伊藤幸弘の子育てアドバイス】#58 息子の腹にボールを蹴り入れる父親の話

2016-02-25

おはようございます。
伊藤幸弘です。

本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。

*********************************************
前回のおさらい
*********************************************

前回は、
自律性についてお話致しました。

自律とはつまり

「自分を律する」

ということですね。

「自分で自分の衝動をコントロールする力」

と言うこともできます。

残念ながら問題行動を起こす子ども達には
ほぼ間違いなく自律性が育っていません。

なぜか?

それは親御さんが、
0歳のときから始まっている子育てにおいて

「いいよ、できるまで待っていてあげるよ」

という気持ちで
気長に繰り返し教え、
伝えるようなしつけを
してこなかったからです。

親の意思を押し付けたり、
子どものペースを考えて
子育てを行ってこなかったことで
自律性が育まれなかったのです。

自分で自分をコントロールする力を
育たなかったということです。

もしあなたがこの話にピンときた場合は
ぜひお子さんが0歳児に戻ったつもりになって
子育てをやり直してみてください。

お子さんのペースや気持ちを一番に思いやり、
接してあげる子育てを
今日からやり直すことを強くお勧めします。

*********************************************
本日のテーマ
*********************************************

さて、本日は僕、伊藤から
親と子のボタンのかけ違いが
あまりにも悲惨な結末を迎えた悲劇のケースとして
いまでも僕の心の奥に深く刻まれている話を
ご紹介します。

唐突ですが、
生きる力って何だと思いますか?

生きる力はどこから、
誰によって与えられたものなのでしょう?

特に子どもの場合は・・・

なんてことを考えていると、
いつも
ある家族の話を思い出します。

その家族は
両親と2人の男の子がいる
4人家族でした。

2人の男の子のうち
兄の名前は薫(仮名)です。

弟は薫と2歳違いです。

僕はこの家族と直接関わりが
あったわけではありません。

当時、薬物中毒で面倒を見ていた
子どもの入院先で
同じくそこに入院していた薫と知り合い、
彼から聞いた話です。

僕と出会った時、
薫は16歳でした。

薫は小学校3年生の時に
父親の勧めによって
地域の少年サッカーチームに入り、
サッカーを始めました。

決して下手ではなく
それなりにサッカーはうまかったといいます。

その時34歳だった父親は
自身も学生時代にサッカーをやっていたこともあり、
息子の練習日や試合には
ちょくちょく顔を出していたそうです。

そのうちチームのコーチと
すっかり意気投合し
保護者ではなく
コーチとしてサッカーチームと
関わることになりました。

毎週、休日になると薫は
父と共に練習場に向かいます。

練習場に着くまでは父子ですが
練習が始まれば
コーチと選手という立場になります。

実は薫の家族の崩壊は
父がサッカーチームの
コーチになったことで始まりました。

コーチの父と選手の息子、
この関係は薫が中学年でいる間は
問題ありませんでした。

しかし高学年になったころから
徐々に関係に狂いが生じてきました。

5年生になってしばらくしてから
薫はだんだんとサッカーを休むように
なっていきました。

そのたびに
父親に厳しく叱責され、
薫が練習を休む回数は
増えていく一方です。

サッカーの練習を休みがちになった理由は、
近所に住む仲の良い同級生と
休日に遊びたかったから、
というのが一つでした。

もともと自分がやりたいと希望して
サッカーを始めたわけではありません。

だから休日全てがサッカーで
潰されることになんとなく
嫌気がさしていたのです。

「たまには遊ぼうぜ」

と誘われれば
友達と遊びたい、
そんな思いがあったのです。

もう一つは
コーチとしての父親の厳しさでした。

しかも薫の心の中には

「父さんは僕にだけ厳しい」

という想いがありました。

父の厳しさを象徴する
エピソードとして
薫はこんな話をしてくれました。

試合中、薫が
うまく味方にパスをできず、
ボールがつながらないことが
ありました。

試合が終わった後、
父親はすごい形相で
薫にボールを蹴り込んできました。

そのボールは薫の腹を直撃しました。

蹴り出されたサッカーボールは
薫に大きなショックと痛み、
そして恐怖を与えました。

父親は力を加減して
いなかったからです。

父が怖くなり
薫はその場を走り出して
家に逃げ帰ってきました。

父親が後を追いかけて来ているのがわかって、
玄関に入るなりドアの鍵をかけ、
家に入って来られないようにしました。

父親はドアをドンドンと叩き
大声でこう叫びます。

「ドアを開けなさい!」

・・・つづく。

*********************************************
編集後記
*********************************************

子育てにおいて
重要な要素の一つとして
母性と父性があります。

母性とは過保護的な子育てを指します。

つまり、愛情を注ぎ、
子どもの要求に応える
過保護的な子育てをすることが
母性の役割です。

父性とは過干渉的な子育てを指します。

つまり、社会的ルールなどを教える
過干渉的な子育てをすることが
父性の役割です。

まとめると、
母親が過保護的な子育てをし
父親が過干渉的な子育てをすることが
正しい子育てだということです。

ただし、
父親の役割が過干渉的な
子育てをすることだとしても、
限度があります。

本編で登場した父親のように
サッカーボールをお腹に向かって
思い切り蹴るなんてことは
してはいけません。

そこに愛情は感じられませんよね?

