【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#12 子供の扱いに関する条例【第一条】
おはようございます。
伊藤 幸弘です。
今日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩んでいる親御さんに役立つ情報を
お伝えする「伊藤幸弘の子育てアドバイス」
皆さんのご家庭の問題解決のお役に立てればと思います。
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前回のおさらい
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前回は
「子供の自尊心を傷つけてはいけない」
ということ、
そして
「子供に感謝する」
ということについてお伝えしました。
例えば、子供があなたの要求に応えた時
「それが当たり前」なんて思って
感謝の気持ちを忘れていることはありませんか?
子どもに対して感謝する、
という当然のことが
できていない方が多いように感じられます。
「ありがとう」
たったその一言で
子どもの自尊心が満たされることがあります。
たったその一言で
親子の信頼関係が生まれることがあります。
たったその一言がきっかけで
子どもの問題行動が解決に向かうこともあります。
ぜひ今一度、
「子どもに対して感謝してたかな?」
と思い返してみてください。
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今日のテーマ:問題行動を起こす子供はどう育てられたか
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本日は、前回まで対談にお付き合い頂いた
佐々木先生にお話をしていただきます。
「他人に対して攻撃的になったり、
自分自身を傷つけるような行動をとる子どもの気持ちがよく分からない」
とおっしゃる方はたくさんいます。
なぜ攻撃的な行動を起こすのでしょう?
これまでのメルマガを読んでいただいているあなたは
すでにお気づきかと思いますがその原因は子育てにあります。
では、どんな子育てをした結果、
問題行動を起こす子どもが育ってしまうのか?
ということが、本日のテーマです。
ぜひ参考にしてください。
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思春期の子供たちに見られるさまざまな問題は、
非行にしろ、
荒れにしろ、
ひきこもりや
リストカッティング、
摂食障害にしろ、
突発的に起こるものではありません。
全く問題なく育ってきたのに
ある日突然
非行に走る
攻撃的になる
自分の体を傷つける
ということはあり得ません。
はた目には、問題のなかった子が
突如としてダメになってしまったかのように
見えたとしても、そこに至るまでには
何かしらの要因があるのです。
しかも、その要因の多くが
親との関係性の中で生じています。
すべての問題行動は
乳幼児期からの連続性の上で
生じているものなのです。
ある心理学の大学教授の方は
「親からこうしてもらいたかったのに
してもらえなかった」
という思いをたくさん残したまま
大人になってしまった人達のされています。
治療を受けているのは
20代、30代の大人です。
りっぱな成人ですが、
幼少期から親に十分に応えてもらうことが
できずに来た人たちです。
その人たちがとる行動には
2通りあるということです。
ひとつは、うちにひきこもろうとする
非社会的行動。
ひきこもりもそうですし、
拒食や過食を起こす摂食障害、
それから自殺したくなるという
自殺願望もそうです。
もうひとつは
人に攻撃を加えたくなる、
いわゆる反社会的行動です。
中には、その両方をもっていて、
常に死にたいと思いながら、
いっぽうで
死ぬ前に世界中の人間を
殺してやりたいと思っている人もいます。
自殺したいという気持ちに陥りながら
同時に人をうんと傷つけてやりたいという
気持ちをもっているわけです。
大学教授は、この人たちに対して
哺乳瓶からミルクを飲ませるという
セラピーで治療を続けていました。
治療を受けた人たちは
「セラピーを受けたら死にたいという気持ちも
人を傷つけてやりたいという気持ちもなくなってきた」
と話しています。
そこからわかるのは、
親にこうしてもらいたかったという思いを
強烈に残したまま大きくなると、
人は理屈抜きに自殺やひきこもりのような
非社会的行動、
人を攻撃したいという
反社会的行動に走るということです。
しかも、両極化していくように見えながら、
じつはどちらの要素もあわせ持っているのです。
暴走族の若者が、
ちょっとしたことで
ひきこもりになってしまうというのも、
そういうことからでしょう。
さらに、その「してもらいたかった」という部分を
満たしてあげることができれば、
人は何歳からでも
立ち直っていくことができるのだ、
ということです。
要は
「粗末に育てられてきた」
という体験です。
自分を粗末に思い、
人を粗末に扱いたくなる。
この感情は、その人が
「粗末に育てられてきた」
ことから生じている
と私は考えています。
大切に育てられてきた子は、
人を大切にします。
粗末に育てられ、
大きく傷つきながら育ってきた子は、
人も自分自身も粗末にします。
人間とはそういうものなのです。
思春期に問題行動を起こす子どもたちは
人を十分に信じることができないような
育てられ方をし、
傷つけられて育ってきてしまったのだろうと
思います。
そういう目で
問題行動を起こす子どもたちを見てあげて、
傷ついた気持ちをどうすれば満たしてあげられるのか?
