【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#46 依存と自立―高校生が一体感を求める理由
おはようございます。
伊藤幸弘です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
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前回のおさらい
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前回は、あなたは、
“本当に自分のことを大切にしてくれる人”
に出会っていますか?
というお話でした。
あなた自身が大切にされた経験があるかどうか、
ということが、実は子育てをする上で
とても大切だということです。
あなた自身が愛情をかけてもった時の事を
思い出して頂けましたか?
できれば
あなた自身があなたの親御さんに
愛情をかけられて育っていれば
非常に良いのですが、
そうでなくてもあなたが周りの人や、
世間の人に愛情をかけられた、
という経験をしていることが好ましいですね。
そういった経験があると
あなた自身もお子さんに対して
しっかりと愛情をかけられるようになるからです。
あなた自身が愛情をかけられたときのことを
もう一度よく思い出してみて下さいね。
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本日のテーマ
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本日も引き続き
依存についてお話させていただきます。
前回の終わりに僕は、
「どこかに依存できればいい。
もちろん親がいちばんいいと思うけれど、
もし親に依存できなくても
周りに依存できる人がいたら、
自分が親になった時、
我が子に本当の愛情を
かけてあげることができる。」
ということをお伝えしました。
それに対して佐々木先生は
「そうです。
ですから依存と自立というのは
このように絶えず背中合わせの関係になっています。
そして依存の後に自立が来るという順番なのです。
それによって人は成長し、生活しているんです。」
ということをおっしゃいました。
“依存”と”自立”は、
切っても切れない関係にあるということですが
それについて本日は
もっと深く掘り下げていきます。
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■伊藤:
「依存がうまくいっていないと
いざ大人になった時の依存と自立の関係も
うまくいかず、
アンバランスになってしまうような
感じがするんですよね。」
●佐々木先生:
「はい。
例えば高等学校の性教育研究会というところが
東京都と全国の両方で調べた調査結果があります。
日本の高校生の性体験率を調べたものなんですが、
日本全国どこで調査してもほぼ40%の子が
性体験を持っていました。
東京都は45.6%と突出していて
さらに詳しく調べたそうです。
その結果、性体験をしているその時だけが、
自分が相手に本当に受け入れられていると
感じた子が多かったことが分かりました。
これは結局、受け入れられた経験が無いから、
それを求めているということなんでしょうね。
受け入れられているという
安心感を欲しているんです。
つまり、ある種の依存だと思うんですよ。」
■伊藤:
「なるほど。他にも、例えば非行が悪いと言いますよね?
僕は必ずしもそうは思わないんです。
100%非行が悪いというふうには
考えていません。
というのも、僕の場合、
非行に走らなかったら今の人生が無かったからです。
そういう人間もいると思うんです。
非行が過ぎて刑務所に入ったり、
少年院に入ったりする。
そういうところに行かないと、
自立ができない子がいるってことも
考えないといけないと思うんですよね。」
●佐々木先生:
「そうですね、非行ということで言えば、
中学3年生の子たちが
何人かでホームレスを
殺してしまった事件がありましたよね?
その少年たちが
捕まった後にこんなことを言っていたと
新聞で読んだんです。
“あのオジさんをみんなで一致団結して
ボコボコに殴っているとき、
僕たち3人は一体感を感じることができた”
とね。
その一体感というのが
なんとも言えない快感で、
気持ち良かったって言うんです。
先ほどの高校生たちの性体験も
ある意味では
一体感を求めてということですよね。
今の若い子たちは
そうした一体感を求めている、
必要としているのだと思います。
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編集後記
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“非行は絶対的な悪ではない”
本編の中で僕はそう言いました。
もしかしたらあなたは
それに対して
違和感を感じたかもしれません。
もちろん僕も、
“非行は素晴らしい行為だ”
なんて言うつもりはありません。
正当化するつもりもありません。
しかし、今僕が生きているのは
非行があったからでした。
なぜならば、非行仲間との時間が、
ある意味、当時の僕の支えに
なっていたからなんです。
もし僕が非行に走らず、
非行仲間と出会っていなければ、
居場所を見失い、生きていけなかった
可能性もあったでしょう。
つまり、親からの愛情を十分に受けられず、
依存、自立を経験できない場合は、
