【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#23 「嘘だと思ってました。伊藤幸弘子育て法」

2015-06-11

おはようございます。
伊藤 幸弘です。

本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩んでいる親御さんに役立つ情報をお伝えしたいと思います。

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前回のおさらい
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前回は、子どもにとって
遊びがどんな役割を果たすのか、
ということをお伝えしました。

いちばんお伝えしたかったことは
子どもは遊びの中で”社会性”を
身につけていく、というお話です。

小さい頃はお母さんやお父さんに遊んでもらい、
やがて

“遊んでもらう”、

から

“一緒に遊ぶ”

という意識に変わり、
そして、お父さん、お母さん以外の友達との遊びが始まり、
その中で自分の役割を意識し始める、
という流れがあるというお話でしたね。

このメルマガを読んでくださっている
あなたのお子さんは、もうすでに中学生や高校生かもしれません。

ですから、もしかしたら

「幼児期の遊びが大切だ、ってことを今さら知っても遅いよ。」

と思われるかもしれません。

が、そんなことはありません。

お伝えしたいことは

「子どもの頃に遊ぶのが大切だ」

というお話だけではないからです。

なぜ子どもにとって遊びが必要なのか?

その理由を知っていただき、
目の前で問題行動を起こしているお子さんを
より深く理解することに繋げていただきたいと
いう意図をもち、対談を紹介させてもらっています。

多くの親御さんが、

“なぜうちの子に限って、こんな風に問題行動を起こすのか!?”

と原因が特定できずに苦しんでいます。

ですから、

“あなたがお子さんのことを、もっともっと深く理解できるように”

そんな想いを込めて、本日も佐々木先生との対談をお伝えします。

前回に引き続き、

「子どもにとって遊びがなぜ必要なのか?」

ということをより深く追求します。

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■伊藤:

たとえば友達との遊びにはルールが必要になりますよね。
こうした小さい時の体験が、成長してから

「社会のルールを守る」

ということにつながる、ということではないでしょうか。

●佐々木先生:

はい、僕はつながると思う。

ちなみに旧ソビエト時代の高名な心理学者に
ヴィゴツキーという人がいます。
彼は、子供の遊びを熱心に研究した。
最初はね、彼のテーマは

「子どもはなぜ遊ぶのか?」

だったんですが、研究を続けるうちに

「子どもはなぜ遊ばなければならないのか?」

に変わっていったんです。

■伊藤:

なぜ遊ぶのかではなく、なぜ遊ばなければならないか、

なんですね。

●佐々木先生:

はい。
ヴィゴツキーはこういうことを言っていますよ。

「子どもは遊んでいるときに、
必ず自分たちでルールを作っている。」

ルールを守れない子どもは遊びに入れないんです。
でも年がずっと離れた子どもたちが一緒に遊ぶ時には、
小さい子どもに特別救済措置をちゃんと作るんです。

年上の子がそういうルールを作ってやる。
こうして互いのルール、確認事項を作って遊んでいる。

それから必ず役割分担し合っている。
電車ごっこをすれば運転手は誰とか、
車掌は誰とかね。
しかもこの役割は仲間の承認を得なければできないんです。
自分勝手にはやれない。
そして、他の子と競争までして
できるだけ困難な役割を担おうともする。

「この顔ぶれでは、僕は今日はこの役しかできないな」

と考えて、その役を登録し、
仲間から承認を受けて遊びに参加する。

ときには、

「今日はひとつ頑張ってこの役をやりたいと仲間に訴えてみよう」

と考えて、承認してくれるかどうか試してみる。

このようにして、子どもは遊びのなかで
常に発達方向に向かった最近接領域、
最も近い領域を目指していると言うんです。

ですから子どもの遊びを見ると、
快楽のために遊んでいる子どもなど
1人もいないと。
そして、うまくいったら仲間と感動を分かちあう、
うまくいかなかった時には仲間から慰められる。
こういう経験も遊びの中でたくさんするんですね。

ルールをつくる、守る、
そして役割を決めて仲間の承認をもらう、
困難なことをやろうとし、
そこで最大限の努力をする、
そして感動や慰めを分かちあう・・・
こうした経験を遊びのなかでするんです。

■伊藤:

なるほど。

●佐々木先生:

