【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#47 強がる子供の、寂しがりな一面に気づいてますか?
おはようございます。
伊藤幸弘です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
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前回のおさらい
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前回は、
“非行が必ずしも悪ではない”
というお話をしました。
お子さんの非行に悩まれている方にとっては
苦しみでしかないかもしれませんが・・・
実は当の本人にとってみれば
非行が唯一の居場所になっているかもしれないのです。
僕の場合がそうでした。
人は生きていく上で、
必ず居場所が必要です。
“自分が受け入れられている”
と感じられる場所です。
あなたがお子さんの
不登校や引きこもり、非行などに
苦しまれていることは重々承知しております。
ただ、それと同じくらい、
いや、もしかしたらそれ以上に
お子さんは苦しんでいるかもしれないのです。
居場所が無く、
生きる意味を見失っているかもしれません。
どうかそれを理解してあげてください。
高校生くらいになると身体は大きくなってきますが、
それでもまだまだ子どもであることには違いありません。
どうか広い心で愛情を持って
お子さんの本質を見てあげてください。
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本日のテーマ
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本日も前回に引き続き
依存についてお話させていただきます。
依存の中でも、
“相互依存”
というテーマで
佐々木先生と僕、伊藤が
対談をさせていただきましたので
その内容をご紹介します。
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●佐々木先生:
母親と幼い赤ちゃんが一緒にいて
親からうんと可愛がられるのも、
子どもの側からは
一体感を感じていることになります。
その親との一体感の経験が
やがて友達との一体感になって
遊びにつながり、
相互依存ができる人間に
育っていくことになるんです。
この「親との一体感」の経験が無いと
相互依存ではなく、
お互い関心のあるものを介してでしか
関係を持てなくなってしまいます。
健全な相互依存ができるようになっていくことが
自立するということですから、
関心のあるものでしかつながりが持てない人は
自立できない人とも言えるわけですね。
相互依存というのは
与えている者と
与えられている者の価値が等しい状態で
人間関係を作っていくことです。
遊びの友達にしろ
仕事での仲間にしろ同じことです。
また、依存から相互依存(自立)へという
プロセスの中では、人と一体になれるという
喜びも感じることができます。
健全でない形の一体感を求めてしまうのは
このプロセスがうまくいっていない
ということでしょうね。
■伊藤:
1対1ではなく大勢の人間の中で
依存ができていないといけないってことですね?
●佐々木先生:
でも、その最初の糸口は
1対1に近い関係なんです。
■伊藤:
親ですね。
●佐々木先生:
親ないし親代わりの人ですね。
伊藤さんにしても、
いろいろな人たちへの依存、
愛情の中で育ってきたとはいえ、
きっかけとなる人は
1対1に近い状態だったのではないですか?
■伊藤:
僕の場合、やっぱり母親だったと思うんです。
ただ小学校6年の時に
母親は死んでしまいましたから・・・
●佐々木先生:
小学校6年まで与えられれば
もう十分ですよ、基本は。
■伊藤:
そう考えると、非行に走る子、
不登校などの問題行動をする子というのは、
本当は寂しがり屋なんでしょうね。
依存が十分できなくて
そうなってしまった子が
ほとんどだと思いますよ。
●佐々木先生:
伊藤さんから前に
「暴走族の少年たちは
みんな寂しがり屋で
愛に飢えてるんだ」と伺いましたね。
そうなんですね。
十分な依存が無いまま
ある程度の年齢になって、
そこから自立しようとする人は
みんな愛に飢えているんです。
社会的に立派な地位にいる人だって
大層な仕事をしている人だって
十分な依存が無い人は
みんな愛に飢えていると思います。
■伊藤:
ひきこもりをするような子もそうでしょうね。
●佐々木先生:
はい、愛に飢えていると思いますよ。
人はみんな、赤ちゃんの時から
「あなたが生まれてくれたから、
ママはこんなに幸せだわ」
「あなたがいてくれるから、
こんなに毎日が楽しい」
と言われて育てられたいんです。
そういう愛情が不足すると、
自立がだんだんうまくいかなくなってしまいます。
さらに言えば、
子供をうまく自立させてあげられない親もまた、
実は自分自身が十分に自立していない状態で
子どもを持ってしまったということなんですね。
■伊藤:
本当にその通りだと思います。
上手に子どもを自立させていくには
小さい時から
たくさん依存させてあげないといけないんですよね。
それが相互依存できる
自立した人間を作っていく基礎だからです。
そうしないと思春期に問題が出てきてしまうんです。
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編集後記
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あなたは
“八日目の蝉”
という映画を観たことがありますか?
角田光代氏の小説が原作の映画です。
映画のキャッチコピーは
“優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした”
でした。
永作博美さん演じる
希和子という女性が
家庭をもつ男性と恋に落ち、
不倫に走ります。
ある時、
不倫相手の男性の奥さんが
赤ちゃんを産みました。
あろうことか希和子は
その赤ちゃんを誘拐し、逃亡します。
これだけ聞くと、
“希和子=悪女”
というイメージしか湧かないと思いますが・・・
物語はそれほど単純ではありません。
希和子は不倫相手の赤ちゃんを
心の底から愛します。
まるで自分の子どものように
かわいがり育てるのです。
誘拐した子どもを憎むどころか
ありったけの愛情をもって育てるのです。
子どもも、
希和子を本当のお母さんだと思って育ちます。
この映画を観て考えさせられることは
“親子の愛情って何だろう?”
