【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#57 自律性が育つ子と育たない子の唯一の違い
おはようございます。
伊藤幸弘です。
本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。
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前回のおさらい
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前回は、前々回に続き
挨拶について深くお話させてもらいました。
大学で講義をされている佐々木先生が
今、挨拶ができない大学生が多い
という話をされました。
なぜ挨拶ができないのか?
それは
自分から挨拶をしたときに
拒否されることを恐れているからです。
挨拶とは、
相手を信頼している、
受け入れているということを
表明する行為ですが、
もし自分から挨拶をして
受け入れてもらえなかった時に
心が傷つくことを恐れているのです。
ですから逆に
相手から声をかけてもらえると安心するのです。
そして大学生に限らず、
私が見ていても多くの子どもに
「相手から受け入れられている
ことがわからない限り
相手に心を許せない」
という傾向が見られます。
でもその原因は明らかです。
0?6歳の幼児期の子育てにおいて
しっかり愛情を受けていなかったからなのです。
ですから
何度もお伝えしていることではありますが、
・子どもが挨拶ができない
・子どもが問題行動を繰り返す
という親御さんは
幼児期に戻ったつもりで
愛情を注ぎ直すということが必要なのです。
さて、本日は
テーマが変わります。
“自律”
についてお話をしていきます。
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本日のテーマ
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「じりつ」
という言葉には二つの字があります。
ひとつは
「自立」、
そしてもう一つが
「自律」です。
「自立」については
今までのメルマガの中でもたくさん触れてきました。
今日は
「自律」について
お話していきたいと思います。
さて、「自律」というのは何かと言えば、
読んで字のごとく
「自分を律する」ということです。
「アイデンティティ」の概念を提唱したことで知られる
アメリカの著名な心理学者、
エリク・H・エリクソンの言葉を借りれば、
「自分で自分の衝動をコントロールする力」
すなわちセルフコントロールのことです。
この自律性が欠けると
自分で自分を信じる力を持つことができません。
大きくなった時に自分で物事を決定する
判断し行動する、といったことができず
成り行きまかせや
時間による解決だけを待つような生き方しか
できなくなります。
また自分で自分をコントロールできませんから、
些細な事ですぐにカッとなったり
衝動的にふるまったり、
あるいは人の顔色ばかりを気にしてしまったり
神経症的な行動を取ったりする
人間にもなってしまいます。
思春期になってから荒れる、
不登校やひきこもりになるなども
自律性が育っていないことが
原因と言って良いでしょう。
「自律性」は、このように、
人の中で自分らしさを出しながら生きる
人との信頼関係を築きながら生活する
その中でとても大切で、重要な役割を果たしています。
つまり自律性というのは
「自立」にも繋がっているわけです。
この自律性を育てる時期は
1歳半ぐらいから
もっとさかのぼれば0歳の時から
始まっていると言えます。
例えば子どもが
1歳半になるあたりから
しつけというものが徐々に始まります。
「お外に行くときは裸足はダメよ」
「手づかみじゃなくてスプーンを使って食べようね」
「おしっこやうんちはここでするのよ」
こうしたしつけを通じて育まれていくのが
自律性なのです。
そして、しつけをする時に
親がどのような気持ちで子どもと接するかが
自律性のある子に育つかどうかどうかの
鍵を握っています。
「早く靴を履きなさい」
「おしっこが出るまで立っちゃダメ」
このようなしつけ方法は、
親からの強制によるものですから、
他律的なしつけになります。
このしつけでは、
子どもの自律性は残念ながら育ちません。
「いいよ、できるまで待っていてあげるよ」
という気持ちで
気長に繰り返し繰り返し教え、
必要な事を伝え、できるまで待つしつけ。
できる時期はあくまで子どもに任せ、
決めさせてあげるしつけこそが
自律性を育み、
自分で自分をコントロールする力を育てるのです。
また、しつけを上手に行っていくためには
乳児の頃から十分に親に保護された経験が必要です。
自分の衝動をコントロールする力というのは
人を信じる力、
自分を信じる力が育っていない子どもには
育てられないのです。
子どもが喜ぶことをたくさんしてあげるほど、
子どもは人を信じる力と
自分を信じる力を大きくしていきます。
これが基礎に無いと
しつけもうまくいきません。
ですから、
自律性を育てる時期は
さかのぼれば0歳から
始まっていると言えるわけです。
乳児の時から
子どもの望むことをたくさん聞き入れてあげること。
そうすれば親の望むことを
聞き入れる準備が子どもの中にできていきます。
親が強制をしなくても自然と
子どもにしつけが身についていきます。
保護をしてあげれば干渉もし易くなります。
子どもの側からすれば
依存が十分できるほど
自律に向かってゆく力がついてくる
ということなのです。
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編集後記
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子どもには個性があります。
また、それぞれのペースというものがあります。
早く言葉を覚える子もいれば、
時間がかかる子もいます。
早くオムツを卒業できる子もいれば
オムツがなかなかとれない子もいます。
ある年齢を越えると
全員の子どもが必ずオムツを卒業できる
というわけではありません。
それなのに・・・
「3歳になったらこれができないといけない」
「幼稚園に入る頃にはこれができないといけない」
といった感じで
年齢で子育てを考える親御さんが
たくさんいらっしゃいます。
親御さんがお子さんに対して
「こうあるべきだ」
と決め付けてしまって
それに沿った行動をさせようとするのです。
あなたはどうでしたか?
