【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#125 非行少女が手記で明かした変化のきっかけ

2017-07-06

こんにちは。伊藤です。

本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。

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前回のおさらい
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前回は、英二が本来の自分を
取り戻してゆく過程をご紹介しました。

高1の英二は、
気は優しく、おとなしい性格で
周りにもよく気を配る少年でしたが、
父親の過干渉によりストレスをため、
台所から包丁を持ち出し
父親に襲いかかったのです。

この事件を機に
英二は私の家で
暮らすようになりました。

英二が私の家で暮らし始めてから
しばらく経ったある日、
偶然出くわした火事の現場で
おばあさんを助けたことをきっかけに
英二は変わります。

「おれ、親父のところで働きたい」

と言い出しました。

英二が本来の自分を
取り戻した瞬間でした。

過干渉や愛情不足から
問題行動を起こした子どもも
愛情で満たされることにより
本来の自分を取り戻すことができると
お分かりいただけたことと思います。

さて、英二のような問題行動を解決するためには
まず子どもの気持ちを理解する必要があります。

そこで、今週から
子どもの手記を紹介させていただきます。

はじめにお断りしておきますが、
誤字脱字を除いて
あえて一切手を加えずにお届けします。

それは、子どもたちの感情を
できる限りリアルに感じていただくためです。

今週は、19歳少女の手記です。

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大事故で気づいた愛
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私は今年で
19歳になります。

両親と兄の4人家族の
平凡な家庭で育ちました。

私が保育園のころから両親は共働きで
家に帰ったら1人で過ごす時間が多く、
少しずつ家にいることが嫌になりました。

小学6年生の頃から
親と顔をあわせると口喧嘩になり
両親のことが嫌になりました。

「今までいつでも
1人で行動してきていたのに
どうして今ごろになって
親から命令されなければいけないの?」

という気持ちでいっぱいでした。

「自分のことをほっといてほしい」

という気持ちでした。

中学生になって
友達の家に泊まることが多くなってきたとき、
初めて父から殴られました。

その時に父が、

「人の家で飯食べてばっかりで
世間からどんな目で見られているのか
お前は分かっているのか?」

と言いました。

私はその一言を聞いた時、
すごくショックでした。

結局、世間体のことばかりで、
私のことは何も考えてくれていない。

そのことから、
本気で親のことを信用することができなくなった。

それから、
煙草、飲酒、窃盗、無免許運転など
するようになりました。

私と同じ気持ちの友達と過ごす時間が
私にとって一番の安らぎでした。

いつも同じ仲間といっしょにいて
毎日のように警察と顔を合わせ
どんなに世間から白い目で見られていても
私にとっては
すごく大切な友達だった。

どんなにツッパっていても
すごく心の中は素直で温かくて
お互いの気持ちを分かり合えて
一緒に悩んだり、泣いたり、笑ったり、
いっしょにいてとても楽しい生活だった。

そんなある日、
私は友達と単車で夜ツーリング中、
車と衝突し大事故を起こしてしまった。

車とぶつかったことは
ぜんぜん覚えてなく、
気がつくと病院だった。

救急治療室から出てくると
両親や友達が茫然と立っていた。

そのまま病室に入り、
事故のことを思い出そうとする自分と、
両親に申し訳ない気持ちの自分、
友達の生命が気になってたまらなかった。

でも両親には素直に言葉で
謝ることはできなかった。

一緒に乗っていた友達は
足は手術したけど、
生命には別状なくて、
私は少し「ほっ」とした。

私は両足を骨折し、約2ヶ月
病院のベッドの生活だった。

でも交通事故になって良かったと思った。

両親のありがたさ、
自分を支えてきてくれた人の大きさが分かった。

今まで自分がしてきた行動など、
ゆっくり考え、
少しずつ反省することができた。

つづく

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編集後記
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今回の手記で最も注目していただきたいのは

「結局、世間体のことばかりで、
私のことは何も考えてくれていない。
そのことから、
本気で親のことを信用することができなくなった。」

という箇所です。

この点が
子どもの問題行動を引き起こす
最大の原因といって良いでしょう。

子どもは

「人(親)を信じられない」

と思った時から挫折し、
道を間違えてしまいます。

「一番愛情を注いでくれるはずの親から
愛情を注がれていない」

と気づいたとき、自信を失います。

今までの自分をすべて
否定してしまいます。

そこで、非行に走る子もいれば、
ひきこもりになる子もいます。

ただ、逆に言えば

「親を信じられる」

と思った時には、子どもたちは
立ち直ることができるのです。

この少女は、
事故に遭った自分を心配している両親を見て、
実は自分が愛されていたと気づいたことで、
親を信じられるようになり、
立ち直り始めたのです。

あなたのお子さんは
あなたのことを信じていますか?