ということです。
血のつながりがある親子だからといって
そこに無償の愛が存在するとは限りません。
逆に、
血の繋がりが無い他人だからといって
そこに無償の愛が存在しないとは限りません。
もしかしたらあなたは今、親子なのに
どこかお子さんのことを心の底から愛しきれていなかったり
子どもを愛するということが
どういうことか分からずに
悩まれているかもしれません。
ときには罪悪感に苛まれているかもしれませんが、
“八日目の蝉”は、
そんなあなたに観てもらいたい映画です。
誘拐という社会的には
許されざる行為の中に存在する愛情が
痛く胸に突き刺さる映画です。
“子どもを愛する”
ということがどういうことなのか
深く考えるきっかけにもなると思います。
本編の対談にあった
「依存からの自立」が
あなたとあなたのお子さんの間に
生まれることを願っています。
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読者の方から頂いた子育て体験談
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さて、それでは本日も
読者の方から頂いた子育ての体験談を
紹介させていただきます。
次男の不登校を解決されたものの、
現在は三男の不登校に悩まれている
ペンネーム”科学屋のたまご”さんからの
メッセージです。
*******************ここから********************
不登校児の2人目体験している母です。
しつこいほどのメールのおかげで、
過保護を忘れずにいられ、
いつも感謝しています(笑)。
現在高校2年生の次男が中学1年から不登校になり、
色んな所に相談に行きました。
うまく回復せず、迷い続けて
やっと伊藤先生にたどり付きました。
次男は中学へは全く行かなかったのに、
何とか高校に入学できました。
次男の気持ちを尊重し、
プライドを傷つけないように
接してくれる先生方のおかげで、
高校は休まず行き部活もやっています。
本当にありがとうございます。
ただ、今、
中1の三男が次男の影響で不登校になり、
小6からほとんど学校に行っていません。
私の子育ては確かに過干渉だったと思いますが、
次男のことがあったので、
三男にも出来るだけ過保護に接してきたつもりでした。
それなのに「またか」という気持ちと、
「なぜ」という気持ちです。
いじめはなく、友達もいます。
勉強が苦手なのと、
きっちりした先生や生活などが苦手です。
特に、男の先生が威圧的に感じるらしく苦手です。
お父さんはあまり怒りませんが、
子どもに関心もなく、
子どもと会話がほとんどありません。
子どもが父親を拒否してる訳ではないので
夫から話しかければ良いのですが、
テレビを見ながらだったり、
私と子供が話してるとうるさいと言って
テレビの音量を上げるので、
話が出来なくなります。
主人は、自分は変わる気が無いし、
不登校も自分とは関係ないと思っています。
私と長男と主人は仲が良いので、
私が次男・三男と主人を
繋げて明るい家庭になるように・・・
そして、三男が不登校から
脱せるよう引き続きがんばります。
*******************ここまで********************
“科学屋のたまご”さん、
貴重なメッセージをありがとうございます!
お兄ちゃんは現在、
高校は休まず行き、部活もされているということで
本当に良かったです。
過保護に接してこられた成果が
出たのだと思います。
ただ、弟さんが心配ですね。
血が繋がっている兄弟でも
お子さん一人一人、性格も感受性も
何もかも違います。
お兄ちゃんは、
例えば5の愛情を貰えば満足するところを、
もしかしたら弟さんは、
10の愛情が必要なのかもしれません。
いずれにしても
根気よく愛情をもって子育てを続けられることが
何よりの解決方法になります。
すでに、お兄ちゃんの不登校を
解決されているので
“過保護に接すれば不登校は解決する”
ということをご理解頂いていますね。
今は大変かもしれませんが、
明るい未来をイメージして
是非、愛情を注ぎ続けてあげてください。
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子どものタイプは本当に十人十色です。
性格も、欲しがる愛情の量も全く異なります。
ですから一概に、
「これくらいの愛情を与えれば
お子さんは自立します」
ということは言えません。
お子さん一人一人をしっかり見てあげて、
お子さんの意思や本質をできる限り見極めて
そして十分な愛情を与えてあげることが大切です。
あなたが愛情溢れる家庭を築かれることを
心から願い、そして応援しています。
さて、次回は
「親の要求と子どもの想い」
というテーマでお話をさせていただきます。
なぜ親子関係がこじれるのか、
その理由を
“権利と義務”
ということをキーワードに
をキーワードにお伝えしてまいります。
ぜひ、次回もご期待ください。
それでは、本日も最後まで
ご覧いただきまして
ありがとうございました。
PS:
最近子育てで
何か嬉しいことはありませんでしたか?
もしよろしければ、
このメールへの返信で頂けましたらとても嬉しいです。
匿名でこちらのメルマガで紹介させていただきたく思います。
あなたの体験談が、他の親御さんにとって
貴重な情報になり、救いにもなりますので
ぜひよろしくお願い致します。
あなたからの貴重な体験談を心待ちにしております。
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