【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#13 子どもが大人を信頼できない理由

2015-04-02

おはようございます。
伊藤 幸弘です。

今日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩んでいる親御さんに役立つ情報を
お伝えしたいと思います。

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前回のおさらい
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前回は、

「親にこうしてもらいたかったという思いを
強烈に残したまま大きくなると、人はどうなるのか?」

というお話を若月先生からお話していただきました。

「親にもっとこうしもらいたかった」

「粗末に育てられてきた」

こういった想いを抱えたまま成長すると、
人は理屈抜きに自殺や引きこもりのような
非社会的行動、人を攻撃したいという
反社会的行動に走ります。

「子どもを粗末に扱わない」

このすごく当たり前のことが実はできていない方がたくさんいます。

もし子どもの問題行動に頭を悩ませているのでしたら
是非、一度

「子どもを粗末に扱っていなかっただろうか?」

と自問自答してみてください。

何か気づくことがあるかもしれません。

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今日のテーマ:子どもが大人を信頼できない理由
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本日は前回の若月先生に代わり
僕、伊藤から

「大人を信頼できなくなった子どもたち」

というテーマでお話させていただきます。

後半からは、幼児の時に親から過剰に期待され、
過干渉で育てられた博という男の子の実話も
お話させていただきます。

もしかしたら、多くの方にとって
身に覚えのある話かもしれません。

最後までじっくり読んでいただければと思います。

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思春期で問題行動を起こす子どもを見ていると、
その原因は幼児期にあると
強く実感することが多くあります。

今、幼児期の子どもたちが危ないという話をよく耳にします。

事実、幼稚園や保育園に行って園児を見ると、

「この子は思春期になったら非行に走る」

と太鼓判を押せるような子が何人もいます。

ある園の園長さんから

「最近の園児の目つきは、伊藤さんにそっくり」

と言われたことがありました。

「伊藤さんのように目つきが悪い」

というわけです。
なんと失礼な(苦笑)
と思いつつも、確かに最近の園児は危ないと僕も感じている。

しかも最近の悪ガキと呼ばれる子供は
知能が高く、運動神経も非常にいい子が目立つ。

たとえば、こんな子がいました。
園のおやつにプリンが出た時のこと。

先生の

「いただきましょう」

という言葉を待たず、
さっさとプリンを食べだしてしまうのですが、
その食べ方が実に知能犯で。

上側をフタのように器用に切り取ってから、
おもむろにプリンの中身だけを
きれいにくりぬいて食べてしまうのです。

そしてまた切り取った上側を戻して、
完全にプリンの形にしておきます。

外から見れば、
他の子のプリンとまったく見分けがつきません。

そうしておいて
中身が空のプリンを隣の子と交渉して
取り替えてしまうのです。

こうした悪知恵の働く子は
必ずちょっと気の弱くて
おっとりとした性格の子の隣を選んで座ります。

自分のいいように扱えるからです。

実際気の弱い子は
プリンの中身がないことに気づいても大泣きするだけ。

そんな友達を横目に、悪ガキのほうは

「ぼくのプリンをこの子が食べちゃった。
だから取り返したら泣いちゃった。」

とすました顔。

悪さをしても、
自分の悪事が見つからないように行動するのです。

こういう子供の家庭を見ると、
親がじつに厳しい家庭が多いのです。

それも、子供が騒いでテレビの音が聞こえない
というだけの理由で殴る、

こんな親の都合、親の勝手で
子供に厳しく当たるという家庭がたくさんあります。

このように育てられた子どもは
慢性的にストレスをためたまま思春期を迎えます。

強い欲求不満から様々な問題行動が出てくるようになります。

強い欲求不満の裏返しが
攻撃性、万引きや放火などの犯罪です。

幼児の時から与え続けられた親の矛盾が
問題行動を起こす思春期の子を作り出しています。

だから、親の押し付けとしか言えない過干渉は
絶対にしてはいけないと思います。

幼児の時に親から過剰に期待され、
過干渉で育てられるとどうなるか?

