【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#28 友達が多いはずなのに不登校のなぜ
おはようございます。
伊藤 幸弘です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
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前回のおさらい
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前回は、書くのがためらわれるくらい残酷な、
いじめに関するある事件をお伝えしました。
祥子という女の子が学校でのいじめに悩み、
誰にも相談することができず、
ついには通っていた小学校から身を投げ出し、
自ら命を絶ってしまったという悲惨な事件です。
もしあなたが前回のメルマガを
読んで頂いていたとしたら、
この事件から何を感じましたか?
「いじめは絶対に世の中に存在してはいけないものだ」
と強く感じて頂けてましたら嬉しいです。
そして、あなたのお子さんが
いじめの被害者にも加害者にもならないために、
常に丁寧に”過保護”に接して頂けたら、と思います。
常に、お子さんにとっての
絶対的な味方でいてあげてください。
「いじめをこの世から無くす、それは理想論だ」
と言う方もいます。
確かに人間がいる限り、いじめというものは
必ずどこかで発生するものかもしれません。
でもそう言って諦めて良いものでしょうか?
尊い命が失われているのです。
「いじめなんて結局無くならないよ」
と言って済ませてしまって良い問題ではないと考えています。
いじめの問題は
絶対に放置したり諦めたりしてはいけないと、僕は強く思います。
きっと1人でも多くの方がそう思えば必ずいじめは減っていきます。
これを読んでいただいているあなたに
僕の意見に共感してもらえたら幸いです。
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本日のテーマ
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本日は、15歳の不登校の男の子
和也(仮名)のお話です。
不登校には、祥子が受けていたような陰湿ないじめ、
あるいは、からかい程度のいじめ、
そうしたものが引き金となっているケースが少なくありません。
その一方でほんのちょっとしたキッカケから
ひきこもりグセがついて
学校に行けなくなるケースもあります。
和也(仮名)は後者のケースでした。
小学校3年生の時に突然学校に行かなくなり、
以来、6年間不登校で家にひきこもったまま。
僕のところへは母親と一緒に相談に来ましたが
お母さんがなんとか連れてきたという状態でした。
和也は物静かな子でした。
「こんにちは!」
と声をかけても下を向いたままです。
お母さんの話では幼稚園の頃から
内気であまりしゃべらない子だったといいます。
先生が話しかけてもただ笑っているだけです。
幼稚園でも家でも1人遊びをしているような
子どもだったそうです。
和也の両親は、彼が小学校2年生の時に離婚していました。
離婚後、母親は和也を学童に預けて
女手ひとつで一生懸命、彼を育ててきました。
和也は一人っ子でしたが母親にわがままを言うでもなく
夕食の後片付けを手伝ったり、
疲れた様子の母親の方をもんであげたりする優しい子でした。
ですから、和也がなぜ不登校になったのか
その原因は母親も学校の先生もよく分からないといいます。
母親も
「特に思い当たる節がない」
と話していました。
話を聞き終えた僕はいったん席を立ち、
家にあったチョコレートを両手いっぱいに
抱えて戻ってきました。
持ってきたチョコレートを和也の目の前に並べて
端から順番にチョコの説明を始めました。
「これはアーモンドが入っていて・・・」
「これはストロベリー味で・・・」
1個ずつ手にとって説明していきます。
下を向いていた和也はそのうち顔を上げて
チョコを見つめながら僕の話を聞き始めました。
最初、見知らぬ人間を前にして
緊張で額に汗を浮かべ
手も汗でぐっしょり濡らしていた和也は
チョコの説明を聞いているうちに
緊張がほぐれてきた様子でした。
不登校やひきこもりになる子というのは、
人に対して非常に気をつかう子が多いです。
相手と話すときも、
言葉をひとつひとつ選びながら話します。
言いたいことを言ってくる相手の話を
全部受け止めて聞いてあげるので
周りからすると実に付き合いやすいタイプです。
だから、意外にも友達がたくさんいるというケースが
少なくありません。
ところが本人にしてみると、本当に仲の良い友達はいません。
相手が気を許していても
本人は気を許すことができないでいます。
いつも相手の言葉や態度や反応に
気をつかい、気を張っているため、
人付き合いは緊張の連続です。
家に帰ってくると、それが疲れとなって一気に出てきます。
疲れて朝になると
学校に行きたくないという気持ちに襲われますが
「学校に行かなくてはいけない」
という責任感を強く感じて
さらに疲れを強めてしまうのです。
お腹が痛くなったりして学校を休むのは
その疲れから解放されるための手段なのです。
でも、
「学校に行かなくてはいけない」
という責任感からは解放されないため
「行かないといけないけど、行けない」
という部分で悩みストレスを溜めていくのです。
やがて、同年代の子に会うのが怖くなり、
誰かとしゃべることも誰かの話を聞くことも
嫌になってしまうのです。
これが、不登校やひきこもりの子たちの
典型的なパターンです。
和也も、そうした典型的なひきこもりのパターンでした。
だから、あえて僕は和也に
「どのチョコがいい?」
という聞き方をしませんでした。
完全に決定を任せてしまうとこういう子たちは、
「僕がこのチョコを選んだら相手はどう反応するだろうか?」
と過剰に気をつかってしまうからです。
チョコの説明を終えて、僕はおもむろに
「これはおれのおすすめ!」
とミルクチョコを指差しました。
和也は黙ってチョコを取り、食べようとします。
僕もそのチョコを手にとって、大きな声で
「いただきます!」
と言ってから口に放り込みました。
まずお手本を示します。
これは挨拶できない子への挨拶の教え方です。
和也もつられて
「いただきます」
と声をだしました。
いろいろなチョコを一緒に食べるだけで、
僕は、和也にアドバイスらしきものは
特にしませんでした。
ただ、
「今度、一緒に遊びに行こうな」
と声をかけ、別れ際に
「イライラしてもお母さんに当たっちゃダメだよ」
と伝えただけでした。
和也はびっくりした顔をしていました。
この時は知らなかったのですが
後からお母さんに聞いたところによると、
和也にしてみれば
「なんで知ってるの?」
という気持ちだったようです。
2日後、お母さんから電話がありました。
僕と会った日から和也は人が変わったように
明るくなり、お母さんを買い物に誘ったようです。
僕と遊びに行く日も心待ちにしているといいます。
ならばと、早速和也に電話を入れて、
遊びに連れ出すことにしました。
行き先は知り合いの工場です。
そこでは僕が面倒を見ている子たちが
働いていました。
そこでまた、和也の人生が動くことになります。
**********ここまで************
さて、和也が不登校になった理由、お気づきにましたか?