を考える、
そこから、荒れる子の
立ち直りが始まっていくのだと思います。
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大学教授のお話はここまでです。
子どものことを
深く理解するヒントが
散りばめられていたと思いますが、
ポイントは1つです。
問題行動を起こすような子どもは
「粗末に育てられている」
ということです。
例えば
「子どもの扱いに関する条例」
みたいな法律が存在するなら
もっとも重要な第一条には
「子どもを粗末に扱わない」
という当たり前のことが記載されるはずです。
あなたは、
「この条例を100%守っていて
子どもを粗末に扱っていません!」
と自信をもって言えますか?
もし自信をもって即答できないなら
まずは子どもの気持ちを
真剣に考えることから
始めてみてください。
子どもが出す、小さくて細かいサインを
ひとつひとつ丁寧に拾ってあげて、
「今何を思っているのかなあ」
「今何に悩んでいるのかなあ」
とたくさん考えてあげてください。
そして
子どもが何を求めているのか気づいたときは、
ぜひそれに応えてあげて下さい。
もしかしたらそれは、
すごく小さい出来事かもしれません。
とても些細な事かもしれません。
それでも、気がついたときは、
子どもの要望に答えてください。
その小さな積み重ねが大切です。
今日は、少し長くなりますが、
いつもこのメルマガをご愛読いただいている
Sさんからメールも紹介したいと思います。
***Sさんからのメール***
「愛情不足だ」
と何度も繰り返されている
言葉でしたが、
具体的に「愛情をかける」という意味を
私は理解できていませんでした。
それゆえに
反抗的な態度や暴言を繰り返す子どもに
何をどうすれば愛情が伝わるのか?
できる限り優しく接しているが、
暴言を繰り返す子供に
どこまで許容すればよいのか?
自分がしている行為は
本当に本人が望む過保護なのか?
それともうわべだけの甘やかしなのか?
等など自問自答を繰りしながらも、
なんとか、過保護にふるまう日々でした。
前回の子育てラジオは
ゲームを取り上げるか?否か?
というテーマで、
「基本的にゲームが問題ではない。」
という先生の見解を聞き、
はっとしました。
つまりは私の子供を思う気持ち、
愛情はまだまだ伝わってはいないし、
深い信頼関係もまだまだなんだと気がつきました。
が、ではどうしたら
今(自分ではかなり子供に優しくしているつもり)以上に
心から信頼し合えるのだろうか?
と悩んでおりました。
また、子育ての結果を知れば知るほど
私の生い立ちに向き会う事になりました。
……長年、私自身への空虚感。
コミュニケーションが苦手で
不器用にしか立ちまわれない苛立ち。
子供がかわいいと思えない冷たさにです……
自己弁護になりますが、
愛情をかける、
ということがどういう事なのか、
感覚的にも具体的にも解らなかったんです。
しかしながら今回のメールでわかりました!
愛情をはかるのは
粗末に扱われたかそうでないか。
愛情は相手の気持ちを大切にすることなんだと。
…自分で書いていて情けなくなりますが、
これが分かりませんでした。
そして 今やっとこれだ!
と心から腑に落ちました。
佐々木先生と伊藤先生の会話が
キラキラと輝いて見えます。
私もそんな風に扱ってほしかったなぁ。
と思い出しました。
***ここまで***
みなさん、いかがでしょう?
