【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#29 不登校だった息子が迎えた涙の卒業式
おはようございます。
伊藤 幸弘です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
*********************************************
前回のおさらい
*********************************************
前回は和也という男の子のエピソードをお伝えしました。
和也は小学校3年生の時に
突然学校に行かなくなり、
以来、6年間不登校になり、
家にひきこもってしまいました。
しかも、お母さんに不登校になった理由を聞いても
「よく分からない」
という答えが返ってきました。
不登校になるような子ではない、というのが
お母さんの認識でした。
お母さんの手伝いをしたり肩を揉んであげたり
和也がとても優しい子だったからです。
でも実は、僕にとっては
和也が不登校になった理由は明確です。
和也がとても優しいからこそ
他人に対して気をつかいすぎてしまっていたのです。
ストレスをためながら生きていて、
ついにはそれが和也の許容を超えてしまったのです。
僕は不登校の相談をたくさん受けてきましたが
和也の母親のように
「なんであの子が不登校になったのか分からない」
と言う方が一定数いらっしゃいます。
もしあなたが同じ状況でしたら
実はお子さんがたくさん気をつかいすぎて
ストレスを抱えているのではないか、
という目で一度お子さんを見てあげてください。
表面上はとてもいい子に見えても
実は相当なストレスを抱えているということがよくあります。
本日は、和也の話の続きをお伝えします。
前回は僕が初めて和也と実際に会った時のお話まででした。
初めて和也と会った時、
僕はあえてアドバイスらしきものは何もしませんでした。
雑談をして、ただ、
「今度、一緒に遊びに行こうな」
とだけ声をかけ、別れ際に
「イライラしてもお母さんに当たっちゃダメだよ」
と伝えました。
すると2日後、お母さんから電話があり
僕と会った日から和也は人が変わったように
明るくなったと報告をもらいました。
そこで僕は和也をある場所へ
連れ出すことにしたのです。
その場所とは・・・
*********************************************
本編
*********************************************
行き先は知り合いの工場です。
そこでは僕が面倒を見ている子たちが働いています。
僕たちがついた時、工場はちょうど休憩時間で
一緒にお茶を飲むことになりました。
和也はみんなの話をニコニコしながら聞いていました。
休憩時間が終わり、仕事が再開すると
今度はみんなの仕事ぶりを
興味深そうに見つめていました。
やがてポツリと
「お母さんもこんな大変なことをしているんだね」
とつぶやいたのでした。
お昼も一緒にその場でとることになりました。
働いている子の中に17歳になる
伸治(仮名)という子がいましたが
和也は特に伸治が気に入ったようでした。
伸治は非行から不登校になり
学校をやめてしまった子です。
その伸治が和也にそっと耳打ちするのが聞こえました。
「学校なんか行かなくても生きていけるよ。
おれだって中退だけど真面目に働いているし。
人生嫌なことばかりではないよ。
仕事はドジってばっかだけどな。ハハハ。」
その工場を出て、
次に和也を老人ホームに連れて行きました。
おじいちゃん、おばあちゃんの相手をさせられて
最初は戸惑っていた和也も
時間が経つにつれて慣れてきて
実によく働いてくれました。
介護士の人から
「学校を卒業したらここで働いてよ」
と言われるほどの働きぶりでした。
この訪問の後、僕は1週間に1度の頻度で
和也を工場と老人ホームに連れて行き
そこで働く人たちとの交流を楽しみました。
なかでもタカさんという
28歳の介護士さんは
特に和也を可愛がってくれました。
きっとこうした交流を通じて
何かを感じてくれたのだと思います。
最初に僕が和也に会った日から2か月後、
和也は再び学校に行き出したのでした。
クラスには入れなかったけれど
相談室で勉強し担任の先生、
他のクラスの先生、
そして校長先生までもが
和也の勉強を見てくれました。
高校入試のときは伸治を始めとした
工場の人達、
タカさんを始めとした老人ホームのスタッフ、
おじいちゃん、おばあちゃんたちから
応援の手紙やメールがいっぱい届きました。
そして2月、福祉課程のある県立高校に
見事合格し、晴れて中学の卒業式を
迎えることができたのです。
中学の卒業式は感動的でした。
数年間クラスの友達に会ってなかったのに
みんなが「和也、和也」と言って
彼を温かく迎えてくれたのです。
実は、担任の先生は
毎日のように
和也の様子をクラスに報告してくれていたのです。
彼が相談室で勉強していることも、
