。

ただ、あまり自分自身を
追い込まないでくださいね。

少しずつ、少しずつ
過保護な子育てを実践いけば
必ずゴールは見えてきます。

焦らず着実に問題を解決していきましょう。

そして最後に1つだけお願いです。

もしあなたのお子さんにも
何か変化が見られたら、
今なお子育てに悩まれている親御さんの為に
その様子をメールでご連絡頂けないでしょうか?

登校できるようになった
仕事するようになった

など、問題が完全に解決していなくても結構です。

問題を克服された、
または克服しつつある
あなたの子育ての体験談は、
何よりも貴重なお話です。

何かしら変化が見られたら、
その体験談を教えていただくことは、
きっと他の親御さんにとって
明るい道しるべになるはずです。

ですから、ぜひこのメルマガで
シェアさせてください。

お忙しいとは思いますが、
ご協力をよろしくお願いします。

それでは、次回は
母が亡くなってから、
僕の心境がどのように変化していったのか、
その様子をお伝えします。

あなたのお子さんの心情を理解する
手がかりにもなると思いますので、
ぜひ次回もご覧ください。

本日も最後までお読みいただきまして
ありがとうございました。



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3 Comments
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KW
KW
2016年8月1日 11:56 AM

先日はありがとうございました?返信遅れてすみません??娘にゲームソフトをねだられ買ってあげました。絵を描くのが得意なのです。わたしとは仲良くなったり、拒否したりの繰返しです。主人とは拒否しているようですが、私のいない間はわかりません。上の息子も問題を抱えていて楽しいはずの学校も少しかげりが見えてきました。正直そんなところです。伊藤先生
暑さ続きますので、お身体に気をつけて頑張ってください!またメールします??

AO
AO
2016年7月28日 11:37 PM

先日電話相談させてもらい甘えん坊で気が弱いので先生から過干渉と放任をしないで一緒にご飯を食べられるようにしたらいいと言われたのですがなかなかそれが出来ず、また週1-2回来てくださる学校の先生から心の傷があるようだからカウンセリングを受けた方がいいと言われ(スクールカウンセラーの話だと思うのですが)それを強引に夫が子供に言ってしまったためにさらに引きこもりになってしまいました。
俺の存在自体をほっといてと言い、回りがみんな敵だと言います。さらにお金以外何もいらないと言います。(買うものはマンガなのですが)挨拶と昼御飯のメニューを書いたてがみのみテーブルにおいているかんじなのですが、ほかにこの状態で必要な干渉はありますか?

riri
riri
2016年7月28日 2:38 PM

中3の息子とシングルマザーです。

中2のころから毎日遅刻で
一時友達が毎日迎えに来ることで遅刻はなくなったのですが
また遅刻の毎日になってしまいました。
段々と行く時間も遅くなり、そのことで大喧嘩。
それがきっかけで不登校になりました。

私は子供の頃、父の過干渉が酷く
自分がお荷物だと感じていました。
だからこそ親が困ることをわざとにしてました。
かなり厄介な子供だったと思います。
それをわかってて、
私も父のよーに頭ごなしになってしまっていることに
気付きながらも今更自分を変えられず
感情に負けてしまう日々でした。

息子との関係は悪化していくばかりでした。

伊藤さんのことを知ってメルマガを購読し始めて
感受性が強くプライドが高く気が弱い
私のことだと思いました。
なので息子もこんな思いをしていたのかと
心が痛い思いでした。

そして過干渉をやめてみました。

すると息子からゲームの話しなど
私の目を見て話してくるよーになりました。
私はビックリして、ただただ聞いていました。
それから息子は「俺はニートになる??」と言い出しました。
なんて答えたらいいのかわからず
そのまま何も言わないで終わりました。

友達が朝息子を迎えに来て、
みんなで外に連れ出してくれたことがありました。
学校に行って、みんなも喜んでいたらしく
息子は学校に行く格好でもなく何も持たずだったので
帰りますと言って帰って来ました。
その間先生から息子がどこに行ったかわからないので
その辺を探してくれと電話があったので
帰って来た息子の前で
先生に、家に帰っきたとメールをしたところ
すぐ先生がウチに来ました。
先生も嬉しかったんだと思いますが
どーして帰ったのか、どーして学校に来たのかとか
色々話したらしいです。
それから息子はまた戻ってしまいました。
私が先生にメールをしたら先生がウチに来たとゆー連鎖が
息子にしたら裏切り行為のよーに感じたのかなと思いました。

それからまたどーしたらいいのかわからなくなってしまい
私も焦るばかりで、たまに干渉をしてしまう。

息子のため、自分のためにDVDを購入しました。
こーしたら子供はこーなるとゆーことが
ウチの息子のことのよーに例に取り上げられていたので
中途半端な理解ではダメだったなと深く反省しました。

おかけで今は焦ることなく接しています。

すると
「夏休み中は一切外に出ない??」と宣言してた息子が
朝いきなり「ばあちゃん家に行ってきていい?」
「犬の散歩に行ってきていい?」と。
ばあちゃん家には何しに行ったのか聞いてみたら
外に出たかったからと言いました。
凄く嬉しかったです??

昼と夜が真逆なので夜寝るよーにしたいからと言って
寝ないで頑張って起きているんですが
結局寝てしまうので、あまり変わってないのですが
そー思うよーになって頑張ってるのがとても嬉しいです。

今日は寝てない息子が
「朝ご飯を食べたら遊びに行ってくる」
と言って出かけたので、凄く嬉しくなりました。
1度ゲームのコントローラーを取りに帰って来たときに
どこに遊びに行くのか聞いていたら「キモい」と言われて
最近はずっと「キモい」と言われてなかったので
かなりしつこく聞いてしまったんだなと
自分の反省になりました。

不登校になってから
友達と関わることがまったくなかったので
自分から友達と関われるくらい心に余裕が出来たのかなと
本当に嬉しく思います。

伊藤さんと出会ったことで
息子と向き合うことができました。
こんなにも愛おしく思えるよーになりました。
何か出来るよーになったら嬉しくてたまりません。

これからも頑張っていこうと思います。


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