お子さんが幼かった頃、
そのように考えて子育てをしていませんでしたか?
他のお母さんの話を聞いて
「ヤバい、うちの子は遅れてる」
と思って焦って子育てを
するようなことはありませんでしたか?
そしてお子さんを
無理やり焦らせて
あれこれと色んなことを
強要するようなことは
無かったでしょうか?
「もっと早くやりなさい」
「◯◯ちゃんはもうできてるよ」
と言って他の子と比べた事はありませんか?
もし、心当たりがあるとしたら、
今からでも全く遅くありませんので
もう一度幼児期に戻ったつもりで
子育てをやり直しませんか?
お子さんの個性をしっかり認めてあげて、
じっくり待ってあげる子育てを
もう一度始めてみませんか?
お子さんの自律性を育むような本物の子育てを
今日からでも始めてみてください。
大変だということは
重々承知しています。
一朝一夕にはうまくいかないでしょう。
お子さんが何を求めて何を望んでいるのか?
全く分からずに途方にくれる
ようなこともあるかもしれません。
あなた自身がどうしても我慢できずに
イライラしてしまうこともあるでしょう。
しかし、
愛するお子さんのためです。
ぜひ辛抱強くお子さんと向き合ってください。
必ず解決の芽は見えてきます。
このメルマガを通じて応援させていただきますので
一緒に頑張っていきましょう。
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読者の方から頂いた子育て体験談
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さて、それでは本日も
読者の方から頂いた子育ての
体験談を紹介させていただきます。
子育てラジオにも
ご相談を寄せていただいたお母さんです。
できることをコツコツと実行し、
そして少しずつ結果を出されている方です。
ぜひご覧いただき、
あなたの子育ての参考にして下さい。
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いつも、メルマガありがとうございます。
メールがくるたびに私も勇気づけられます。
小6の息子が、去年の夏休み明けから、
いじめが原因で不登校になりました。
伊藤先生の子育てラジオでも
相談させていただきました。
あれから、
一歩も外に出ず髪も伸ばし放題ですが、
家族全員で優しく見守っています。
しばらくは
「死にたい」
「俺なんか居なくてもいい」
などと言っていましたが、
今はそれほど聞かれなくなりました。
そして、
「あれが食べたい、飲みたい」
と言えば
すぐに買ってきてあげたり、要望に応えています。
最近では、目標を立てようと提案したり、
この前は
「お母さん、外に出たい」
と言いました。
私は嬉しくて
「いいよ、行きたいところに
連れて行ってあげるよ」
と返事しました。
徐々にではありますが、
前向きになってきているのかなと思います。
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貴重なメッセージをありがとうございました。
いつもこのメルマガをご覧いただいている
ということで非常に嬉しいです。
お役に立てていましたら幸いです。
>家族全員で優しく見守っています。
とありましたが、
ご家族みなさんで協力して
解決していく環境があることは
本当に素晴らしいことだと思います。
やはりご家族の協力があるかどうかは
非常に大きな要素ですので
解決もその分早くなるはずです。
>「いいよ、行きたいところに連れて行ってあげるよ」
というお返事も素敵ですね。
ぜひお子さんと楽しい時間を大事にしてください。
今の行動を続けていけば
親子の関係性は必ず良くなります。
メルマガを通じて
応援させて頂きますので
希望を持って過保護な子育てを
続けていきましょう。
改めまして、
貴重なメッセージを
ありがとうございました。
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本日紹介させていただいた
メッセージをご覧になって
あなたは何を感じましたか?
参考にしていただける部分も
あったのではないでしょうか?
「いいよ、行きたいところに連れて行ってあげるよ」
正しい子育ては
お母さんのこの言葉に凝縮されていますよね。
『お子さんの要望を聞いてあげる』
これに尽きます。
もちろん子育てには
色々な事情が複雑に絡み合っていますので
なかなか一筋縄ではいかないことも
多いかと思いますが、
迷ったときはいつも
『お子さんに聞く』
です。
この事を忘れないで下さい。
さて、次回は
あるご家族のお話を紹介させてもらいます。
親と子のボタンのかけ違いが
あまりにも悲惨な結末を迎えた悲劇のケースとして
いまでも私の心の奥に深く刻まれている話です。
ぜひ次週もご覧下さい。
そして最後に、1つお願いをさせてください。
もしあなたの子育てにおいて
喜ぶべき出来事がありましたら
このメールへの返信で
メッセージを頂けないでしょうか?
もちろん私のためではありません。
子育てに悩み、迷われている親御さん方のために
ぜひこのメルマガで情報を
シェアさせて頂きたいと思っております。
どんなことをしたら
どんなことが起こったのか?
あなたのリアルな体験談を
ぜひ教えていただけましたら幸いです。
あなたがシェアしていただくことで
救われる親御さんが必ずいらっしゃいます。
あなたからの貴重な体験談を心待ちにしております。
それでは、
本日も最後までご覧下さいまして
ありがとうございました。
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