福祉の分野を目標に決めたことも
小さなことまで何もかも・・・
和也は学校に行けない自分に嫌気を感じ、
一時は自殺まで考えたといいます。
でも、工場や老人ホームの人達の愛情、
先生たちの愛情、
クラスの友人たちの見えない応援、
そうしたものに支えられて、見守られて
新たな再出発を果たすことができたのです。
後に和也はこう言っています。
「自殺なんかしないで、生きていて良かった。
今は本当にそう思えるようになりました。」
と。
「不登校、ひきこもりの子が
再び学校や社会へ戻れる日は来るのか?」
という質問に対して
僕はいつも自信をもってこう答えます。
「必ず来ます。」
と。
和也のように、人の愛情に触れ
周囲の人への信頼感を取り戻すことができれば
それは不可能ではありません。
ただ、その前に
子どもを不登校、ひきこもりにさせないことも大切です。
不登校、ひきこもりは
他人と共存共栄できないということを意味します。
人に頼って人から頼られる
「相互依存」ができて
他人と共存共栄していくこと、
それを教えてやるのはまず親なのです。
親に依存し、そうして相互依存を身につけていく、
このステップを経なければ、
子どもは自立していくことができません。
言い換えれば、このステップができていれば
子どもが不登校やひきこもりになることもありません。
また、子どもたちに向けて、
これだけは強く言っておきたいと思います。
「死んだらおしまいだ!」
ということです。
もし今、いじめに悩み自殺を考えているなら
死ぬ前に勇気を出して
誰かに相談してほしいと思います。
相談できる相手がいないのであれば
ぜひ僕に相談してほしい。
実は僕も27歳のときに自殺を考えました。
けれどもその時、悟りました。
死ぬことでいちばん悲しむのは実は自分自身なのです。
生きてさえいれば、
いつか必ず生きる喜びを感じることができます。
幸せは自分のすぐ近くにあります。
和也がそうでした。
死んでしまったら、
その幸せは永久に手に入らないんだよ。
それだけはどうか忘れて欲しくありません。
************************
生きること、それが子どもにとって苦痛以外の
なにものでもないような状況を
これまで僕はたくさん見てきました。
「死んだほうが楽だ」
時にはそんなことを口にするような子もいます。
本日紹介した和也もそう思っていた時期があります。
その根底には和也の繊細さがあります。
繊細で優しく感受性が強く、
他人の言動に対してあまりに
敏感になってしまっていました。
もしかしたら
これを読んでいただいているあなたのお子さんも
同じような性格かもしれません。
だとしたら
声を大にして言ってあげてほしいことがあります。
他人の気持ちに敏感であることは
神様から与えられたギフトだ、ということです。
相手の気持ちが理解できることによって
これから先、素晴らしいことがたくさん待っています。
恋愛するにしても
ビジネスをするにしても、
相手の気持ちを理解しなければ
何も始まりません。
好きな異性と素敵な関係を築けたり、
仕事で類まれな結果を出したり、
これからの将来、喜びに満ちた人生が必ず待っています。
もしかしたら今は辛い思いをしているかもしれません。
でも、どうか人生を諦めないで。
希望を持って生きていれば
必ず幸せを感じられる瞬間が訪れます。
このことをぜひ伝えてあげてください。
メールマガジンやDVD、
講演などを通じて僕もお手伝いします。
一緒に乗り越えていきましょう!
悩んでいるのはあなただけではありません。
本日もあなたと同じように悩まれた経験をもつ
SYさんからメッセージが届いております。
僕がお伝えした通りの子育てを実践いただき、
そして親子関係を改善された方です。
まさにお手本のような子育て内容ですので
ぜひ参考にしていただければと思います。
***ここから***
おはようございます。
毎回メルマガ拝見しています。
ありがとうございます。
一昨年ビデオで助けていただき、
また、このようなメルマガを定期的にいただき。
一言御礼をもうしあげたくメールしました。
息子は高二の終わりころから不登校になりましたが、
早い段階で過干渉をやめ、
過保護にしていったことで、
徐々に元気をとりもどし、
ゆっくり前進を始めました。
高校三年を出席数ギリギリで卒業し、一年浪人。
満足がいくまで自分探しをして、
今年春に大学に入学。哲学を勉強しています。
相変わらず、友達を作らず一人なようですが、
干渉せず、お願いされたことには出来るだけ答える。
この姿勢を貫いています。
反抗期真っ盛りの娘に対しても同様です。
これからも色々あるとは思いますが、
楽しく子育てしていけそうです。
ありがとうございます!
子どもの不登校経験を通じて、
たくさんの同じ経験をもつお母さんとつながりました。
このような活動が、なやむお母さんに気付きを与えてくださるように。
そんな気持ちです。
これからも頑張ってください。
よろしくお願いいたします。
***ここまで***
素晴らしい子育てのメッセージを
ありがとうございます!!
