【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#78 ゲームを買ってあげるのは過保護なのか?

2016-07-21

おはようございます。
伊藤幸弘です。

本日も子育ての悩みから
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。

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前回のおさらい
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前回は、

「15歳の子どもには
15年間分のストレスがたまっている。」

というお話をしました。

そして、このストレスを
常日頃から少しずつ解消してやるのが
親の役目であり、子育てだとお伝えしました。

正しい子育てである
「過保護」さえ
しっかりしていれば
ストレスの爆発は食い止められます。

では、その過保護とは・・・?

これまでも何度もお話して来ましたが、
「過保護」は奥が深いテーマなので、
今回は改めて「過保護」そして「過干渉」
についてお伝えします。

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本日のテーマ:「過保護」・「過干渉」
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「過保護」には、
子どもを必要以上に保護する・甘やかす等の
悪いイメージがあるかもしれませんが、
私の言う「過保護」はそういう意味ではありません。

「過保護」とは、親が
子どもが望むことを
十分にしてあげる事です。

とはいえ、子どもの言いなりになる
ということではありません。

“精神的に保護をしてやる”
“精神的な要求に応えてあげる”

ということです。

たとえば、子どもに

「ゲームがほしい」

と言われたとして
ゲームを買ってあげることは
過保護だと思いますか?

ゲームを買ってほしいという
子どもの要求に応えているので、
一見、過保護に思えるかもしれません。

ところが、それは過保護ではありません。

なぜなら、ゲームは”物”であって、
子どもの”精神的な要求”ではないからです。

精神的な要求 とは

一緒にゲームがしたい
一緒に遊びたい
一緒に出かけたい
●●して

など、幼児が親に甘えるような
要求の事です。

この”精神的な要求”に
是非、応えて欲しいと思います。

だからと言って、
子どもからのせっかくの

●●(物)がほしい

という要求を
全て拒否すればいいかというと
そういうわけではありません。

子どもの年齢にふさわしい”物”、
本人が本当に欲しいと望むのであれば
“物”を買ってあげても良いのです。

* 値段や買い与えるものの基準は
ご家庭の判断で結構です。

また、”物”を買い与える代償として
子どもに、

「勉強をしたらね」
「学校に行ったらね」

など、条件をつける方がいます。

それは「過干渉」であり、
やってはいけないことです。

「過干渉」とは
親が望む事を子どもにさせすぎる事です。

物で釣ろうとすると、
子どもは子どもで

「勉強するからこれ買って」
「学校行くからあれ買って」

と言うようになります。

つまり、”物”が欲しいがために

「いい子」

を演じ続けるのです。

するといずれ子どもは、
その演技に疲れ果て・・・
不登校やひきこもりなど
いろいろな問題行動に走るという
最悪の結末を迎えます。

そのような過干渉な子育てで育てられた
子どもには、自立も自律もありません。

また、人は思春期に、

「果たして自分って何だろう?
何を目的とし、何を目指して
どう生きていけば良いのだろう」

と考え、
自分なりの答えを探す過程において
少しずつ自分に自信をつけ、
自己を確立してゆきます。

過干渉な子育ての結果、
子供の成長にとって一番重要な
この「自己確立」の過程が欠落してしまうのです。

ここまでの話をまとめましょう。

物を買い与えることは
「過保護」ではありません。

また、物で釣るのも「過干渉」です。

どちらもやってはいけません。

なんとなく

「過保護」と「過干渉」

の違いについて、
そして
子育ての中で実行して良いこと、
実行してはいけないことの違い、
を理解していただけましたでしょうか?