もしかしたら、
Sさんがそうであったように
みなさんも目の前で起こる
表面的な問題行動に対して
どう対処して良いのか分からない、
と悩んでいるかもしれません。
家庭内暴力、昼夜逆転、不登校、非行・・・etc
そういったことがどうしたら解決できるのか、
日々考えてらっしゃるかもしれません。
でも、実は大切なことは
目の前の1つ1つの問題行動を
解決することではありません。
本当に大切なことは
もっと根本的な部分にあります。
Sさんからのメールを引用させてもらうと
「愛情は相手の気持ちを大切にすることなんだ」
ということです。
本日のメルマガの内容にもリンクすることですが
その「子どもの気持ちを大切にしてあげること」
子どもの気持ちを尊重してあげること。
それが「子どもを粗末に扱わない」という事です。
それができれば、あなたの
愛情はちゃんと伝わります。
そして、親の愛情が伝わったならば
全ての問題行動が解決に向かいます。
ぜひ目の前の問題に気をとられることなく
子どもの気持ちを大切にすること
粗末に扱わないことを、
強く意識してみてください。
今日のメルマガやSさんのメールを読んで
「いやいや私は子どもを粗末に扱っていません。」
と思われた方、
子どもに問題行動が見られるのであれば
どこかに「粗末に扱っている部分」が
必ずあるはずですので
もう一度考えてみてください。
※そして本日は・・・
もう1つ、
あなたのお役に立つお話をさせてもらいます。
私がこのメルマガとは別に
提供させていただいている
「子育てラジオ定期便」の
内容を特別に紹介させてもらいます。
このメール講座をご覧頂いて
「過保護」
「過干渉」
についてご理解頂けたかと思います。
では、うまく実践できていますか?
この問いに、
「はい」
と自信をもって答えられる方は
少ないと思います。
そこで、「過保護」と「過干渉」の
理解を深めて頂くため
「過保護、過干渉とは何か?」
という内容で
私と伊藤先生が対談しました。
その内容を一部抜粋して
紹介します。
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例えば、お子さんが
「学校に行きたくない」
と言った時、あなたは、
お子さんに対して
なんて声をかけますか?
おそらく多くの方は
「なんで学校に行きたくないの?」
と聞くのではないでしょうか?
そしてお子さんが
なにか答える、
あるいは何も言わないと・・・
多くの親御さんは
「ちゃんと理由をいいなさい」
「そんな理由で学校を休むのはだめ」
などと厳しい言葉を
お子さんに返すのではないでしょうか?
みなさんは
どうですか?
本来であれば
子どもが「学校に行きたくない」
と言ったとしたら、
「なんで学校に行きたくないの?」
と問いただすのではなく、
「どうしたの?」
と尋ねるべきです。
この違いがわかりますか?
「なんで学校に行きたくないの?」
という問いは、
「学校に行かせる」事が
前提になっています。
これでは、お子さんの気持ちに
寄り添っていないですよね?
お子さんは、学校に行きたくないほど
嫌なこと
辛いこと
があったんです。
その気持ちを全く感じてあげていないですよね?
まずは、きちんと子どもの話を聞く
その気持ちに寄り添う。
そして、それでも
学校に行きたくないのであれば、
「じゃあ1日一緒に考えてみようか」
と言い、親御さんがお仕事をされている場合は、
可能であれば、お休みをとって、
一緒に過ごされるのがいいと思います。
残念ながら、
このメルマガの読者の多くの方は、
もうこの時期は過ぎてしまっています。
ですが、やり直しはいつからでも
お子さんが何歳からでもできます。
是非、「過保護」と「過干渉」に
気をつけて子育てを
していただければと思います。
「子育てラジオ定期便」では、
読者からの質問に答えるだけでなく、
お子さんとの日常生活の中で
対応に困る内容などについても
解説させていただいています。
「子育てラジオ定期便」の詳細は
こちらをご覧ください。
https://futoukou365.com/radio/
次回は、それに気づいて頂くことを後押しするような
ある非行少年の実話をお伝えします。
母親が登場しますがもしかしたら、
子どもを粗末に扱っているようには見えない、
ただ厳しいだけの母親に映るかもしれません。
しかし実際は、息子をかなり粗末に扱っていて、
その結果、一見物静かで
勉強への努力を惜しまないように見えた少年が、
突如として非行少年へと変貌してしまうのです。
母親は息子をどのように扱ったのか?
あなたの子育てにも
きっと多かれ少なかれ共通する部分があるはずなので
ぜひ問題解決の糸口を見つけて下さい。
それでは本日も最後まで
お付き合い頂きましてありがとうございます。
1日も早く、親子関係が良好なものに改善することを
心から願っています。
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