【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#159 「ジュース持って来い」にどう対応する?

2018-03-08

こんにちは、伊藤です。

本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。

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前回のおさらい
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前回も元鑑別所所長の奥村晋氏と
私の対談の内容をご紹介しました。

前回は

「本音が言えないのは自信がないから」
「子どもの自信は親が作るもの」

というお話しでした。

「親の前で何を言っても大丈夫」

「何をしても親は自分を見捨てない」

「何をしても親は自分の味方だ」

という安心感が子どもにあれば、
何でも本音で話せるようになります。

家庭で自信をもって本音で話せるようになると
今度は友達や先生、他の大人たちと接すると時も
きちんと自分の本音が話せるようになります。

お子さんに「愛情」という
安心感を与えてあげてください。

それでは、本日も対談の続きをお届けします。

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まずはあなたが本音で話しなさい
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■伊藤:

一昔前までは、中2で非行が始まり、
中3の終わり頃には完成するというのが
普通だったのですが
今では中学2年生になると完成しています。

そういう子に聞くと、

「鑑別所なんて怖くない」

「鑑別所に行っても更正はしない」

と言うんです。

これはどんな感覚なのでしょうか?

◆奥村:

私が今、相談を受けている子も
中2なんですが、やはり

「鑑別所なんか怖くない。
どうせすぐ出てこられる」

と考えているようです。

そして、自分が裁判所に行った時の
模擬演習までやっていたりします。

裁判官、調査官役の子がいて状況を教えたり、

「裁判官がこう言ったらこう考えろ」

などと先輩が教えているんです。

遊び感覚なんです。

我々が一生懸命勤めている
公的機関や少年法までもが
彼らにとっては遊びなんですね。

■伊藤:

私たちのころは
鑑別所って怖かったですよ。

◆奥村:

私が鑑別所の所長をしている時は
たとえ自分の子が鑑別所に入ることになっても
いいような鑑別所を作るのが理想でした。

清潔さや規律・教育方針、
スタッフをはじめ少年少女たちの管理方法まで
きちんとした鑑別所

そんな理想の鑑別所が一度はできたつもりでした。

ですが、そうすると

「鑑別所はいいところ」

と思われてしまい、

「鑑別所はこわい」

という印象がなくなり
本来の使命も失うことになるんです。

■伊藤:

やはり「怖さ」は必要ですよね。

◆奥村:

そうですね。

反省の気持ちをなくし、
ゲーム感覚で入って来られるようでは
困りますからね。

非行少年が本物の悪人になってしまう前に、
鑑別所に入る前には「怖い場所」だから
行かなくて良いように悪いことはしないでおこう
という印象を持たせ、
入った後もしっかり反省できるような環境を整える
必要があると思います。

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編集後記
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本日は「鑑別所」についてのお話でした。

メルマガ読者の大半の方は
鑑別所には縁が無いかとは思います。

しかし、

・怖いはずの鑑別所すらゲーム感覚

・こう言われたらこう答えれば良い

そんな子どもたちの話を聞くと、
家での我が子の姿を思い出される方も
いるのではないでしょうか?

・親がいくら怒っても反省しない

・口ばかりで行動が伴わない

%%NAMESei%%さんの
お子さんはいかがですか?

この鑑別所の話は、
今の子どもたちが何を考えているのか、
その実態を理解するのに
役立つ内容だったかと思います。

この話のポイントは、物事には
「バランス」が大切だということです。

奥村氏は、

「たとえ自分の子が鑑別所に入ることになっても
いいような鑑別所」

を目指されました。

一方、反省がなければ更正もなく
ただ居心地の良い場所では意味がないため
鑑別所には「怖さ」も必要と話されています。

そのバランスをうまく保ち
鑑別所の役割を果たしたいということです。

これは家庭で子育てをする際にも
大変参考になる考え方です。

「過保護」に接し、
明るく楽しい家庭を築く一方で、
言わなければいけないことはしっかり言う
注意しなければいけないところはしっかり注意する

そのように置き換えて考えると
わかりやすいかと思います。

社会でも家庭でも「バランス」が大事ということです。

このバランスがうまく取れているかどうか、
ご家庭を振り返ってみてください。

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さて、本日は、【子育てラジオ定期便】の
内容を特別に紹介させていただきます。

今回は、

『保護と過干渉の考え方』

についてフリートークをした内容の一部を
ご紹介いたします。

私は毎年、講演会を開催しており、
多数の方にご参加いただいています。

講演会では無記名でアンケートを実施していまが、
講演会の内容について質問される方が多いので、

「これは他の人にも知ってほしい」

と思う内容については、
子育てラジオなどで回答するようにしています。

今回のご質問も講演会のアンケートでいただいた
ご質問に対する回答です:

・「思春期の過干渉はいい」と講演会で言われましたが
 それはなぜですか?

・良いワガママと悪いワガママの見極めが難しい

・あまりに偉そうに「ジュースを持ってこい」
 とか要求されるとこちらも疲れてしまいます。
 どのように対応したらいいですか?

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ここでは最後のご質問にお答えしましょう。

この質問をされた親御さんはお子さんに

「ジュースを持って来い」

と偉そうに言われたらどう思うのでしょう?