SYさんご自身が実際に実践されて、
そして問題を解決された実話ですので
リアリティがあって
僕自身、SYさんの思いがとても心に響きました。
“過保護”
子育ての基本はこれに尽きますね。
素直に信じていただき実行いただけたことを
とても嬉しく思います。
>干渉せず、お願いされたことには出来るだけ答える。
>この姿勢を貫いています。
素晴らしいです。
これって言うのは簡単ですが
いざ実行に移そうとすると
なかなか簡単にできることではありません。
ついつい色々と言いたくなってしまいますよね。
それを実行されているSYさんは素敵です。
これからもぜひ今の姿勢を貫かれてください。
>楽しく子育てしていけそうです。
こちらもとても大切なことですよね。
SYさんが楽しんで子育てすれば
必ずそれはお子さんにも伝わります。
>相変わらず、友達を作らず一人なようですが、
それも息子さんの個性かもしれません。
息子さんの”ありのまま”を受け止めてあげてください
改めまして素晴らしいメッセージをありがとうございました!
SYさんのメッセージが悩んでらっしゃるお母さんにとって
確実に有意義な情報になると信じています。
また何か新しいことがありましたら
メッセージいただけましたら幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
*************************
SYさんのメッセージの中に
>たくさんの同じ経験をもつお母さんとつながりました。
とありましたが、同じ悩みを共有できることって
本当に心の支えになりますよね。
このメルマガでも間接的にはなってしまいますが、
同じ悩みをもつお母さん同士が
情報を共有できるような
そんな場であることを目指しています。
様々なタイプの子育ての成功体験を
こちらで紹介させていただき
そして1人でも多くのお母さんが救われることに
つなげていきたいと考えております。
よく「情報発信大変じゃないですか?」
って言われるんですが、大変じゃないです。
それによって1人でも多くのお母さんとお子さんが
救われて欲しいというのが僕の願いです。
もしよろしければ
あなたからの情報やメッセージもお待ちしております。
あなたがメッセージを発信してくだされば
きっとあなた自身も
何らかの形で今以上に有益な情報を手にされるはずです。
このメルマガをご覧いただき
親子関係に何か良い変化がありましたら
どうかご協力いただけましたら幸いです。
さて、次週は不登校について
深くお話ししていきたいと思います。
不登校と一言で言っても色々なタイプがあって
僕が見てきた中では3つのタイプに分かれます。
次週はその辺りを詳しくお伝えします。
あなたのお子さんが不登校であるならば
どのタイプに当てはまるのか、
そしてどう対処すれば良いのか、
そんなことをご理解いただければと思っております。
それでは、本日も最後までご覧下さいまして
ありがとうございます。
次週もご期待ください。
まだメルマガにご登録されていない方は、下記よりお申し込みができます。
この他にも不登校やひきこもり役立つ情報を随時発信しております。
下記フォームよりお申し込みください
※ご記入頂いた個人情報は、メールマガジン配信やセミナー情報など、その他弊社のからの不登校解決のご案内のみに使用させていただくものです。どんなことがあってもあなたの情報を第三者にはわたしません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧下さい。 ※ご登録後も「いならい」「役に立たない」と思ったら、ワンクリックで配信解除ができます。お金は一切かかりません。あなた自身の目で内容をご確認下さい。
STさん
こんにちは。伊藤幸弘です。
過保護・過干渉をご理解頂いて実践して頂いているようで嬉しいです。
娘さんに笑顔を戻って本当によかったです。
過保護に接していれば、必ず娘さんから動き出して学校に行く日がくると思います。
新学期になっても焦らず・・・
娘さんが「学校行ってみようかな?」というまで待ってあげてください。
お母さんのその娘さんを信じる気持がきっと娘さんの力になると思います。
これからも過保護 頑張って下さい
いつもメールをありがたく読ませてもらっています。
現在小学5年生の不登校の娘がいます。今年の2月から不登校が続いています。
DVDを拝見して、過干渉をやめ過保護に接するように心がけてきました。
先日、知り合いのかたからおしえともらい、適応指導教室に通いはじめました。外出を嫌がるので、行ってくれるのか不安でしたが、私が見学に行って様子を知らせると、娘のほうから「行く!」と言ってくれました。
すぐ夏休みに入り、通ったのは一週間ほどでしたが、どんどん笑顔が増え、「楽しかった?」と言って帰ってくる日もありました。
こんなに楽しそうな娘の姿を見るのは、いつぐらい振りでしょう。
学校に通える日がいつになるかはわかりませんが、伊藤先生のおかげでここまで来れた事に感謝しております。
これからも、伊藤先生の教えを胸に、娘の笑顔のために、過保護な親になりたいと思います。
これからも、よろしくお願いします。