和也が不登校になってしまったのは
彼が、気をつかう優しい子だからです。
優しくて繊細
それが和也でした。
それゆえ、人に気をつかいすぎて
他人とコミュニケーションをとることに
疲れてしまうのです。
和也に友達がいないわけではありません。
ただ、気をつかい過ぎるあまり
心の底から気を許せる
親友と言えるような存在は
いなかったようです。
だから、表面上は
人間関係がうまくいっているように
見えるかもしれません。
だからこそ
お母さんは和也がなぜ不登校になったのか
分かりませんでした。
和也のお母さんに限らず、
「あんなにいい子だったのに
問題行動を起こすようになってしまったんです」
そんな風に言うお母さんは少なくありません。
和也のお母さんのように
「なぜ問題行動を起こしたのか分からない」
と思う方はぜひお子さんの表面上ではなくて
本質的な部分を見てあげてください。
もしかしたら和也のように、
お子さんの優しさゆえに
問題行動が起こっているのかもしれません。
その原因が分かれば後はそれに対して対処するだけです。
と言っても原因が何であっても
基本的にはお子さんに対して
過保護に接してあげることが
まず第一の対処法になります。
お子さんが家でリラックスできる環境を作ってあげる、
まずはそこから全てが始まります。
さて本日も、メルマガ読者の方から頂いたメッセージを
紹介させていただきます。
メルマガでお伝えしている子育てを実践いただき
とても素敵な変化が
お子さんに見られるようになった
というご報告です。
ぜひご覧ください。
****ここから****
こんにちは、伊藤先生ありがとうございます。
子供が変わったことは、
ゲームをやめたこと、
ぬいだ靴をそろえるようになったこと、
食事に気をつけるようになったこと、
そこからさらに、感情をコントロールできるようになりました。
人の意見も素直にきくようになりました。
今日、私が子供に
「挨拶する時は立ち止まって相手の方を見てするほうがいいよ」
というと、
「そーだね。今度やってみる」
といいました。
相手の立場になって考える事ができるようになりました。
ちょっと前と、全然違います。ありがとうございます。
****ここまで****
貴重なメッセージを頂きまして本当にありがとうございます!!
素晴らしい変化ですね。
特に、感情をコントロールできるようになったということは
ものすごい変化だと思います。
感情をコントロールすることは
老若男女問わず、誰にとっても難しいことだからです。
このまましっかりと感情のコントロールができるようになれば
問題行動が解消されるだけでなく
きっとお子さんは何かの分野で成功されることと思います。
過保護に接してあげている効果が現れ、
今、お子さんは
「お母さんが自分のことを理解してくれている」
と感じているはずです。
お母さんは味方だ、という認識でいて
家庭が安心して過ごせる場所になっているはずです。
ぜひこのままの子育てを続けられてくださいね。
そしてまた、もし何か変化がありましたら
メッセージをいただけましたら幸いでございます。
メッセージいただけましたこと、
心から感謝しております。
本当にありがとうございます。
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本日のメッセージを読まれて、
お子さんがどのように変化するのか
具体的にイメージしていただけたのではないでしょうか?
メッセージを下さった方のお子さんが
どのような状況だったのか、
具体的には分からないのですが、
ちょっとした反抗期でも不登校でも
どのような問題が起こっていたとしても
基本的には”過保護に接してあげる”、
ということがまずは大切です。
それを実践いただければ
頂いたメールにあったように
必ず変化が見られます。
今は辛いかもしれませんが、
諦めずに1日1日、お子さんと丁寧に接し、
少しずつ関係を作っていただければと思います。
ぜひ一緒に解決していきましょう!
もしよろしければ、
ぜひあなたからの子育ての経験もメッセージいただければ幸いです。
こちらのメルマガでシェアさせていただき、
その経験が他の誰かのお子さんを救うことに
つなげていきたいと思っています。
次回のメルマガでは
優しくて気づかいをしてしまい
上手く人と接することができなかった和也が
僕や他の人とのふれあいによって
どのように変化していくのか
その実話をお伝えします。
随所にあなたの子育てにも
取り入れていただける要素があるはずですので
ぜひ次回もご覧いただけましたら幸いです。
本日も最後までご覧下さいましてありがとうございます。
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