「子どもから信じてもらえるには
どうしたら良いのか」

今一度、考えてみてください。

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読者の方から頂いた喜びの声
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続いて、
読者の方からいただいた喜びの声を
紹介させていただきます。

今回は、MSさんのメッセージの
後編をご紹介します。

メッセージの前編では、
中学3年生の息子さんが
約1年半ぶりに一緒に学校に挨拶に行けた、
というお話でした。

もともと息子さんには
ADHD(注意欠如多動性障害)の
傾向がありました。

また、ご両親の離婚も経験し、
息子さんの性格と環境が悪く影響して
荒れてしまったようです。

そこから一つの進歩が見られるまでの
過程を細かく書いてくださいました。

前編では、一緒にアニメを観たり
「過保護」を実践されていました。

今回は、
実際に息子さんが前進された時の
様子を紹介してくださいました。

*******************ここから********************

中学1年の夏休みから不登校になりました。

環境を変えるため、
不登校の状態で転校はしたものの、
そのまま一度も学校に顔を出すことなく、
1年以上が経っていました。

以前より

「一度は顔を見せに来てほしい」

「校長先生も顔も知らないような子を
進級させることはできないんだよ」

と言われていたので、
3月なら私も仕事がないので、

「いつでも一緒に行けるよ」

と長男に伝えていました。

春休みに入り、
私もあきらめていたのですが、
長男から学校に顔を出すようなことを
少し言い出しました。

ただ、学校以外の外出でさえ、
今までも「行く」と言っては結局行かないという
ドタキャンを繰り返していたので、
正直、学校というハードルの高いところへ行けるかどうかは、
ギリギリまでは分からない、と思っていました。

ドタキャン覚悟で、
「少しでも学校に向けて進めたらそれで良い」
という思いで、
先生方にも「その時は対応をお願いします」
と伝えていました。

そして3月もあと3日で終わる
というギリギリになって、
髪を切りに行った帰りに
そのまま学校に行くと長男から言い出しました。

私もその場で学校に連絡し、
そのままの勢いで学校に
顔を見せに行くことができました。

最初は、校門付近に部活動の生徒たちがいるのを見て、
しり込みした長男が

「やっぱり後にしよう」

と言ってきましたが、少し待って、
生徒たちがいなくなるのを見計らって、
校舎の中に入れました。

その後は先生や校長先生と少し会い、
生徒のいない校舎の中を案内してもらいました。

本人がその気になるまでは
かなりの時間がかかる上に、
いざ行動へ移るまでも、
何度も空振りされてきました。

でも勇気を出して、
まず一歩踏み出せたことは、
とてもすごいことだと思い、
校長室で涙が込み上げてしまいました。

これから先どうなるのか、
まだまだ不安もいっぱいありますが、
まずはお礼を兼ねて
ご報告させていただきました。

そして伊藤先生はじめ、皆様のサポート、
とても感謝し、頼りにしております。

これからもアドバイス等よろしくお願いいたします。

*******************ここまで********************

MSさん、貴重なメッセージを
ありがとうございました。

普段の外出も難しいお子さんが
「学校」というハードルの高いところに
行けたのは本当にすごいことです。

ましてや、転校されて

“初めての学校” 

です。

どんなお子さんでも転校して
初めて学校に行くときは、
緊張したり不安になったりするものです。

それを、実際に校舎に入ったのは
大きな勇気の必要な行動だったはずです。

素晴らしいですね。

>最初は、校門付近に部活動の生徒たちがいるのを見て、
>しり込みした長男が

>「やっぱり後にしよう」

と言われた時には、お母さんもドキドキされたでしょう。

そのまま帰ったほうがいいのか?
それとももう少し頑張らせた方がいいのか?

迷ったことと思います。

「少し待つ」
「ドタキャン覚悟」

とお母さんが大らかに構えていたことで
息子さんもプレッシャーに感じることなく、
良い結果につながったのでしょう。

素晴らしい第一歩です。

これからもまだまだ色々とあると思います。

一歩進んで二歩下がるような時も
あることでしょう。

ですが、この日の感動を忘れずに、
「過保護」を続けていれば
必ず息子さんは回復して
前進していきます。

頑張ってください。

改めまして
素晴らしいご報告をありがとうございました。

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感動的なエピソードでしたね。

お子さんの勇気に心を打たれた方も
多いのではないでしょうか?

あなたのお子さんも勇気を持って
一歩を踏み出せる日がきっと来ます。

そのためにあなたがすべきことは
お子さんに自信を与えることです。

お子さんに自信を与えるためには
まず、あなたがお子さんを信じ、
そして、本物の愛情を与えることです。

世間体を気にしたり、
あなた自身の保身や気持ちを優先せず、
目の前のお子さんの事を第一に考えてください。

そうは言っても、

「不登校やひきこもりでは世間体が悪い」

と思われる方もいらっしゃるでしょう。

そういう方は、大事なお子さんを
前にしたときだけでも結構です。

・あなたが一番よ
・あなたが好きよ

という事を伝えてあげてください。

本日も最後までご覧いただきまして
ありがとうございました。

お子さんの問題が
1日も早く解決することを
心から願っています。

PS:
私がお伝えしていることを実践されて
何か変化はありましたか?

・子どもの態度が変わった
・ついに学校に通えるようになった!

など、「光が見えてきた」という
エピソードがありましたらぜひご連絡ください。

ぜひこちらのメルマガで
他の親御さん方に共有させていただきたいと思います。

どうぞご協力のほどよろしくお願いいたします。



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