【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#14 親が知らない場所で豹変する子供
おはようございます。
伊藤 幸弘です。
今日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子供の問題行動に
悩んでいる親御さんに役立つ情報を
お伝えしたいと思います。
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前回のおさらい
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前回は、
「大人を信頼できなくなった子どもたち」
というテーマでお伝えしました。
その中で、1つの実例として
博という子のお話をさせて頂きました。
博の母親は、お世辞にも良い母親とは言えない母親でした。
「自分自身が果たせなかった夢を博に託す」
そんな母親でした。
博の気持ちをコントロールするような面も見受けられました。
当然、望んでもいない希望を押しつけられた博は
次第に母親を信頼しなくなります。
そしてそれと並行して博の様子に、ある変化が生まれます。
博がこれまでと違った行動をとるようになります。
しかも親の知らないところで。
「子どものことはなんでも分かっている」
と思っている方もいらっしゃいますが
コミュニケーションが不足している状況では
子どもが実は”度肝を抜かれるようなこと”をしていた、
というケースも多々見られます。
博の場合もそうでした。
博は両親が知らない場所で
家の中とはまったく違う博になっていたのです。
おそらくあなたにとってもこの話は他人事では無いずです。
ぜひご自身の状況と重ね合わせながら読んでいただければと思います。
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今日のテーマ:親が知らない場所で豹変する子供。
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博は次第に、母親の前では物静かで、
勉強への努力を惜しまない子に変身していきました。
一方では、母親の見ていないところで元気に遊びまわり、
二重人格者のような生活を送っていました。
中学に上がるまでこの状態が続きます。
本人からしてみれば相当疲れたはずです。
僕がたまにその家に行くと、母親から出てくるのは
「お姉ちゃんは名門の高校に入った」
「お兄ちゃんは有名大学の付属中学に入って
医者を目指して毎日勉強している」
など子供の話ばかり。
しかも博の話になると決まって
「博にはもっとこうしてほしい、
ああしてもらいたい」
といった欲求しかでてきませんでした。
そこには博の努力を認めてやろう
という姿勢はみじんも感じられませんでした。
博の中学は当時荒れていました。
特に3年生がひどくて悪いのになると、
1年生の廊下にたむろしてはお金を巻き上げていました。
3年生たちがターゲットにしていたのは
ズボンを腰まで下ろしてはいたり
ワイシャツを外に出している子など
外見がちょっと不良っぽい子、
服装がだらしない子だったようです。
博は幼児期からの母親との関係で
ストレスを感じ、だんだん非行の色に染まってきた矢先でした。
ワイシャツをズボンから出し、
腰までズボンを下げてはくようになっていて、
当然、3年生に目をつけられてしまったのです。
そんな状況をなんとかしたくて、
博はある方法を考えつきました。
それは、
「自分も先輩のようにタバコを吸えば
お金をたかられることはないのでは?」
というものでした。
早速、父親のタバコをかすめ、吸う練習をしました。
案の定、タバコを吸えるようになってからは
3年生に絡まれることもなくなりました。
ところが今度は
自分がお金を巻き上げる立場になってしまいました。
タバコを吸うことを覚え非行の真似事をしているうちに
完全に染まってしまったのです。
タバコが見つかって親が呼び出されたのはそんな時期でした。
親と子の歯車がかみ合わなくなってきた時から
親子の溝は深まっていくものです。
そしてその溝の存在を知りません。
博の両親もそこで初めて
自分の子供の素顔を知ることになるのです。
いい子だったはずの子どもが
あずかり知らぬところで非行少年になっていた、
この事実にうろたえる母親に僕は
「お母さんのやり方がいけなかった。
過干渉に育てたあなたがいけなかった」
と伝えました。
母親は素直に言葉を受け入れてくれて
これまでの自分をひとつひとつ反省し、
いけなかった部分をひとつひとつ
チェックしていきました。
子どもが望むことをしてやるのが大事だということを
心の底からようやく理解した両親は、
真剣に子どもと向き合うようになりました。
それから数ヶ月後、博は
「僕は車が好きだから整備士になりたい」
と言ってきたそうです。
今度は、本当に自分自身で見つけた目標です。
母親は
「ヒロちゃんがなりたいと思ったらなれば良いよ。
お母さんもお父さんも応援するから」
と言って、しっかり抱き合ったそうです。
博はそれ以来、タバコを吸うことをやめて、
元気よく仲間と飛び回っています。
親は知らず知らずのうちに、
子に自分の希望や期待を押しつけた育て方をしてしまいます。
もちろん、それは子どもが大事だから、愛しているからでしょう。
でも博のケースからも分かるように
どんなことがあっても
親の期待を押しつけた子育てはいけません。
子どもの意思は親が決めるものではありません。
親が決めた意思に従って生きている子どもは
必ずどこかで道を外れてしまう、
ということを博の話から
感じ取っていただけたと思います。
さて、博の話はここで終わりです。
ここからは、もう1つ、別のお話をさせて頂きます。
幼児期の親の暴力が子どもに
どれほど大きい影響を与えてしまうのか、という実例です。
小学校6年(12歳)の時に、化粧で18歳と偽って
水商売をしていた千夏という女の子がいます。
千夏は小学校4年生ですでに、
友達と学校帰りに酒盛りをするような子でした。
父親は建設会社の社長でおとなしそうな人でした。
母親はきれいな顔立ちの品の良さそうな女性です。
千夏の上には3つ違いの姉がいます。
一見するとどこにでもいそうな普通の家族です。
なのに、なぜ千夏は12歳という若さで
水商売をするような子どもになってしまったのか?
