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【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#147 説教ではなく問いかける
こんにちは、伊藤です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
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前回のおさらい
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前回も元鑑別所所長の奥村晋氏と
私の対談の内容をご紹介しました。
「最初に力関係を示す」
というお話しでしたが、
「力」とは、腕力ではなく、
“覚悟”と”自信”でした。
親としての”覚悟”と”自信”です。
その中には、もちろん
子どもへの愛が含まれています。
問題行動を解決できるのは、
親の愛情なのです。
ところが、最近は、
・力関係の上に立ち、
親をあごで使う子ども
・子どもに気を遣い
腫れ物に触るように接する親
・子どもに愛情をかけやくても
やり方がわからない親
・コミュニケーションがとれない
という親子が本当に多いのが実情です。
あなたはいかがですか?
それでは本日も
前回の続きをお届けします。
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説教ではない、問いかけること
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●インタビュアー:
伊藤さんのお話しには、
「子どもたちに問いかける」
と言う言葉が非常に多いですね。
◆奥村:
それはそうです。
伊藤さんは、子ども達に
お説教をしているわけではないからです。
問いかけているのです。
「これはどうするんだ?」
ということを問いかければ、
彼らは何か言わざるを得ない。
彼らが、伊藤さんの問いかけに答えようとするのは、
伊藤さんが、最初に彼らの全てを
受け入れているからです。
「やめろ」
「何をやっているんだ」
「ダメじゃないか?」
と否定的な言葉をかけるのではなく、
まずは、子どもの達の話しを聞く。
子どもの話を聞いた後も、
否定や説教・道徳を説くのではなく、
「じゃあ、どうするんだ?」
と子ども達に答えを導き出させる。
その答えが、どんな答えであれ、
否定せず、説教せず、また、
「じゃあ、その次はどうするんだ?」
と問いかけて答えさせる。
子ども達はその問いかけの中に
自ら答えを見出し、
真剣に取り組んでいきます。
●インタビュアー:
なるほど。
では、伊藤さんは、叱ったり、
大声で怒ることはないんですか?
■伊藤:
ありますよ。
●インタビュアー:
それはどんな時ですか?
■伊藤:
それは子どもが約束を破った時です。
私は、非行少年たちに色々と問いかけます。
「これからどうするんだ?」
「お前は何がしたいんだ?」
と。
すると子ども達はいろいろな可能性を
考えて真剣に答えを出してくれます。
私はその真剣に出した答えに
約束させます。
「じゃあ、●●までに考えろ」
「じゃあ、●●までに○○をしろ」
と言うのです。
私が決めさせた約束ですが、
その約束の内容は、
子ども本人が導き出し、決めたことです。
もちろん、難しい約束、
できそうもない約束はしません。
簡単な気持ち一つでできるような約束ばかりです。
子どもに約束させた、
だから、私も子どもとの約束事は
絶対に守るんです。
「一週間後に会おう」
「次に会った時に
お前の好きなケーキを持ってくるよ」
こんな簡単な約束ですけどね。
必ず守っています。
ところが、子どもとの約束を守らない大人が多い。
社交辞令のように約束する大人もいる。
これでは、子どもは
大人を信じなくなってしまいます。
当然、信じられない人との
約束は守りませんし、言う事も聞きません。
だから、私は約束は必ず守ります。
自分が約束を守るから
子どもに強く言えるのです。
「自分が決めた事だろう」
「約束しただろう」
と、その子の少年に立ち、
仁王立ちして、睨みをきかせて
大声で怒鳴ります。
真剣勝負です。
実際、最初は私と約束をした事を
守らない子達は多いです。
でも、2回、3回と私に会ううちに、
私がその子達とした小さな約束を守るたびに
子ども達は私を信用し、
きちんと約束も守るようになります。
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編集後記
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本日のお話しにはポイントが2つあります。
1つは
「説教をするのではなく問いかける」
ということです。
たいていの大人は
子どもと話すと
ついつい説教をしがちです。
中には子どもの話を最後まで聞かず、
「それはダメ」
「”でも”じゃない。ダメなものはダメ」
などと頭ごなしに叱りつける方も
いるのではないでしょうか?