ここで、宮本博(仮名)という子のケースを紹介します。

博は三人兄弟の末っ子でした。
一番上の姉とは5歳違い、すぐ上の兄とは3歳ちがい。

両親は母親が48歳、父親が8歳年下の40歳。

どちらかというと「かかあ天下」の家です。

博が13歳の時のこと、
タバコを吸っているところを先生に見つかって
親が学校に呼び出されたことがありました。

その時の母親は、信じられないという様子で泣き崩れ

「まさかうちの子がタバコを吸うような悪いことをするなんて」

と繰り返すばかりでした。

厳しく育ててきたのにという思いがあったのでしょう。

「なぜヒロくんはこんなことをしたの。
お母さんが厳しく育ててきたのは
こんな子になってもらいたくなかったからなのよ!
あなたのためを思ってやってきたのに・・・」

と泣きながら子どもに言い続けていました。

母親は、公務員の父と結婚するまでキャリアウーマンとして
バリバリ働いていた女性でしたが結婚を機に家庭に入り、
専業主婦となって子育てに専念する道を選びました。

もともと頭の良い人で本当は大学院まで進んで
博士号をとりたかったようです。

しかし、それを諦めて代わりに自分の果たせなかった夢を
子どもたちに託しました。

博の姉も兄も母親の意思を受け止めて
順調に歩んでいました。

姉は大学院を目指し、
兄は外科医を目標としていました。

しかし博は姉や兄とは違って
勉強嫌いな子どもでした。

反面、活発でいつも元気に外を飛び回っていました。

幼稚園から帰ってくると、夕食ができるまで近所の子と
いつまでも遊んでいます。

活発ですが優しい子でもあったので
友達には人気がありました。

小学校に入っても博は相変わらず勉強より
遊び中心の生活でした。

母親はそんな博に
まるでマインドコントロールするかのように

「ヒロちゃんにとって何をやったら一番得をするか
何をやったらいちばんいいのか。」

ということを言い続けました。

やがて博は

「学校の先生になる。」

と言うようになりました。

すると母親は

「それがあなたの目標だから」

と言葉を換えて
今度はそのレールに乗せようとし始めたのです。

「ヒロちゃんは学校の先生になることが夢なのよね。
だからもうちょっと頑張ろうね。」

「先生になるには毎日本を読まないといけないね。」

とことあるごとに口にしました。

僕から言わせれば
博の母親は、子供が望むことがいちばんと言いながら、
結局は自分の望むことを押しつけているだけにしか
過ぎませんでした。

「学校の先生」という目標は博自身が決めたのではなく
そう言わざるを得ないように母親が仕向けたのです。

しかし、そのような環境の中で生活するうちに
次第に博にある変化が見られ始めたのです。

さて、博にどんな変化が見られるようになったのか、
あなたには分かりますか?

**本日はここまでです。**

「親が、自分自身が果たせなかった夢を子どもに託す。」

これってよく聞く話ですね。

なので、もしかしたらこれを読まれているあなたも
他人事ではないかもしれません。

博の母親のように
子どものためと思ってやっていることが
実は単に自分自身の希望を
子どもに押しつけているだけ、
ということは大いにあります。

親の希望を押しつけられた子どもは
親を信頼することはできません。

そうやって育てられた子どもが
どんな風に成長するのか、
次回は博のその後をお伝えします。

続きを読んでいただければ、
親の都合を子どもに押しつけた子育てが
どれだけ子どもに悪影響を与えるか、
イヤでも気づいてしまうはずです。

また、次回はもう1人、千夏という女の子の話を
紹介させてもらいます。

実は彼女は幼い頃に虐待を受けていました。

もちろん親子関係は最悪です。

しかし、最悪の状態からでも
あることをきっかけに親子関係は修復されていくのです。

いったい何がきっかけで修復されたのか?

