【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#60 家庭崩壊後に薫の父が選んだ最悪の結末
おはようございます。
伊藤幸弘です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
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前回のおさらい
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前回は、薫という男の子の
エピソードの2回目をお届けしました。
薫は少年サッカーチームに入っていましたが、
ある時から父親が
そのチームのコーチとして参加することになりました。
その頃から親子の関係がこじれ始めます。
父親が薫に対して、
あまりにも厳しく接したからです。
例えばある日、
試合中にパスをミスした薫に対して
父親が手加減無しで腹にボールを蹴り込む
という事件が発生しました。
薫は心から恐怖を覚えました。
そしてそれを機に、薫は万引きを始めます。
薫のストレスが悪い形で露呈し始めたのです。
母親が万引きに気づき、薫を問い詰めますが、
本人は素知らぬ顔をするばかりです。
さらに、真冬だというのに
海辺近くの国道でランニングと
短パン姿で寝そべるなど、
おかしな行動をとることも増えました。
という内容までが
前回お伝えしたエピソードでしたね。
そして前回の編集後記では
「万引き」をテーマに取り上げました。
「なぜ子どもは万引きをするのか?」
というテーマです。
この問いに対する答えを
一言で言うと”ストレス”です。
家庭にも学校にも居場所がない、
そんな子どもが
ストレス発散のために万引きをするのです。
ですから、
もしあなたがお子さんの万引きを発見してしまったら
まずはお子さんがどんなストレスを抱えているのかを
考えてみてください。
そしてそのストレスを拭い去ってあげることを
考えて行動する必要があるのです。
普通、親が子どもの万引きを見つけたら
子どもを一方的に責め立てることが多いと思いますが、
そんなことをしても何の解決にもなりませんので
気をつけてください。
それでは本日のテーマ、
薫に関するエピソードの
3話目をお届けします。
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本日のテーマ
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問題行動を起こす子どもと
付き合うには相当のエネルギーが必要です。
数年にわたり薫の奇行、問題行動に振り回され、
諭そうが怒ろうが一向に変わらない事態に、
まず薫の父親が生きる気力を失ってしまいました。
世間に対して
取り返しのつかないことを繰り返しているのに
息子はまったく立ち直る気配を見せません。
それどころか・・・
問題を起こして怒る度に
「おれが小さい頃、
2人でグルになっていじめたじゃないか!」
「お前はおれの腹にボールを蹴り入れやがった!」
「お前は助けを求めて父親から逃げて来たおれを
助けようとしなかった!」
と両親を責め立てます。
薫が僕に話してくれた
あのエピソードです。
両親は、親としての責任を
果たしていない自分たちを責めました。
特に父親は親として
自分の至らなさを嘆きました。
そして何かが切れてしまったのでしょう。
「息子の過ちを死んでお詫びします」
という遺書を残して
自らの命を絶ってしまいました。
47歳という早すぎる死でした。
薫の家族は父親の自殺によって
一気に崩壊しました。
遺された母親もまた
精神的に参っていたのでしょう。
父親の死からほどなくして
夜中、寝ている薫を包丁で刺し、
自分も手首を切って心中を図りました。
幸い、刺した傷は致命傷ではなく
2人とも命に別条はありませんでしたが、
母親はそのまま神経科に
入院することになりました。
薫もまた奇行を繰り返していたことから
病院に入院することになりました。
そして両親も兄もいなくなり、
1人遺された弟は結局
養護施設で生活することになりました。
僕が薫と出会ったのはこの頃ですが、
実はこの話には後日談があります。
それも家族の崩壊を決定づけるような
痛ましい後日談です。
薫と会った4年後、
ひょんなことから
薫の弟のその後を伝え聞きました。
養護施設に預けられた弟は
毎日イライラした様子で
施設の仲間を殴ったり、
学校帰りに万引きをしたり、
かなり荒れた様子だったと言います。
それでも、先生たちには大切にされ、
常に気をかけてもらっていました。
ところがある日、
姿を消してしまったのです。
そして変わり果てた姿となり
発見されました。
川で溺れたのが死因ですが
その死が自らの意思だったのか
それとも事故だったのかは
いまだに分かっていません。
薫の家族はなぜこのような
結末を迎えなければ
いけなかったのでしょう。
薫はなぜ荒れなければならなかったのか?