私なら、ムカっとします。

もし、あなたも「ムカっ」とするのなら、
ムカっとすれば良いと思います。

「持ってきてほしい」と頼まれるのであれば
持って行っても良いでしょう。

しかし、

「持ってこいと命令するのなら持っていかない」

と毅然とした態度で言えば良いのです。

これは、人間関係を成り立たせるためには
ごく自然なことですよね。

お子さんが不登校やひきこもりなどになる前は、
普通にこのような受け答えができていたと思います。

でも、今は、それができなくなっています。

たかがジュース一つ、
子どもに渡すことについても悩んでしまう
そういう方はとても多いのです。

「子どもの要求を受けることが過保護」

「だから理不尽な頼まれ方をしても
笑って要求を受けなければいけない」

「そんなことまでしないといけないの?」

と考えてしまうからでしょう。

「子どもの状況を悪化させたくはない」

「なんとか親子の関係を良くしたい」

という気持ちがこのような不自然な
質問として表れるのだと思います。

しかし、家庭に不自然なものがあったら、
そこで親子の信頼関係は成り立ちません。

ごく普通の感覚で接していただければ良いのです。

もう少し詳しく知りたい方、
他の質問の回答も知りたい方は、
ぜひ『子育てラジオ定期便』の本編を
参考にしてください:

  ↓

https://futoukou365.com/radio/

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読者の方から頂いた喜びの声
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続いて、DVD、メルマガ、
子育てラジオ定期便などをご覧になり、
状況を改善された読者の方の
喜びの声をご紹介します。

今回はTAさんから、

「子どもが求めているのが愛情だったと気付いた」

とメッセージをいただきました。

愛情を注ぐことを心掛けた結果
お子さんが全く荒れなくなったそうです。

ぜひご覧ください。

*******************ここから********************

小3の子どもの怒りに悩んでいました。

まだ暴力とは呼べない程度ですが、
怒りだすことが多く、
物を投げたり、私を叩くことがありました。

子どもの荒れ様に悩んで、いろいろなサイトを探したり、
本を読んだりしました。

伊藤さんのサイトの話が一番具体的で
解決の予感がしました。

他のものは、具体的な対処法は書いていません。

伊藤さんは「じゃあ、どうすればいいの?」
ということに答えてくれています。

実践してみて、子どもが求めているのが
「愛情」だったとわかりました。

親から見るとそんなの当然すぎて、
与えているつもりでしたが、
やりかたが良くなかったんだと思いました。

とりあえず2年間と目標と決め、
自分の欲望(飲み会やテレビや買い物など)は全てやめ、
子どもと過ごすことにしました。
抱っこし、一緒に遊び、笑顔で接して
イライラしないよう気をつけました。

また、宿題や支度などは本人に任せるようにしました。
すると、自分から宿題、支度などの時間配分をして
できるようになりました。
テーブルの後片付け、布団敷きなども、
たまにやってくれるようになりました。

また、全く荒れなくなりました。
今は学校もお友達ともうまく行ってます。

まだまだ先はわかりませんが、
このまま頑張って行こうと思ってます。

*******************ここまで********************

TAさん、
貴重なメッセージをいただきまして
ありがとうございました。

状況が改善して本当に良かったです。

また、色々なサイトを比較された結果、
私の子育て法を信じて
実践していただき嬉しく思います。

「愛情を与える方法が間違っていた」

ことに気付かれたことは大きな収穫ですね。

ご自身の考えや行動を客観的に判断するのは
そう簡単なことではありません。

お子さんも嬉しかったことでしょう。

いずれ本当の意味で
お子さんが自立する日が訪れると思います。

その日までぜひ引き続き、
愛情を注ぎ続けてくださいね。

改めまして、
貴重なメッセージをありがとうございました。

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我が子に愛情をかけない親はいません。

しかし、残念ながら
愛情のかけ方を間違えている親はたくさんいます。

間違えたやり方では
子どもに愛情は伝わらないのです。

簡単な例を挙げてみましょう。

「勉強ができないと将来困る」

と心配するあまり塾や家庭教師と、
子どもの自由が無くなるくらい
勉強ばかりさせていたら、子どもは

「いっぱい愛してくれてありがとう」

と思うでしょうか?

親にとってはこれも愛情です。

しかし子どもは勉強させられるだけでは
とても愛情を受け取っているとは思えないでしょう。

子どもの望んだことを望んだ通りにかなえてあげる
それが「過保護」であり、「愛情」です。

TAさんは、

>自分の欲望(飲み会やテレビや買い物など)は全てやめて、
>子どもと過ごすことにしました。

と書かれています。

これはとても素晴らしいことです。
なかなかできることではありません。

「そこまではできない」

と思われた方もいらっしゃるでしょう。

しかし、大事なのは、
お子さんと過ごす「時間の長さ」ではなく、
「過ごし方」なのです。

短い時間でも、きちんとお子さんと向き合い、
接し方を変えることができれば、
時間が短くても効果は期待できます。

お仕事をやめる必要もなければ、
自分の好きなことをやめる必要もありません。

ですが、もし、

・なかなか自分を変えられない
・自分に余裕がない
・どう接すればいいのかわからない。

と思われている方は、
まずは、お子さんと過ごす時間を増やす

これだけでも効果は期待できます。

ぜひ試してみてください。

本日も最後までお読みいただきまして
ありがとうございました。

あなたが抱える問題が解決することを
心から願っています。

PS:

これまでの講演会の内容を
スマートフォンなどで視聴できる動画として
販売しています:

https://futoukou365.com/user/m_list/

今回、子育てラジオでご紹介した
講演会の概要は下記からご覧いただけます:

https://futoukou365.com/user/sp_kouen170624/



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ひろこ
ひろこ
2018年3月9日 3:45 PM

助けてください


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