それでは、ここからは
「過保護」と「過干渉」を
また別の角度から説明します。

「過保護」と「過干渉」を
別の言葉で言い換えれば
過保護は「親バカ」で
過干渉は「バカ親」です。

まず過保護な「親バカ」について説明しましょう。

例えば、過保護な「親バカ」は
自分の子どもが悪いことをした時は
真剣に叱り、体当たりで子育てをします。

しかし、最終的に子どもが
社会的に追い込まれると
子どもをかばいます。

子どものために
世間体など最後には捨てるものです。

これが過保護な「親バカ」であり、
子どもの逃げ場が用意されています。

昔はこういう過保護な「親バカ」が多く見られました。

一方、過干渉な「バカ親」はどうでしょうか。

まだ皆さんの記憶にもあると思いますが、
神戸の酒鬼薔薇(サカキバラ)事件を
思い出してみてください。

犯人の少年の親は典型的な
過干渉の子育てをしていました。

親は、息子について

「どうしてあんなふうになったのか分からない。」
「何不自由なく色々と物を買ってやったのに・・・」

と言っていました。

また、私が相談に乗る親御さんの中にも

「学校の先生がなっていない。社会も悪い・・・」

「子育ては母親に任せていたのに、母親が悪い・・・」

「あんな悪いのは鑑別所に早く入れて欲しい・・・」

とおっしゃる方がいます。

もっとひどい親になると
子どもの前で

「お前みたいなのは俺の子じゃない」

とまで言う親もいます。

これが「バカ親」です。

ここには子どもの逃げ場は存在しません。

この話を通じてあなたに伝えたいことは、
現代の親はもう少し
「親バカ」になってもいい
ということです。

大人たちが本音で愛情をもって
子どもに体当たりするとき、
子どもは心を開き、
大人を信じるようになります。

少しでも意識してみてください。

つづく

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編集後記
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「親バカ」と「バカ親」の違いについて
少し補足させてください。

両者の違いを、一言で言うと、
何でしょう?

その違いは、

「愛情があるか無いか」

です。

「親バカ」=過保護

「バカ親」=過干渉・放任

とも言えますね。

ちなみにあなたはいかがですか?

「親バカ」でしょうか?

それとも

「バカ親」でしょうか?

もしかしたらあなた自身の気分で
子どもに八つ当たりしてしまうことも
時にはあるのではないでしょうか?

子どもを憎いと思ってしまうような時も
あるのではないでしょうか?

「どうしても子どもが愛せないんです・・・」

とあなたは言うかもしれませんね。

実際に私の元には

「子どもを愛せないんです」

という相談が寄せられることが
多々ありますので、
あなたがそう言っても
私は特別驚きません。

「暴力や暴言ばかりの子どもを
どうしても愛せない」

という気持ちもわかるからです。

もしあなたが本当に
お子さんを愛せないことに悩んでいるのであれば、
実は、それも”お子さんに対する愛情”の一つです。

どうでもいいと思っている事に
悩んだりはしません。

ただ、愛し方・表現方法などが
うまくできないだけです。

そして、それはお子さんも同じかもしれません。

厳しいことを言うようですが、
暴言・暴力を吐くお子さんを育ててしまったのは
あなた自身です。

今までのメルマガでもお伝えしていますが、
・あなたが喜怒哀楽などの感情表現を豊かにする事
・あなた自身の人生を楽しむこと
・子育てを楽しむこと
・あなたが幸せを感じること

などで、あなた自身が変われば
きっとお子さんにもいい影響がでるはずです。

学校の先生のせいにしたり、
家族のせいにしたり、
原因を外部に求めても何の解決にもなりません。

あなた自身の子育ての何が問題だったのか、
本日の話も参考にしていただきながら
改めて真剣に考えてみてください。

そしてその問題を解決するために
行動を起こすことを
少しずつでも意識してくださいね。

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読者の方から頂いた喜びの声
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それでは本日も
読者の方から頂いた子育ての
体験談を紹介させていただきます。

本日は、HAさんという方からのメッセージです。

息子さんが不登校になってしまったものの
DVDをご覧いただいて
状況が改善したという
ご報告をお寄せいただきました。

あなたにとっても
とても参考になる話だと思います。

ぜひご覧ください。

*******************ここから********************

中学3年生の男子の母です。

昨年9月から不登校で
昼夜が逆転し、ゲーム三昧でした。

そんな時に伊藤先生のDVDに出会いました。

伊藤先生からは子育ての基本を教えてもらいました。

一番大切なのに、一番おろそかにしていたところです。

思春期の子どもに真剣に向き合うきっかけをもらい、
参考にした結果、子どもはだいぶ安定しています。

以前は、気に入らないことがあれば、
私にジュースをかけてきたり、
壁に穴を空けたり、最悪でした。

今はそんな事もなくなりました。

そして・・・安定してくると、欲が出てきます。

そんな時は、伊藤先生のDVDやメルマガを
また見ています。
(私の場合は、家事をしながらスマホで聞いています)

これからも伊藤先生のDVDを参考にして頑張って行きます。

*******************ここまで********************

HAさん、貴重なメッセージを
ありがとうございました!