そんなテーマでお話させていただきますので
ぜひ参考にしていただければと思います。

さて、話は変わりますが、
このメルマガを読んでくださっている方から
メッセージを頂きましたので
本日はその一部を紹介させていただきたいと思います。

**ここから******

小学6年生の男の子が、
学級崩壊と同時に、家庭でも荒れ始め、
時々学校に行くのが面倒くさいと言っては休んだり、
母親に軽い暴力や暴言もありました。

やはり寂しいし、
親の愛情を求めているのだと分かり、
子どもがして欲しいことをすることを
少しずつ実践していきました。

父親との関係は悪かったのですが
少しずつ良くなり、
以前は、要求しても父はどうせ聞いてくれない
と諦めていた息子が、自分から甘えて、
その通りにしてもらっては
満足げに笑っているという幸せがやってきました。

母に対する暴言もなくなり、
私をおんぶしてくれたりするようになりました。

**ここまで******

“子どもがして欲しいことをすることを少しずつ実践していきました”

とありますように、メルマガを読んでいただき、
少しずつ気づいたことを実践されたようです。

その結果、お子さんに変化が見られるようになったようですね。

こういうメッセージを頂くと本当に嬉しいです。

長年積み重ねられた親子関係の亀裂は
すぐに修復することは難しいかもしれませんが、
こういう小さな積み重ねが必ず結果になって表れてくるものです。

みなさんはいかがでしょうか?

このメルマガを読んでいただき、
何か親子関係に変化が見られましたか?

もしお子さんとの関係に
少しでも良い変化が見られたなら
是非、メッセージをいただけたら嬉しいです。

たとえば、

・子どもがふとんに入ってきて甘えるようになった。

・今まで忙しくて気づけなかったけど
 子どもが「お母さぁん」と呼ぶことが増えてきた

など、

小さい変化や、気づきを是非、ご連絡ください。

あなたの喜びの声をメルマガ上で
読者の方々と共有できればと思っています。

もちろんお名前などの個人情報は伏せますのでご安心ください。

なぜこんなことを言うかといえば、
このメルマガは基本的に僕が一方的に発信してますが、
読んでくださっている方の「情報共有の場」にもしたい
と思っているからです。

日本全国、みなさんと同じように悩んでいる方が
たくさんいらっしゃいます。

「こういうことをしたら、親子関係にこんな良い変化が見られた」

というあなたの喜びの声は
必ず他の誰かの喜びの声にも繋がると思います。

同じ悩みを持つ方同士が情報を共有して
一緒に悩みを解決していく、
その役割をこのメルマガが少しでも担えたらと思っています。

メッセージを送ることは少し勇気のいることだと思いますが、
メッセージを書く中であなた自身が得られる気づきもきっとあるはずです。

このメルマガへの返信で大丈夫ですので
何か嬉しい変化を感じられた時は是非、お気軽に書いていただけると嬉しいです。

それでは、本日も最後までお付き合いいただきまして
ありがとうございます。

次回も期待してお待ち下さい。



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あっきー
あっきー
2015年4月8日 11:26 AM

こんにちわ。いつもメルマガを参考にさせていただいています。

うちには、去年不登校だった小5の息子がいます。
去年不登校になり、2学期からはなんとか学校には行ってくれましたが、「暴力行為」が目立つと注意を受けました。

やっと学校に行ってくれたのに、また新たな悩み!!

インターネットなどで調べると「子供が暴力を振るうのは、親が子供に暴力を振るっているからだ。親の暴力をやめよう」等と書かれていました。
我が家はまったくそんな事はありません。
どうすればいいんだろう?
と対応に悩んでいました。
学校に行っているだけで精一杯の息子にこれ以上ストレスはかけられないと学校の先生からは「厳しく注意するように」と言われましたが、息子には言いませんでした。そんな事が何回か/何ヶ月か続きました。

そうすると自然と暴力行為の注意はなくなり、うまくお友達と遊べてます と連絡が来るようになりました。

もちろん、暴力行為が収まったのは嬉しいのですが、原因がわからないと今後の事が不安でした。

そんな時、このメルマガを見ました。

「あぁぁ、そうだったのか!!」

とすごく納得しました。
子供を粗末にした覚えはないですが・・・・
本人には伝わっていなかった。

このメルマガを読んで「過保護」を続けたので・・・
それが「子供を粗末にしていない」「大切にしている」と息子は感じてくれたんだと思います。

すべてにつながっているんですね。

本当にすごく納得して、これからどうすればいいかわかった感じです。

本当にありがとうございました。
また次のメルマガ楽しみにしています


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