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【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#141 幼児返りとわがままの区別
こんにちは、伊藤です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
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前回のおさらい
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前回は、
元鑑別所所長の奥村晋氏と
私の対談をご紹介しました。
所持品検査に関して、
奥村氏と話しましたが、
「学校側も迷っているのでは?」
というお話でした。
つまり、子育てを、
特に問題行動を起こしている
子どもへの対応について、
学校に任せきりにしてはいけない
ということです。
家庭で親の愛情を与えることこそが
子育ての基本であることを
忘れないでください。
それでは、
奥村氏と私の対談の続きを
ご紹介します。
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とにかく禁止すれば良いのか?
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●インタビュアー:
奥村さんは、学校の所持品検査は
文部大臣からの指示だから行う
ということではなく、教師が
「学校を平穏に保つために必要だ」
と思ったら実施すれば良いというお考えですが、
伊藤さんはいかがですか?
■伊藤:
私が以前聞いた話では
検査をした学校でも
別に問題は起きなかったそうです。
ただ、検査では、
7人に1人くらいの割合で
ナイフを持っていたそうです。
そこで、先生は
「明日から学校へナイフを持ってきてはいけないよ」
と注意をして終わったそうです。
検査をしても子どもたちは
意外と何とも思わないんですよ。
携帯電話や、ナイフなど、
世間の常識で中学生、高校生が
学校で必要としないものは
取り上げないといけない場合もあります。
「こちの学校ではナイフを持ってきてはいけない」
という規則を作り、
生徒になぜ持ってきてはいけないのかを
よく理解させて、
その上で、所持品検査をすれば
問題は起きないはずです。
●インタビュアー:
ナイフで人を傷つけるなど言語道断です。
しかし、ナイフはコンビニやスーパーなどで
簡単に手に入ります。
そのような環境の中で
子どもたちにどう教えていくかが
問題となっています。
使い方を間違えると危ないものを
単に禁止するだけで良いのでしょうか?
この辺をどう教育したらいいんでしょう?
◆奥村氏:
家庭にだって危険なものはたくさんあります。
例えば、
お酒だって
洗剤だって、
包丁だって
間違えて使用すると危険です。
ですから、間違えると
どういう危険があるかを教えておくべきですね。
「ここには危ないものは何もない」
と綺麗事を言ってしまうから、
何かが起きた時に対応できないのです。
さっき伊藤さんが言われたように、
学校が、「所持品検査はこうやります」
と意志表明をしておけば、
実際にしてもしなくても効果はあるはずです。
学校としては
やる気になればできるのだということを
明確にしておけばいいし、
やる場合は決して
中途半端なことはしないほうがいいと思います。
■伊藤:
先生の中には時々、
余計なことを言う人がいるんですね。
検査の結果、色々なものが出てきます。
例えば女の子の鞄から
マニュキアや口紅が出てきたとします。
そうすると
「これはおまえには似合わない」
などと余計なことを言ってしまうのです。
すると生徒から批判の声が出ます。
また、所持品検査で
何か関係のないものが出てきたとき、
「これは先生が一時預かっておく」
と言って、後で返さないことがあるといいます。
奥村さんのおっしゃる通り、
ルールを明確にして中途半端にしない事が
大事だと思います。
「学校に必要のないものは持ってこない」
「だから所持品検査を定期的にする」
その結果、何か不必要なものが出てきたら、
先生は余計な事は言わず
「必要ないものだから」
と取り上げればいいと思います。
そして、その取り上げたものを
その後、どうするのかを
明確にルールづければいいと思います。
携帯電話やマニキュア・口紅は
注意したらその日に生徒に返す。
ナイフなどの危険なものは、
親立会いの元で返す、などです。
そういうルールを明確にしておかないと
とんでもない方向に
行ってしまうことがあると思います。
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編集後記
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本日も所持品検査をテーマにした
対談をご紹介しました。
この対談では、
教師がどうすべきか、
について論じたわけですが、
親が子どもに対してどのように接するのか、
と置き換えても同じことです。
子どもに対して
何かを禁止しなければいけない場面は
いくらでもあるかと思います。
その時に大切なことは
しっかりと
「なぜいけないのか?」
「それをしたらどうなるのか?」
「ルールを守らなかったらどうするのか?」
などを明確にルールづけすることです。
単にダメというだけでは子どもは納得せず
親に対して敵対心を持つでしょう。
また、そのルールに筋が通っていなければ
親に対して不信感を抱くこともあるでしょう。
子どもに何かを禁止する際は
しっかりと理由を説明して
理解をさせてください。
そして、そのしつけには
子どもに対する親の愛が
あることが前提です。
親の見栄やプライド・都合で
ルールを作らないことです。
さらに、
「これはおまえには似合わない」
などという本来の禁止の意義とは
違う”余計な事”を言わず、
シンプルにわかりやすくするよう
心がけてください。
さて、ここからは
読者の方のお悩みにお答えしている
【子育てラジオ定期便】という
コンテンツの一部を特別にご紹介します。
今回は、
「幼児返り」
をテーマにしたフリートークの一部を
ご紹介します。
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このフリートークのきっかけになったのは、
先日、あるお母さんから
「息子が甘えてきて困っているんです」
と相談されたからです。
息子は自分ではなにもせず、
「やって、やって」
と親にやらせ
ペタペタと体を触るなど
スキンシップをしてきているので、
お母さんは、
「退行しているのでは?」
「女性の体に興味が出てきたかな?」
と心配していました。
ですが、退行も何も
問題行動をしている子どもの心は、
幼児のそのものなので
これは、問題行動を起こしている子どもには
よくある普通の行動と言えるでしょう。
体は大きく、生意気な口をきき、
いろんな知識も持っていても、
精神は幼児そのものなのです。
成長していないのです。
なぜ、成長していないのか?