他に依存する場所を求めざるを得ない
ということなのです。
その選択肢の一つには、僕のように
非行もあり得るということなんですね。
決して非行を推奨するわけではありません。
家庭以外に依存の場を求めずに済むよう、
あなたがお子さんに十分に愛情を注ぎ、
依存させてあげて欲しいのです。
僕の場合は
親からの愛情を十分に感じることができず、
依存、自立がうまくできなかったため
非行に走り、非行仲間に依存することを求めました。
僕も親からの愛情を十分受けていれば
非行に走る必要もなかったでしょう。
今、多くの子どもが
当時の僕と同じように
居場所を見失い、彷徨っています。
どうか1人でも多くのお子さんが
居場所を求めて彷徨うことがないよう、
親の愛情を受けて、
依存し、自立できるように、
心の底から願い、
僕は情報を発信し続けます。
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読者の方から頂いた子育て体験談
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本日も読者の方から頂いた子育ての
体験談を紹介させていただきます。
小学校6年生から不登校になった
娘さんのことで悩まれていたものの
現在は光を見出されたFYさんからのメッセージです。
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伊藤先生こんにちは。
いつもありがたく拝見しています。
現在高校3年の娘は、
小6から不登校になり中学は全く通っておらず
勉強も全くしていません。
真っ暗なトンネルに入ってしまいました。
ででも現在は通信高校に通っています。
私も娘の好きなことを応援し、来年から
奨学生として大学進学が決まりました。
先生のラジオを知ったのは1年ほど前ですが
もっと早くに知りたかったです。
今やっと落ち着き始めた我が家が言えるのは、
先生がおっしゃる通り、
「愛情」が大切ということです。
今、私は「愛情」だけで
生きていけると実感しています。
今まで、娘に対して「愛情」のかけ方が
わからなくて悩み続けましたが、
今は娘をとてもかわいく愛おしく感じ
家族みんなが柔らかくなったようです。
以前は形だけの「愛情」でしたが、
今は心から感じる愛情が溢れてきたように思います。
こんな真っ暗なトンネルに何年もいた我が家ですら
幸せを感じられるようになったのですから
一人でも多くの悩める親御さんに
伊藤先生のメルマガを読んでほしいです。
今後も先生を応援しています。
本当にありがとうごさまいます
*******************ここまで********************
FYさん、貴重なご報告、
本当にありがとうございました。
そして娘さんの大学進学もおめでとうございます!!
新たな人生の始まりですね。
真っ暗なトンネルとおっしゃっていた
当時のお気持ち、お察しします。
先が見えなくなり
絶望的な気持ちになられたことが
何度もあったはずです。
でも、
「その長いトンネルがあったからこそ今がある」
と思える日が、必ず訪れます。
もうすでに訪れているかもしれませんね。
愛情のかけ方が分からない、と
おっしゃっていたので、
もしかしたら
FYさんご自身が
愛情をかけられたご経験が
少なかったのかもしれませんね。
でも今は
心から愛情があふれてきた、
ということですので
もう安心ですね。
その愛情が薄れることは
今後一生ないことでしょう。
これからも変わらずお子さんに
その愛情をかけ続けてあげてください。
FYさんの体験談を聞いて、
「愛情をしっかりかけることで確かに不登校が直るんだ」
ということを実感できた方も
かなりいらっしゃると思います。
改めまして、素晴らしい経験談を
ありがとうございました。
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あなたもかつてのFYさんのように
お子さんの子育てに関して
悩まれていることでしょう。
でも、
“愛情”
をしっかりと与えることができれば
FYさんの娘さんのように
必ず子育ての問題は解決します。
どうか信じてください。
このメルマガをここまで
読んでくださっているあなたなら
きっと既にお気づきかと思いますが、
“愛情”を与えること、
そしてお子さんの欲求や望みを
しっかり満たしてあげることが
全ての問題を解決の方向に導いてくれます。
FYさんの言葉を借りれば、
真っ暗なトンネルにも
必ず光が差し込みます。
人間は感情で生きる生き物です。
あなたが明日の朝、
優しく「おはよう」と言うだけで
お子さんの感情が動くかもしれません。
「何を話す」かも重要ですが、
「どんな風に話す」かということはもっと重要です。
どれだけ優しい言葉でも
厳しい表情・きつい口調で
言ってしまったら台無しです。
お子さんには伝わりません。
「どんな風に話す」かということにも
気を配ってみてください。
ほんの少しの心がけで親子関係は
変必ず変化します。
さて、次回は
「赤ちゃんはなんと言われて育てられたいか?」
というお話をさせていただきます。
赤ちゃんは言葉がわかりません。
でも、幼い頃に
お母さんから何を言われたのか?
どんな愛情を受けたのか?
ということはとても重要なことです。
次回もご期待くださいね。
それでは、本日も最後まで
お読みいただきましてありがとうございました。
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