【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#82 父との関係が崩壊するキッカケとなった事件
おはようございます。
伊藤幸弘です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
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前回のおさらい
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前回は、
私がエレキギターを始め、
友達の家に入り浸るようになった頃の
エピソードをお話ししました。
タバコを覚え、額に剃り込みを入れ、
少しずつ非行への道を歩き始めた頃です。
これまでのお話しから
子どもが非行の道へと逸れていく過程を
少しはご理解いただたのではないでしょうか?
念のため改めてお伝えしておくと、
当時、私の心の底にあったのは
「誰かに甘えたい」
「居場所が欲しい」
「認められたい」
という欲求でした。
これらの欲求を満たす場所が
非行仲間が集まる場所だったのです。
本日は、私と父親の間に
取り返しがつかないほど
大きな溝が生まれる
きっかけとなった事件について
お話しします。
現実は残酷です。
親子関係が崩壊する瞬間が
訪れようとしていました。
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本日のテーマ
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ルールを守れない非行少年が集まると、
次第に良いことより悪いことの方が
目立ってきます。
道にゴミを捨てる子が
10人、20人と増えたら、
そこは道ではなく
ごみ捨て場になってしまいます。
自分の願望を押し通そうとすればするほど
社会のルールとの摩擦が生じます。
そのようにして私自身も
どんどん非行の道へと進み始めました。
当時の私は、父にはなんとか
自分の非行を見せまいとしていましたが、
どうしてもルールを破る姿が露呈してしまいます。
日曜日も店を手伝わない、
学校の帰りは遅い、
服装や髪型なども派手になってくる。
もともと取り繕うことが苦手な父親でしたので
私のそういった状況に対して
ストレートに言葉が出てきます。
「帰りが遅い」
「店を手伝え」
ちょっと失敗をすると、
「やる気がないからドジを踏むんだ」
という具合に
叱ることはあっても
まず褒めることはありません。
父の言うことは
決して間違ってはいなかったのですが、
正しいことを正しいと認めてしまうと
自分の楽しいことができなくなってしまうような
気がしていました。
そして父の存在がだんだん、
けむたくなってきました。
顔を合わせたくないので
わざと遅く帰宅する。
その度に父の怒りが増す。
新しい母も私にお説教をしたいのですが、
遠慮があるのかできません。
そして父は私のことで気分を害すると
母に八つ当たりするようになりました。
子どもの帰宅が遅くなったり
家であまり話をしなくなったりするのには、
それなりの理由があります。
それを分かろうとせず、
大人の理論や感情、
立場で押さえつけると、
子どもが親から離れよう離れようとする力は
次第に強くなってきます。
そして高校1年の夏、
ついに父と私の間の溝が
取り返しがつかなくなるほど
深くなる出来事が起こりました。
私は高校の仲間数人と
海に泳ぎに行きました。
彼らは思い思いに泳いだり、
女の子をナンパしたりして
楽しんでいました。
私は泳ぎがあまり得意ではないので
それをうらやましく思っていましたが、
そのうち
「おれだってかっこよく泳げるんだ」
という変なプライドが出てきました。
友達に自慢したいという思いが
あったのだと思います。
何か劣等感を感じて
パッとしない中学校時代を
過ごしてきた自分にとって
高校生活はある意味では最高でした。
それほど悪くないのにワルを演じ、
そんなに強くないのに方で風を切って
ツッパリスタイルで歩く。
女の子にモテているフリをする。
そうすると友達が自分のことを
尊敬しているような気がしてきました。
ですから
「かっこ悪い生き方はもうしたくない・・・」
そんな気持ちで岩に向かって
泳いだのかもしれません。
岩には、父親と子どもが
カニや海藻を取っている姿がありました。
私はその姿に自分の父親を
ダブらせていた記憶があります。
そして、しばらくしてから
岸に戻ろうと再び泳ぎ始めました。
私の泳ぎは、
目的地まで休まずに泳がなければ続かず、
途中で休むとおぼれてしまう
という欠点がありました。
それでも、早く友達に会って
岩まで泳いだことを自慢したい一心で
黙々と泳ぎました。
ところが
岸まであと少しというところで
足がつりだしたのです。
それをこらえて必死で泳ぎ、
「もう大丈夫、足が着く」
と思ったのに足が着きません。
慌てた私は
ついに溺れてしまったのです。
手足をバタつかせて
「たす・・・けて、」
そんな状態になっていました。
つづく
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編集後記
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本日も私の10代の頃のエピソードを
赤裸々にお伝えしました。
今回のエピソードの中で
あなたに注目していただきたいのは
この部分です。
『子どもの帰宅が遅くなったり
家であまり話をしなくなったりするのには、
それなりの理由があります。
それを分かろうとせず、
大人の理論や感情、
立場で押さえつけると、
子どもが親から離れよう離れようとする力は
次第に強くなってきます。』
これが真実なのです。
親は子どもが問題を起こす時、
その原因を子どもの中に
見いだそうとします。
そして
「子どもを変えなければいけない」
と考えがちです。
しかし、原因を子どもの中に探っても
絶対に見つかりません。