僕はこのことを何度も考えました。
薫の父親は厳しい父親でした。
おそらく薫には強くなることを
求めていたのだろうと思います。
強い人間にすることが
親である自分たちの努めだと思い
サッカーを介してそのような子どもに
育てようとしたのではないかと思います。
母親もまた
父親と同様の考えだったのかもしれません。
ドアに鍵をかけてまで父親から
逃げようとしていた息子を
なぜ母親はかばってやらなかったのか?
「イヤだ!」
と叫びながら
引きずられていく息子を見て
「こんなに嫌がっているじゃないの、やめて!」
となぜ夫に言えなかったのか?
母親もまた、
強い人であることが
生きる力のある人だと
考えていたからではないでしょうか?
薫の家庭には厳しさはありましたが
保護はありませんでした。
怒られる体験はたくさんしましたが
薫には親から受け入れられ、
認めてもらう体験がなかったのだと思います。
親にとっては
厳しさも愛情だったのかもしれませんが
薫が求めていたのは違う形での愛情、
親から認められ、保護されることでした。
そこが問題行動を起こす発端であり、
親子関係の亀裂を招いた
という気がしてなりません。
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編集後記
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僕は今でも薫のエピソードを思い出すと
悲しくていたたまれない気持ちになります。
そして、
このような事件が二度と起こらないように
“正しい子育て”を全国に伝えなければいけない、
という思いに駆られるのです。
本編でもお伝えしましたが
やはり今回の薫の件も、
全ての問題の発端は
家庭の子育てにあります。
両親がともに
過干渉な子育てをしてしまったことに
問題の原因があります。
薫の両親にとっては
強さこそが正義でした。
そしてその強さを身につけるために
厳しくしつけることが絶対に
必要だと考えていたのでしょう。
もしかしたら
これをご覧になっているあなたも
そう思っていませんか?
もしそう思っているとしたら
改めて考え直す必要があります。
はっきり言わせていただくと
「厳しく子育てをすれば強くなる」
という考えは短絡的です。
単に厳しいだけの子育ては
子どもの精神を破壊するだけです。
もし本当にあなたのお子さんが
強く育つことを望むのなら
厳しい子育てをするその前に
圧倒的な愛情を与えなければいけません。
愛情無きしつけは
ただの拷問でしかありません。
その理由は、
これまでのメルマガでも
お伝えしてきたように
本物の強さとは愛情の後ろ盾が
あって初めて成立するものだからです。
「どんな辛いことがあったとしても、
社会の荒波にさらされても、
必ず愛情をもって受け入れて
くれる存在がいる」
そう思えることで初めて強さは成立します。
そのことを理解していれば
単に厳しいだけのしつけを行うことが
どれだけ有害であるかを
ご理解いただけるはずです。
今あなたは、お子さんに
愛情をたっぷり注いでいると
自信を持って言えますか?
上っ面の愛情はダメです。
そんなものは一瞬にして
子どもに見抜かれます。
子どもは大人以上に純粋な目で
物事の本質を見抜きます。
本日は
「子どもを強い子に育てたいと願うのであれば
子どもが満足するまで愛情を注がなければいけない」
ということをご理解いただければ幸いです。
お子さんのありのままを愛するということを
意識してください。
意識を変えることは
簡単なことではないかもしれませんが、
あなたの意識が変わらなければ
状況は絶対に変わりません。
逆に言えば、あなたの意識が変われば
今の状況を変えることができるのです。
頑張って下さい。
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読者の方から頂いた子育て体験談
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それでは本日も
読者の方から頂いた子育ての
体験談を紹介させていただきます。
本日は、
お姉様が3人の不登校のお子さんを抱えていらっしゃる
MMさんからのメッセージです。
ぜひご覧いただき、
あなたの子育ての参考にして下さい。
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伊藤先生とスタッフの皆様
いつも、拝読させていただいております。
私は子どもがおりませんが、
近くに姉家族が住んでいて3人の甥っ子がいます。
私はその3人の甥っ子の叔母になるわけですが、
3人とも登校拒否で、
姉が伊藤先生のDVDを購入させて頂きました。
良いアドバイスを与えてくださる伊藤先生に
姉夫婦が出合えた事を、
(天の神さまに?)感謝する思いです!