ヴィゴッキーは、子供の遊びを観察し、研究して、
このような結論めいたものを出した。

「人間が道徳性、倫理性というものを
身に付けるためには遊びが必要だ」と。

仲間とのルールのある遊び、
役割のある遊び、
役割を分担し合う遊びを抜きにしては、
人間の中に十分な倫理性、道徳性は
育たないと言っているんです。

倫理性、道徳性は、
いくら勉強させたって身に付かない。
遊ばせなければダメなんです。

簡単に自転車を盗んだり、
万引きしたりする若者たちには、
このような遊びが足りなかったのかもしれない。

だとしたら、どんなにお説教をしたって無くなりません。
今度は見つからないように
うまくやろうといった努力はするでしょうけれども。

人間が倫理性、道徳性を獲得するためには、
幼少期に仲間とルールのある遊びを、
強調しあって感動を分かち合いながら
やることが必要なんです。

そしていつも発達を目指す、
今できないことを明日こそやろうと努力する、
最大の力を発揮してやり遂げようとすることが大事。

これを継続しているのが遊びなんですよ。
誰から命令されたわけでもなく、
子どもたちが自然にやっているわけです。

■伊藤:

だからルールが身につくんですよね。

●佐々木先生:

ルールを守れない人間というのは、
ルールがあることを知らないんじゃないんです。

ルールがあることを承知していながら守れない。
ちゃんと知っているのに守らないんです。

守れる人と守れない人の違いというのは、
ルールを守りあうことによって、
こんなに喜びを分かち合えた、
こうした経験をしているかしていないかでしょうね。

ルールを守ることで、自分は今日こんなに楽しい遊びができた、
あるいは悲しみを仲間に分かち合ってもらえたという
経験の有無だと思います。

遊びを通じて、このような経験をたくさんすることが、
子どもたちにルールを守る感性、感情を育てるんですよ。

■伊藤:

ここに佐々木先生が子育て協会から出した
『こどもの森』という本があるんでが、
中に

「大人にとっては仕事、
学生にとっては勉強することが大事である。
同じ理由で、子どもにとっては遊ぶことが大事だ。
遊びを抜きにして健全な人格形成はあり得ない。
遊びは人間になるための訓練をしていると言える」

とある。

今の話がこれですよね。

たとえば校内暴力や家庭内暴力の子というのは、
ある意味で人格形成を失敗した子とも言える。

それはやはり

“ちゃんと遊んでこなかった”からじゃないかと思うんだけれど。

●佐々木先生:

そう、僕は本当にそう思いますよ。

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本日の対談はここまでです。

子どもがルールを守らない、
他人とコミュニケーションがうまくとれない、
そして問題行動を起こす、

これらのことは、小さい頃の遊び不足が1つの原因になっています。

赤ちゃんにとって泣くことが仕事であるように
小さい子どもにとっての仕事は遊ぶことです。
まずはこのことを認識いただければと思います。

ところで対談の中に

“快楽のために遊ぶ子どもは1人もいない”

という発言がありましたが遊ぶということは
楽しいことばかりではないんですね。

我慢しなければいけないこともあるし
泣きたくなるような悲しいこともあるし、
守らなければいけないルールもあるし。

でもそれらを通じて初めて
社会性を身に付けることができるのです。

イヤだなあと思っていたことを乗り越えた先にある
感動を体験することによって、
人格が形成されていくのです。

「社会性はね、こうやって身に付けるんだよ」
「こうやって人格を形成していきましょうね」

なんていくら口で言ってもそれらはまったく身につきません。

もしあなたのお子さんが問題行動を起こしているとすれば
お子さんの小さい頃の遊びが足りていなかったのかもしれませんが
いかがでしょう?