きっと辛い思いをされてきたことと思います。

>私にジュースをかけてきたり、
>壁に穴を空けたり、最悪でした。

と書かれていましたが、
当時はどうしようもなく
悩まれたのではないでしょうか?

しかし、DVDをご覧いただき、
そして息子さんとしっかり向き合われて
新たな信頼関係を築かれたご様子で
本当に良かったです。

>そして・・・安定してくると、欲が出てきます。

とも書かれていますが、
確かに人とはそういうものですよね。

しかし、HAさんは
そのことをしっかり認識し、
実際に行動も起こされていますので
大丈夫ですね。

ぜひ、これからも
DVDやこのメルマガを
継続的にご覧ください。

改めまして、
メッセージを送ってくださいまして
ありがとうございました。

HAさんのメッセージに
希望を見出された親御さんが
必ずいらっしゃることと思います。

これからも引き続き
応援させていただきますので
どうぞよろしくお願いいたします。

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>私にジュースをかけてきたり、

>壁に穴を空けたり、最悪でした。

という言葉がありましたが、
もしかしたらあなた自身も
HAさんと同じような経験を
されているかもしれませんね。

そして今現在、絶望の淵に立っている方も
いらっしゃるかもしれません。

しかし、どんな状況からでも
再びお子さんと信頼関係を築くことは可能です。

そのことをHAさんのメッセージから
感じ取っていただけたのではないでしょうか。

ぜひこれからも
明るい未来を信じて
困難を乗り越えていきましょうね。

次回は、珍しく
僕、伊藤の生い立ちについての
お話です。

ご存知かと思いますが
僕自身も、若い頃は親に反抗し、
社会に反発して生きていました。

そういう経験があるからこそ、
見えたこともたくさんありますし、
あなたに伝えられることがあります。

ぜひ次回もご期待ください。

本日も最後までご覧下さいまして
ありがとうございました。

PS:
こちらのメールでは引き続き、
あなたからのメッセージを募集しております。

もしよろしければ
あなたがこれまでに体験された

「こんなことをしたら、
子どもとの関係が良くなった」

といったリアルなエピソードを
送っていただけないでしょうか?

今まさに苦しまれている
他の親御さん方のために
いただいたメールを、
こちらのメルマガで
紹介させていただきたく思います。

1人でも不登校児を減らすために
ぜひご協力いただけましたら幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。



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KW
KW
2016年7月23日 8:50 AM

伊藤先生ありがとうございます。先生のDVDを見て、目から鱗 でした!もっと早く感想を言えば良かったと思います。過保護にするのか? 今までは愛情不足なんだ!と 毎日忙しく、目の前のやることをこなすだけで精一杯で、見過ごすことが多すぎました。子供のちょっとした変化にもきずかずに上の子供の受験や学校でのトラブルで精一杯でした、そのせいでしたの娘を守ってあげられなかったこともあったとおもいます。先生からくるメッセージでどんなに励まされたかわかりません。ありがとうございます?伊藤先生と繋がっていると思うと、勇気が沸いてきます。娘の学校も夏休みにはいり、担任の先生からも連絡がきて、タブレットの話しになりました、わたしは、病気になりそうなので返しました、と言いました、担任の先生はその時、約束ごとをしましたか?ときかれたので
12時過ぎまではやらないようにとしましたというと、お母さんが主導権をにぎるのが大事なんですよ、と言いました、それでわたしは、ひとつ終わったと思い、次のステップへいけると思いました、住民票をもとに戻し地元の隣の地区の中学校へ行かせようと思いました、娘にその事をいうと、少し嬉しそうでした、ま何かあるかもしれませんが、前向きに頑張っていこうと思います、伊藤先生、収録日はよろしくお願いいたします?私たち家族はこの地域では目立つほうで、田舎なのでいろいろいわれてきました、そのせいで、娘も息子も嫌なことがたくさんあったとおもいます、息子はここからでられて良かった?とほんきで言ってます、
私も出ようかなと思いました、が主人の身体のこととかありなかなか本気になれませんでした、娘も一緒におばあちゃんちへと思い、そしたら?と別の学校へ行かせましたが、上手くいきませんでした、やはり地元の隣の中学校で落ち着くといいと思います、結論が出てしまいましたが、まだ娘の気持ちは固まってはいないので、まだ時間が掛かるかと思います、よろしくお願いいたします。

利左衛門
利左衛門
2016年7月21日 5:31 PM

朝に起こさないようにしたら、益々、会話する機会が減り、心配です。


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