もうお分かりですよね。
幼児期の「過保護」が
足りなかったからです。
ですから、親御さんは
その子どもの行為を
きちんと受け止めてあげてください。
「幼児返り」しているからこそ
育て直しができるのです。
これは、大切なチャンスです。
ただ、注意しなければいけないことがあります。
「甘えているから、
すべて要求は叶えてあげよう」
「やって、やって」というから
なんでもやってあげよう」
というのは間違いです。
幼児返りの行動と、
単なるわがままによる行動
これを区別する必要があるのです。
この区別がきちんとできず、
わがままな行動に対して
「過保護」に接してしまうと
状況は悪化します。
親をあごで使ったり
暴言を吐いたりするようになります。
幼児返りは受け入れ、
わがままは受け入れない
この姿勢が大切です。
その見分け方、
具体的な対処法について
よく分からない、難しいと言う方も
いらっしゃいます。
子育てラジオ定期便で
丁寧に解説していますので、
ぜひ参考にしてください:
→ https://futoukou365.com/radio/
「幼児返り」は
問題行動を解決する上で
本当に重要なポイントです。
この機会にしっかりと理解してください。
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読者の方から頂いた喜びの声
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続いて、
DVD、メルマガ、子育てラジオ定期便などを
ご覧になり、状況を改善された
読者の方の喜びの声をご紹介します。
本日紹介させていただくのは
MMさんからのメッセージです。
DVDをご覧になり、実践された結果、
お子さんに変化が見られたと
ご報告くださいました。
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現在、中学2年の娘がいます。
小6年の時に2ヶ月不登校となりましたが、
自分から登校するようになりました。
しかし、中1の2月より
再び不登校となり悩んでいました。
そんな時に、
インターネットで伊藤先生のDVDを知りました。
HPにあった、
「幼児期と思春期は繋がっていて
幼児期に過保護にされていないと
思春期に問題行動をとるようになる」
というお話に、思い当たる節がありました。
そして、育て直しができるという事に
希望が持てたため、
DVDを購入することにしました。
DVDの内容を実践してみると、
娘から手を繋いできたり、抱きついてきたり、
小さい時にもっと私と
スキンシップをしたかったのだなと
感じさせる行動をとるようになりました。
今まで聞いた事もなかった話や
気持ち等を話してくれるようになりました。
少しずつ心を開いてくれているのが
分かるようになりました。
伊藤先生、本当にありがとうございました。
*******************ここまで********************
MMさん
貴重なメッセージをありがとうございます。
DVDの内容を実践していただき
とても嬉しく思います。
お子さんからスキンシップをしてくる
とのことですが、
まさに本日のメルマガでお話させていただいた
「幼児返り」ですね。
「幼児返り」は問題行動を回復するための
とても重要なポイントです。
ぜひしっかりと
受け止めてあげてください。
また、
>今まで聞いた事もなかった話や、
>気持ち等を話してくれるようになりました。
と書いていただきましたが、
これはお子さんがMMさんを信頼し、
心を開き始めている何よりの証拠です。
そして、こちらも実は、
「幼児返り」なのです。
幼児はよく
「ママ、聞いて、聞いて」
と話しかけてきますよね。
ですから、お子さんの話を聞くときも
「幼児」を意識してください。
「幼児が求めるもの」
それは、
自分の話を楽しそうに聞いてくれて、
自分を理解してくれようとしてくれる
温かい存在です。
親からのアドバイスではありません。
ただ、ニコニコと話を聞いてあげれば
それで良いのです。
ぜひ、このまま
過保護な子育てを続けてください。
きっと、いい方向に回復されると思います。
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%%NAMESei%%さんのお子さんに、
「幼児返り」の兆候は見られますか?
「幼児返り」はチャンスです。
ここで正しく接すれば
問題は必ず解決の方向へ向かいます。
お子さんの年齢や性格も様々なので、
同じような行動で
「幼児返り」するわけではありません。
例えば、
「ママ、ママ」
と呼ばれることが増えた。
近くにいる時間が増えた。
食事を残さず食べるようになった。
なども「幼児返り」です。
また、
「弟だけずるい」
などの理由で兄弟喧嘩が増えた。
実は、これも幼児返りなのです。
問題行動を起こしている子どもに
兄弟がいる場合は、
喧嘩が激しいことが多いでしょう。
「●●だけずるい」
という言葉は、裏を返せば
「ママ、私にもっともっと優しくして」
という甘えのサインです。
親にとっては兄弟喧嘩など
見ていて楽しいものではありませんが、
「回復のサイン」と思えば、
明るい気持ちで兄弟喧嘩を
見ることができるのではないでしょうか?
「幼児返り」のチャンスを活かして
正しい子育てを続けてください。
どう接すれば良いのか、
まだ掴みきれていないのであれば、
【不登校ひきこもり解決DVD】
→ https://futoukou365.com/dvd/16
【子育てラジオ定期便】
→ https://futoukou365.com/radio/
をご活用ください。
必ず新たな気づきが得られるでしょう。
特に子育てラジオ定期便では
親御さんからいただいたご相談に
丁寧にお答えしています。
リアルなご相談はきっと
あなたの子育てのお役に立つことと思います。
あなたが抱える問題が
解決することを
心から願っています。
本日も最後までご覧いただきまして
ありがとうございました。