実は千夏は母親から虐待を繰り返されていました。
保育園に行こうと靴下を履いていると、
「グズ!」と言って
灰皿を投げつけられたり
平手打ちされたりしていたそうです。
品の良さそうに見える母親は
自分の欲求不満を子どもに全てぶつけていたのです。
千夏と姉が言うことを聞かないと
夜遅くに車に乗せて
真っ暗な山の中に2人を置き去りにして
帰ってきてしまうということも何度かあったといいます。
それを聞いた父親が急いで2人を連れて帰ってくるのですが
子供の不安、恐怖はどれほどのものだったのか・・・。
想像を絶します。
千夏は小学校にあがるといじめられるようになります。
いじめを担任の先生に伝えても先生は
「もっと千夏が強くなればいいんだ」
としか言わなかったそうです。
その時こう思った、と
千夏はのちに話してくれました。
「強くないからいじめられてしまう。
だから先生に言っているのに。
親に言ったところでお前がいくじなしだから、
と言われるのがオチだ。なら、もう誰もあてにしない。
信じない。」
小学校2年生の時のことです。
それ以来、最初の話の、博と同じように、
千夏も完全に大人に対する信用を失ってしまいます。
当然ですよね、
親からは虐待を受けて
学校の先生からは一切の助けを得られず。
そして小学校2年生のとき、
絶望の果てに、千夏の中にある危険な感情が生まれ始めます。
それは・・・
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本日はここまでです。
千夏の中にどんな感情が生まれて
そしてその感情が具体的に
どんな行動になって表面化するのか、
ぜひ一度考えてみてください。
きっと問題行動を起こす多くの子どもに共通する感情です。
さて、本日お話した博の話も千夏の話も、
どちらも結局は親の都合が原因にあることに
お気付きでしょうか?
博の母親は、自分が果たせなかった思いを博に託し、
千夏の母親は、自分の欲求不満を千夏にぶつけていました。
子どもは何の理由もなく
大人を信用しなくなるわけではありません。
何の理由もなく不登校になったり
非行に走ったりしません。
必ず何か原因があります。
そのことは分かっている方が多いのですが・・・
でも、その原因が実は
「自分自身にある」
ということに多くの親が気づいていません。
もしあなたがこのメルマガを通じて
「もしかしたら原因は自分にあるのではないか」
ということに気づいてもらえたのであれば、
本当に喜ばしいことです。
親の意思の押し付けや虐待、
そもそもそんなことが起こらないことを
心の底から願っていますが、万が一そのようなことが
すでに起こってしまっていたのであれば
一刻も早く止めてください。
そして子どもに対して
少しでも多くの愛情を与えてあげてください。
「でも、そんなこと言われても・・・
今更どうやって子どもに愛情を与えればいいのか分からない・・・」
という方もいらっしゃるかと思いますので
そういう方は、是非次回のメルマガを期待してお待ち下さい。
次回、
「千夏と虐待を繰り返していた千夏の母親との関係性が
どのようなきっかけで改善されていったのか」
ということをお話させていただきます。
子育てにお悩みのすべての方にとって参考になるであろう、
本当にあったお話です。
あなたの親子関係が少しでもポジティブな方向に向かうことを
心の底から願っています。
ちなみに前回もお伝えしましたが、
引き続きあなたからの
嬉しい報告もお待ちしております。
“最近子どもが学校で起こったことを
話してくれるようになった”
など、どんなことでも構いません。
このメルマガを読んで頂いて
もし何かしら親子関係に変化を感じることがあれば
ぜひ、メッセージをいただけたら幸いです。
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ぜひお気軽にご連絡いただけましたら
とても嬉しいです。
それでは、本日も最後までお読みいただきまして
ありがとうございます。
次回もご期待ください。
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毎日、伊藤先生のメルマガ読んで勉強しています。うちの娘は、三女なのですが、よく考えれば上の姉二人といつも比較して勉強できないことを責めていました。末っ子なので、みんなで可愛がって育てたつもりですが、仕事が忙しく1人で過ごすことも多く、寂しい思いもいっぱいさせました。1ヶ月前に勉強と学校が嫌で、中学校に通えなくなりました。学校にいつ行ってくれるのか不安で毎日が地獄でした。
でも、伊藤先生のメルマガを見て、なんでも口うるさく言うのをやめ、本人の言う思いを聞いたり誉めたり励ましたりしています。
学校にはまだまだ行けそうにないですが、今日も将来は女優になりたい、お金持ちになって世界旅行したいと話してくれました。
否定せずに、聞いてあげるといい笑顔をしていました。
こんにちは。あきさん
親も人間ですが、子供の都合ばかりでは無理なのは当たり前です。
無理しない程度でいいです。
無理をすれば当然、親も息切れしてしまいます。
それでも子育ては続くのですから、息切れしないように頑張ってもらえればと思います。
どうしても難しいようであれば、ご主人や家族、仕事などを
見直して、子供に負担が少ないようにして貰えればと思います。
頑張ってください
うちには小学4年と小学1年の息子がいます。
長男は去年不登校になりました。今はなんとか学校には行っていますが・・・
この博君も辛かったと思います。
上に兄弟がいるので、親は比べやすいです。
うちは3歳下の弟ができることが、長男ができず・・・・
「うちの子は遅れているんだァああ」と思いました。
それから、やっぱり「早くしなさい」「こんな事もできないね。弟はできるよ」と言ってしまっていました。
それが不登校の原因かな? とも思うので・・・
今は長男への言葉かけは気をつけています。
それでも、やっぱりいろいろと私もしたいこともあるので・・・・
自分の都合になってしまうことも多いです。
本当に難しいです。