もしかしたら父親にとっては
そこに愛情があったのかもしれませんが、
子どもが愛情を感じられないのであれば
やはりそこには愛情が存在しない
ということになります。

で、この話を書いている時に
もう1つ思い出したストーリーがあります。

『ビリギャル』です。

ギャルの女の子が偏差値30から
慶応大学に合格するまでの実話で、
映画化もされているので
あなたもご存知ではないでしょうか?

物語の中では
主人公の小林さやかという女の子に
注目が集まりますが、
実は彼女には弟がいて
彼にも物語が存在します。

小林家の父親は昔、
プロ野球選手を目指していました。

しかしその夢は叶わず
自営業を営み始めます。

そして
その叶わなかった夢を
息子に託していたのです。

よくある話ではありますが
父親は息子をプロ野球選手に
仕立て上げるために
徹底的に指導します。

半強制的に野球をさせて
痛めつけます。

始めは息子もそれに従い
それなりに楽しみながら
野球をしていました。

しかし、ある日限界がきて爆発します・・・。

その先どうなったのかは・・・
よろしければ映画をご覧下さい。

この物語からも、愛の無い、
子どもの意思を無視した過干渉な育てが
いかに有害かを
感じ取っていただけるはずです。

さて、本日は父親の子育ての話をメインに
お伝えしましたが
あなたが母親であっても
子育ての基本的な考えは変わりません。

究極的に重要なことは

「そこに本当の愛情が存在するのか?」

この一点に尽きます。

*********************************************
読者の方から頂いた子育て体験談
*********************************************

それでは本日も
読者の方から頂いた子育ての
体験談を紹介させていただきます。

本日は
子育て勉強会にも
ご参加いただいたMKさんからの
メッセージです。

ぜひご覧いただき、
あなたの子育ての参考にして下さい。

*******************ここから********************

昨日、伊藤先生主催の
子育て勉強会に参加させて頂きました。

講演の内容は、
とても密度が濃くて分り易く、
教えてほしかったことが満載の
あっと言う間の3時間でした。

特に過保護の具体例はとても参考になりました。

先生のおっしゃるように
子どもの本当の要求を見極めることが
まだまだ私には難しいものですから・・・
過保護の実践が
なかなか出来ないのでしょうね。

ですが昨日のノートを読み返すと
子どもの行動のすべてが線でつながり、
その理由がよく解ります。

そんな気持ちを分かろうともせず
追いつめていただけだ
という事もよく解りました。

これで昨日より深く子どもを理解し
過保護に出来るのではないかと思います。

それから今回の勉強会でも、
自身の未熟さを改めて思い知りました。

私はかなりの過干渉で育てられたので
自律性が弱いのですね。

子どもの自律を目指す前に、
自分の自律をしっかりしなくてはいけないし、
子どもを変える前に
私が成長して変わらないといけないのだと
しみじみ思いました。

というのも、
これまで伊藤先生には
メールでの子育てラジオや
子育てアドバイス、DVDで
いっぱい勉強させて頂きました。

それら一つ一つに対して先生のおっしゃる事が
ようやく本当にわかったと思えた時、
それが無意識に自分の考えになっていた時に、
息子も少しづつ変わってきた様に思えるからです。

日々の変化は少しづつですが、
この1?2年前を振り返ると
劇的に変わったと思います。

家出や非行は全くなくなり
友人が変わり、表情も穏やかで
よく笑うようになりました。

自ら決めた高校は五月雨登校と
不登校の繰り返しでしたが、
1月からは無欠席で、
この残雪の中を自転車で学校に行ってます。

まだまだゲーム三昧で
昼夜逆転は毎週ですが
それでも学校が楽しいそうです。

以前はそれが当然と思っていたので
色々過干渉な事も言いました。

が、今は息子が戦場から帰ってきたような
気持ちで迎えております。

とても口うるさくする気にはなれません。

こんな穏やかな日常が来るなんて
全く想像していませんでした。
凄い進歩だと思います。

伊藤先生には感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございます。

そんな感謝の気持ちを
直接お伝えしたかったのですが、
先生の前では声が出ませんでしたので(笑)
メールを送らせていただきます。

今後ともどうか宜しくお願いいたします。

*******************ここまで********************

MKさん子育て勉強会へのご参加
ありがとうございました!