私も姉も、過干渉の(特に母)親に育てられました。
私は数年前に結婚生活がうまくいかなくて
離婚となりましたが、
その時に母の気性等を受け継ぐ
自分自身を痛感しました。
私には子どもがいないので、
自分自身の事だけを考えれば良いですが、
姉を見ていると、
大変そうだと思わずにいられません。
可愛い甥っ子を思うとほっておけず、
また姉が自分を責める気持ちも理解できるので、
少しでも寄り添えれば、と思い、
伊藤先生のメルマガ登録させていただきました。
このメルマガや掲示板も少し覗かせていただきました。
姉夫婦は子ども達の良きカウンセラーを
目指さなければという気持ちはあるものの、
子どもの行く末を心配する気持ち、
自分達を責める思い、自分達の不甲斐なさなど
辛い思いをしているようです。
精神的負担を私が担うことはできなくても、
辛いときに弱音を吐ける場所を
提供できればと思っています。
また、叔母として甥っ子たちに接する際、
姉夫婦の方針に水を差すことがないようにと思い、
姉からDVDを借りて勉強させていただいています。
また、私の仕事は、
大人、子ども問わず育成業務もあるため、
仕事にも大変参考になっています。
適格なアドバイスを
与えてくださる伊藤先生に会えたし、
姉自身も自分を変えようと頑張っています。
何よりも義兄とも一致して
同じ方向を向いているのだから、
時間はかかるかもしれないけれど、
これ以上状況が悪くなることはない、
あとは、上昇するだけだよ。
と姉と話しています。
実は、以前は姉妹間の関係は良くなかったのですが、
お陰さまで関係が良好になりました。
ありがとうございます。
今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
*******************ここまで********************
MMさん、ご丁寧なメッセージを
ありがとうございました!!
MMさんとお姉様が
DVDを見てくださっていること、
とても嬉しく思います。
お姉様はお子さんが3人とも
登校拒否であるという状況に、
精神的にも体力的にも
非常に辛い思いをされているとお察しします。
3人にそれぞれ欲しいだけの愛情を注ぐのは
本当に大変なことですよね。
お姉様ご自身が精根尽き果てて
崩れてしまわないように、
MMさんが支えてくださいね。
そして、無理のない範囲で
できることから少しずつ
実行していかれれば良いと思います。
DVDの中では本当にたくさんのことを
お伝えしていますが、
まずは細かいことは気にせずに
何よりも
「お子さんの目線に立って考え、
お子さんにわかるように愛情を注ぐ」
このことを意識していただければ思います。
貴重なメッセージを頂きまして
本当にありがとうございました。
また進展がありましたら
ご連絡いただけましたら幸いです。
お姉様にもよろしくお伝えください。
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あなたの周りには
あなたの子育てを応援してくださる方は
いますか?
今回メッセージをくださったMMさんは
お姉さんのことを思い、
とても献身的に動かれている方でした。
あなたの周りにもこのような方が
いれば良いのですが、
もしいなければ、
少しだけ考えてみてください。
誰かに頼ることも時には大切です。
辛い時、あなたが精神的に参ってしまっては
子育ては必ず失敗します。
まずはあなたが幸せな状態になることを
目指してください。
心身ともに健康であるよう注意して下さい。
そして、必要ならば周りを見回して
信頼できる方に相談したり、
時には頼ることも大切だということを
覚えておいてくださいね。
さて、次回は僕自身のエピソードをお伝えします。
「父の死後に知った大きな愛情」
についてお話させてもらいます。
愛情って実は簡単には伝わらないものなんです。
ただ闇雲に愛情を押しつけても、
それは伝わりません。
ですからどうやって愛情を伝えるのが良いのか?