ぜひ思い出してみてくださいね。

そして、今回のお話を
ぜひお子さんのことを理解してあげる上での
ヒントにして頂ければと思います。

さて、このメルマガの配信を開始してから
早いもので半年が経とうとしていますが、
この半年間の間に
たくさんの方から嬉しいご報告をいただいております。

中には、僕のお伝えする子育て法に対して

「本当かなあ?」

と半信半疑だった方もいらっしゃるようです。

本日も、ある読者の方から頂いた喜びの声を紹介させていただきますが
その方も、最初は半信半疑だったとのことです。

ただ、その方は半信半疑ではあっても
少しずつ実際に行動を起こされました。

すると・・・

ここから先は、実際に頂いたKAさんの喜びの声をご覧ください。

**********喜びの声*************

いつもメールを有難うごさいます。
このアドバイスを始めは半信半疑で読ませて貰っていました。

私の息子は29歳の大人で4年前から仕事を辞めてから引きこもり
何度話し合いをしても一向に解決せず
出口の見えないトンネルにいた気がします。

半ばあきらめ、でもあきらめきれず
本人も悩んでいるので余り触れられず。

そんな時、他の方のアドバイスを
家に置き換えてみました。
話を良く聞こう、そして責めない。

正直、普段通りに接していても
心の中では、

「どうしてウチだけが?」

と思ってました。

続けるうちに、返事位しかしない息子が
二言、三言、会話になってきました。

そして、本日、会社の入社式に出掛けて行きました。
仕事は友人の勧めで自分で探した様です。

ここまで来れたのはアドバイスを頂いたおかげです
本当にありがとうごさいました。

*********ここまで*********

KAさん、
息子さんが入社式に行かれたとのこと、
本当におめでとうございます!!

お母さまの不安なお気持ち、お察しします。

半信半疑でも私の子育て法を実践して頂きありがとうございました。

1つの壁を乗り越えられた息子さんは
以前よりひとまわり大きくなられたことと思います。

お母さまご自身も、今回の経験を通じて
正しい子育て、というものを
心からご理解いただけたのではないでしょうか?

これからもぜひ「過保護」に接して頂き、
温かい目で息子さんの成長を支えてあげて下さいね

素敵なご報告のメッセージをいただきましてありがとうございます。

また何か嬉しい変化がございましたら
ぜひ共有頂けましたら幸いです。
*************************

世間的には、

「厳しく子育てすることが良い」

とおっしゃる方もいますし、

「過保護は子供を甘やかしているのでは?」

と不安がる親御さんもいます。

でも僕は、過保護であることの必要性を
このメルマガで何度もお伝えしてきています。

なので、今回メッセージを頂いた方のように
半信半疑になる方がいてもおかしくないと思います。

ただ、勘違いしないで頂きたいことは
決して単純に甘やかすことを
推奨しているわけではない、ということです。

あなた自身の希望を押し付けないこと
そして何よりも愛情を子供に感じさせて
あげることが重要なのです。

最初は半信半疑でも構いません。
ぜひ愛情をもちながら
お子さんが欲していることを
してあげてみてください。

お子さんは感情をもった人間です。
普段全くあなたの言葉に耳を貸さないとしても、
嬉しいことがあれば必ず笑います。

あなたからの愛を感じれば必ず嬉しい気持ちになります。

“必ず”です。

あなたが今、子育てに悩まれているのであれば
本日紹介させていただいたメッセージを
ぜひ参考にしてみてくださいね。

そして嬉しい変化がありましたら
ご報告いただけると、とても嬉しいです。

本日の「喜びの声」の中に、

“他の方のアドバイスを家に置き換えてみました。”

とありました。

この「置き換え」がとても大事です。

このように読者の方同士が、実際にうまくいった方法を
間接的ではありますが情報交換できる場を
もっともっと拡大していきたいと
真剣に考えておりますので、
ぜひご協力頂けましたら嬉しいです。

さて、次週も引き続き遊びに関するお話です。

遊びを経験しなかった子どもに共通して決定的に足りないもの、
それは「●●力」です。

こらからの世の中を生きていく上で
どんな職業に就くとしても
絶対に必要で、とても大切な力です。

これがあるか無いかで、人生は大きく変わってくると言えます。

さて、「●●力」とは何でしょう?

ぜひ次回までに考えてみてくださいね。

それでは本日も最後までご覧下さいましてありがとうございます。

あなたが抱える問題が1日でも早く解決することを願っております。



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I
I
2017年10月29日 1:47 AM

最近は、群れ遊び・異年齢集団って減ってきましたね。
スポ少が遊びだと思ってる親も多いが、大人のルールで動いています。
週休二日制のまま脱ゆとり、公園集合は16時⇒12月の日没は16時半。
これでは遊べないし、放課後は塾・習い事で忙しい。
※休日はショッピングモール、フードコート・玩具売場のゲームコーナー


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