最初に、自分の話を聞かない
自分の行為を否定した人に
子どもが拒絶反応を示すのは当然です。
その後に、親が、
正論や道徳やルールを説いても
残念ながら子どもの心には響きません。
ですから、まずは
子どもの話を最後まで聞く
次に
「なぜそう思ったの?」
「お前はどうしたいんだ」
と問いかけることです。
もしかしたら、お子さんが答えた内容は、
親御さんが望む回答ではないかもしれません。
でも、それはそれと
お子さんの気持ちを尊重してください。
どうしても、親としての意見を
言いたいのであれば、
「お母さんだったらこうするよ」
「お母さんはこう思うよ」
とだけ伝えて
「あなたも考えてみて」
「また、同じ質問をするから」
と”約束”をすればいいです。
2つ目のポイントは
「約束を守る」
ということです。
自分自身が約束を守れていないのに
子どもには偉そうに言うのはおかしいですよね?
「これくらいの約束だったら覚えていないだろう」
という具合に子どもとの約束を
軽んじている大人がたくさんいます。
しかし、子どもたちは
大人が思う以上に
約束を覚えているものです。
たとえ小さい約束であっても
守られなかったことを
しっかりと覚えていて
不信感を抱いているのです。
今日からはこれらを意識し、
実行に移してみてください。
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読者の方から頂いた喜びの声
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では、DVD、メルマガ、子育てラジオ定期便などを
ご覧になり、状況を改善された読者の方の
喜びの声をご紹介します。
今日は、受験生のお母さん、
KMさんからのメッセージです。
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中学3年生 男子の母です。
不登校になってから三ヶ月経ちますが、
とても苦しんでいる本人の気持ちが
よく分かるようになりました。
幼児期の子育ての仕方を反省しました。
また、まだやり直せると思えるようになりました。
子どもは、一ヶ月半引きこもっていましたが、
リビングで食事をするようになり、
話もするようになりました。
笑顔も時々出ます。
不登校はとてもショックでしたが、
私と子どもの信頼関係を
もう一度作れるチャンスだと思って、
子どもに接しています。
「パソコンが欲しい」と子どもが言ったので、
丁重に断ると暴れたりします。
こちらも、毅然な態度で
接しないといけないと思いました。
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KMさん
貴重なメッセージをありがとうございました。
KMさんの心の変化が伝わってきました。
いつもお伝えしているように
子どもを変えるためには
まず、親が変わらなければいけません。
KMさんが変わったから、
お子さんも良い方向に変わってきたのでしょう。
>笑顔も出てきた
のは、本当に素晴らしいことですね。
大きな進歩です。
>「パソコンが欲しい」と子どもが言った
そうですが、
親が子どもにあげるべきものは、「愛情」です。
物は物でしかありません。
お子さんはパソコンを得ることで
ゲームや動画など楽しみは増えるかもしれませんが、
親子関係の改善や不登校解消には繋がりません。
それを意識して、
パソコンの購入を断ったのは
正しいご判断です。
お子さんの回復に
何が必要で何が不要かを考えて
これからも「過保護」な子育てを続けてください。
改めまして貴重なご報告を
ありがとうございました。
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KMさんからのメッセージに
「ショックだった」
という言葉があったように、
お子さんが不登校になったとき、
「まさかうちの子が」
という思いを持たれる親御さんは
少なくありません。
順風満帆に思えた家庭が突然崩壊し始め、
信じられない思いに
呆然とされる方もいらっしゃいます。
しかし、
どうかネガティブに捉えないでください。
KMさんも
「私と子どもの信頼関係を
もう一度作れるチャンスだと思って、・・・」
と書かれているように、
一つの良い機会だと思い、
前向きに取り組んでみてください。
きれいごとに聞こえるかもしれませんが、
そうではありません。
親御さんがネガティブな感情を持っていれば
それだけで解決は遠くなるのです。
苦しいことは十分承知ですが、
それでも強く前向きに考えてください。
どうしても辛い時は
DVDや子育てラジオ定期便なども
うまく活用し、やる気の維持に
役立てていただければと思います。
特に、子育てラジオ定期便をご覧になれば
「悩んでいるのは私だけではない」
と思えて、気持ちが楽になることでしょう。
【子育てラジオ定期便】
→ https://futoukou365.com/radio/
【不登校ひきこもり解決DVD】
→ https://futoukou365.com/dvd/16
お子さんの問題が解決することを
心から願っております。
それでは本日も最後までお読みいいただきまして
誠にありがとうございました。