ということを考えるきっかけを
ご提供したいと思い、
このテーマでお話させてもらいます。
ぜひ次週もご覧いただき
あなたの子育ての参考にして下さい。
それでは、本日も最後まで
ご覧下さいましてありがとうございました。
PS:
最近、以前にも増してメッセージを頂いており
とても嬉しく思っております。
結果が出てきた方が少しずつ
増えてきたのかもしれません。
本当に喜ばしいことです。
「求めよ、さらば与えられん」
これは聖書の言葉ですが、
あなたが求めれば求めるほど
必要な情報は必ず入ってくるように
世の中はできています。
ですから大いに求めてください。
「こんな時はどうしたら良いのだろうか?」
と思った時はとにかく答えを探してください。
あなた自身で試行錯誤して実際の子育ての中で
答えを探していただくのも良いでしょうし、
このメルマガやDVD、子育てラジオの中にも
答えを見出せるヒントがたくさんあると思います。
とにかく貪欲に求めてください。
そうすれば必ず道は開けます。
あなたからの喜びの声をいただけることを
心から楽しみにしております。
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S.Oさん
こんにちは。伊藤幸弘です。
息子さんにいい変化が出てきたようでよかったですね。
何よりお母さんに余裕が出てきたのがいいですね
僕の「過保護」が理解できたようですので、もう大丈夫です。
きっと回復されると思いますよ
ただ、回復の速度はお子さんによって違います。
ですから、焦らず、お子さん自身が動き出すのを待ってあげてください。
これからも過保護頑張って下さい
伊藤先生、スタッフのみなさま、いつもありがとうございます。高校2年の不登校の息子をもつ母です。不登校になってから1年が経ちました。始めの頃は騒いで怒って泣いて途方に暮れて…の繰り返しでした。伊藤先生のDVDに出逢ってから少しずつ家族の関係が良くなってきた気はしていましたが、学校は全く行かなくなり、完全に昼夜逆転となり、内の世界に篭っていくようにみえていた息子に焦りを感じ、苛立つ気持ちなくすことができずに悩んでいました。でも、やっと最近、伊藤先生のお言葉の意味がわかってきたような気がしています。子育てというのは、子供をよくみて、その子の本当に望んでいることをたっぷりとしてあげることなんですね。幼児期から周りに気を遣い続けた息子でした。妹ができた途端に私の抱っこを嫌がり距離を置くようになっていました。母にはあなたも同じだったわと言われ、この子はこういう子なんだ、男の子だから強く育てなければと思っていました。そして、大きくなるにつれて問題行動が目につくようになっていきました。どうしてなのかと、責め立てることばかりしてきました。本人は一生懸命に黄色信号を出していたのに、わかってやれることなく今まできてしまいました。そして不登校になり、息子の心が分からず悩んでいましたが、伊藤先生のアドバイスを何度も何度も聞いてノートに書き、何度も読み返し…としているうちに、この子は私にもっと認めてほしいのかもしれないと思うようになりました。毎日ちょっとしたことで褒めたりありがとうの声をかけ、そしてスキンシップとして、マッサージや耳かきなど試してみました。すると、息子に明らかな変化が出てきました。リビングにいる時間が増え、声に力が出てきました。マッサージのあとは大きな声で、ありがとうね!と言ってくれます。服の上から背中をさすってやったりするだけですが、私の心も落ち着くのが不思議です。この子のことをゆっくり待ってあげようと思えるようになってきました。
学校に通えるようになるのは多分まだ時間が掛かりそうですが、息子の力を信じて、そして子供との時間を楽しんで行こうと思います。
そして自分自身の中にある自己肯定感の低さも認識し、自分のことも尊重しながら、周りの人達を大切に、過ごしていこうと思っています。
丁寧に子育てをすることの大切さを教えてくださり、辛い境地にある私達親を励ます言葉をたくさんかけてくださる伊藤先生に、心より感謝しております。本当に、ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。