原因は、親の中にあるかもしれないからです。
ぜひこのことを今一度
再認識しておいてくださいね。
私の場合は父に対して
「文句ばかりで全く褒めてくれない
認めてもくれない」
という想いが強くありました。
その思いが私と父の距離を
引き離すことへとつながりました。
「そんなことで?」
と思われるかもしれませんが、
子どもにとっては非常に重要な話なのです。
極端なことを言えば、
「褒めてもらえない」
それだけで
生きている価値を
見出せなくなることすらあります。
ぜひ、これを機に
「何が問題だったのか?」
「お子さんが何を望んでいるのか?」
ということをもう一度深く
考えてみてください。
必ず何か思い当たる節が見つかるはずです。
さらに、
どれだけお子さんが
強く見せようとしていたとしても
“内面は非常にナイーブでもろい”
ということを理解しておいてください。
弱いからこそ不良のような
振る舞いをするのです。
ですから
お子さんのことを恐れる必要もありません。
堂々と、しっかりと
お子さんを愛情で包み込んであげることを
考えてください。
ここ数回は非行のエピソードを
お伝えしていますが、
引きこもりや不登校の問題も
根っこにある原因は共通しています。
本日お伝えしている内容も
参考にしていただき
問題解決に役立てていただければ幸いです。
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読者の方から頂いた喜びの声
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それでは本日も
読者の方から頂いた
ご報告のメッセージを
紹介させていただきます。
TMさんからいただいたメッセージです。
TMさんはDVDをご覧になり、
そして今まさに
状況を少しでも改善しようと
奮闘されている方です。
「DVDを観て、ある1つの大きな気づきを得た」
とのご報告をくださいました。
あなたにも当てはまる話かもしれません。
ぜひご自身の立場に置き換えて
読んでみてください。
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小学校3年の息子が
学校へ行き渋り、
不登校になり始めていました。
2学期に入って担任が変わり、先生が怖くて
学校に行きたくなくなったのだと思います。
朝になると泣き叫んでいました。
とにかく藁にもすがる思いで、
不登校3日目に伊藤先生のDVDを注文しました。
伊藤先生のDVDを見て、
我が家は本当に「愛情不足」だなと感じました。
伊藤先生のお話はシンプルで核心をついていました。
そして、親の私自身も
愛情不足で育てられてきたことに
気付くきっかけにもなりました。
以前から私本人の問題が解決しないと、
子どもにいつか問題が起こるとは思っていました。
私は自分自身を
“生きる価値もない空っぽな人間”だと感じ、
不安でいっぱいだったからです。
(周りからはしっかりしてると言われてますが)
今は、息子を愛情いっぱいで育て、
息子を信じて頑張る、
それを私の生きがいにしようと思います。
まだまだ実践途中ですが、
そうしたら良い方向へ向かえそうな気がします。
本当に伊藤先生に出会えてよかったです。
これからも頑張っていきます。
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TMさん、
貴重なメッセージをありがとうございました。
そしてDVDもご覧いただき
本当に嬉しく思います。
>以前から私本人の問題が解決しないと、
>子どもにいつか問題が起こるとは思っていました。
と書かれていますが、
確かにそれは十分にあり得る話です。
TMさんご自身が日々幸せを感じて
生活をしていなければ、
やはりお子さんに対して
幸せを与えることは難しいでしょう。
しかし、TMさんは今
そのことにしっかり気付かれています。
あとは、TMさんご自信が。
幸せをしっかり感じることができる
人生を送れるように心がけて、
行動を繰り返すのみです。
もちろんそう簡単なことではありませんが、
意識して行動していれば
必ず現実は変化します。
また、
>今は、息子を愛情いっぱいで育て、
>息子を信じて頑張る、
>それを私の生きがいにしようと思います。
と書かれていますが
素晴らしいことです。
きっと息子さんもTMさんの変化を敏感に感じ、
そして喜びを感じ始めていることと思います。
これからもメルマガを通じて
応援させてもらいますので
一緒に頑張っていきましょう!
改めまして
素敵なメッセージをありがとうございました。
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このメルマガをご覧になっている方の中にも
「自分自身が幸せを感じられずに育った」
という方もいらっしゃると思います。
そして
ご自身が幸せを感じることができていないため
お子さんに幸せを与えることができない、
そんな方も多いのではないでしょうか?
そういう方は
今、目の前にある生活の中で
あなた自身のことを思ってくれている人の顔を
思い浮かべてみてください。
もしかしたらあなたが気づいていないだけで、
実は深い愛情を注いでくれている人が
いるかもしれません。
特に、あなたのご両親は、どうでしょうか?
過保護に育てられなかったかもしれませんが、
実はたくさんの愛情をあなたに
注いでくれていたのかもしれません。
日常生活で小さい幸せを探してみてください。
次回は
私が海で溺れた話の続きです。
この事件をきっかけに
私はいよいよ父を憎むようになり、
そして関係は崩壊へと向かいます。
なぜ私は父を憎むようになってしまったのか?
その一部始終をお話しします。
ぜひ、お子さんの気持ちを理解するために
お役立てください。
それでは、本日も最後まで
お読みいただきまして
ありがとうございました。
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