またメッセージをいただきまして
本当にありがとうございました。

当日は大きな学びを得ていただいたようで
大変嬉しく思います。

>>特に過保護の具体例はとても参考になりました。

過保護の具体例などは、メルマガなどでは
お伝えしきれない部分でもありますので
参考にしていただけることが
たくさんあったのではないかと思います。

正しい子育ては1つしかありませんが、
環境や状況によっては
チューニングが必要ですので
ぜひご自身が直面されている状況に合わせて
活用して頂けましたら幸いです。

>>子どもの本当の要求を見極めることが
>>まだまだ私には難しいものですから・・・

お子さんによっては要求を聞くことは
本当に難しいことだと思います。

ただ、

>>家出や非行は全くなくなり
>>友人が変わり、表情も穏やかで
>>よく笑うようになりました。

という状況であれば
間違いなく
過保護な子育てができている状態です。

不登校も解消されていますし
本当に素晴らしいことです!!

2年間、MKさんはたくさん勉強されて
できることをコツコツやられてきたことでしょう。

ぜひMKさんご自身を褒めてあげてくださいね。

改めまして、貴重なメッセージを
いただき、ありがとうございました!

「劇的に変化した」

と言って頂けて
心から喜びを感じております。

また何か動きがありました際には
ぜひご一報くださいね。

**********************************************

「子育てにおいて何が大切なのか?」

ということを考えたとき、
最初の出発点は

「気づく」

ということです。

何が間違っているのか、
何が原因なのか、
そういったことに気づくことが
正しい子育ての出発点です。

MKさんはこの2年間
きっとたくさんのことに
気づかれてきたのだと思います。

そしてその1つ1つを行動に移し
不登校という大きい問題を解決されました。

あなたはもしかしたら今、
何をして良いのか
分からない状態かもしれません。

『どうしよう』

と戸惑っているかもしれません。

そんな時はぜひ1つでも
多くの情報を手に入れてください。

そして気付いてください。

何が正しくて
何が間違っているのか?

情報収集の際は、
このメルマガや、DVD、
無料配信している子育てラジオを
ご活用いただければ幸いです。

特にDVD、
『伊藤幸弘の不登校・ひきこもり解決DVD』は、
僕が数十年かけて得た子育ての知識と
経験が詰め込まれています。

万が一お役に立てなかった時の
返金保障制度もございます。

ぜひご覧いただき、1日でも早く
お子さんの問題を解消することに
お役立てください。

https://futoukou365.com/dvd/16/

さて、次回は
薫のエピソードの続きをお伝えします。

あまりにもショッキングな話なので
正直書くこともためらわれるほどですが、
家庭崩壊が何をもたらすのか、
リアルな現実をあなたにお届けします。

ぜひ次週もご覧下さい。

そして最後に、1つお礼をさせてください。

いつもメッセージを送っていただき
本当にありがとうございます。

このメルマガはこちらから一方的に
配信させていただいているものです。

ですから、どのような方が
どんな顔をして読んで下さっているのか
その実情を正確に把握することはできません。

「ちゃんと読んでもらえてるのかな?」

「ちゃんと伝わっているのかな?」

といつも考えながら
書かせていただいています。

そんな中、メッセージを頂けると、
メルマガを読んでくださる方がいること、
そしてお伝えしたことを実践され、
状況が少しでも好転された方がいることを
知ることができて本当に嬉しく思います。

どうぞこれからも
メッセージをお願いいたします。

文字だけのコミュニケーションではありますが、
文字には計り知れない力があると信じています。

あなたの人生、そしてお子さんの人生が
少しでも良い方向に進むよう
これからもしっかり書いてまいります。

それでは、本日も最後までご覧下さいまして
ありがとうございました。



まだメルマガにご登録されていない方は、下記よりお申し込みができます。
この他にも不登校やひきこもり役立つ情報を随時発信しております。
下記フォームよりお申し込みください

メールアドレス【必須】
お名前【必須】

※ご記入頂いた個人情報は、メールマガジン配信やセミナー情報など、その他弊社のからの不登校解決のご案内のみに使用させていただくものです。どんなことがあってもあなたの情報を第三者にはわたしません。詳しくはプライバシーポリシーをご覧下さい。 ※ご登録後も「いならい」「役に立たない」と思ったら、ワンクリックで配信解除ができます。お金は一切かかりません。あなた自身の目で内容をご確認下さい。
guest
0 Comments
Inline Feedbacks
View all comments

TOP