【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#124 英二が「俺、親父のところで働きたい」と突然言い出したワケ

2017-06-29

こんにちは、伊藤です。

本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。

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前回のおさらい
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前回は、
英二という高校1年生の男子の
お話をご紹介しました。

気は優しく、おとなしい性格で
周りにもよく気を配る少年が、
父親の過干渉によりストレスをため、
ある日ついにそれが爆発しました。

英二が台所から包丁を持ち出し
父親に襲いかかったのです。

幸いにも父親の傷は浅く
大事にはいたりませんでしたが、
これを機に英二は私の家で
暮らすようになりました。

英二が私の家で暮らし始めてから
しばらく経ったある日、
ある出来事が起こりました。

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子どもは必ず変わる
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私と英二が車で帰宅途中に
信号待ちをしていたら、
70歳くらいのおばあちゃんが
アパートの窓から顔を出し、
こちらを見て手を振っていました。

英二は

「伊藤さん、あのおばあちゃん知ってるの?」

「知らないよ。なんだろうな・・・」

などと話していると、
英二が突然叫びました。

「火事だよ!!伊藤さん!」

よくよく見ると
窓から煙が出ていました。

急いで車をとめ、私と英二は
そのおばあちゃんの部屋に駆けつけました。

英二がおばあちゃんを抱えるようにして
外に連れ出しましたが、
その辺りは家がかなり密集していて

「このままではまずい!」

と直感的に感じました。

そこで私は燃え上がる
石油ストーブを外に放り出し、
火が燃え広がろうとしていた
カーテンを引きちぎりました。

英二が

「家事だぞ」

と叫び続けたことで
近所の人たちも駆けつけてきて
バケツで水を運んだり、
家庭用のホースを持ってきて
消火活動を手伝ってくれました。

見ず知らずの人たちが
火事を消そうと
必死に手伝ってくれている姿を見て

「人間って捨てたもんじゃないな」

と思いました。

そうこうしているうちに
消防車とパトカーも到着し、
無事に火は消し止められました。

消防署員と警察官は、
家主のおばあちゃんに

「出火の原因は?」

などと、根掘り葉掘り質問します。

ところが、おばあちゃんは
気が動転してしまい、

「すみません、すみません・・・」

を繰り返すことしかできません。

それを見た英二は

「おばあちゃんが怯えているじゃないか!」

「もっと年寄りのことを考えろよ!」

とおばあちゃんを守るように言いました。

それを見ていた私も
消防署員も警察官も仕事なのは分かりますが、
おばあちゃんがもう少し落ち着いてから
事情聴取をしてもいいのにと思いました。

警察官は

「なんだこいつは?」

という態度で
英二をにらみつけています。

英二は、

「まったく、
おばあちゃんの身にもなってみろよ・・・
ねえ伊藤さん!」

と言いました。

私は

「そうだな」

とだけ答えました。

帰途についた車の中で
英二は満足そうな顔をして
ニコニコしていました。

そして

「伊藤さん、おれ、家に帰ります」

と言い出しました。

火事で人助けしたのを機に
英二の中で、
何かが吹っ切れて、
何かが芽生えたのです。

「おれ、親父のところで働きたい」

と言い出した英二に、
私は「自分の役目は終わった」
と感じました。

つづく

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編集後記
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英二は本質的に優しい子で、
父親からのストレスによって
本来の自分を見失っていました。

しかし、
火事の一件を経て
英二は変わりました。

本来の自分を
取り戻したようでした。

あなたのお子さんも
今は一時的に
本質を見失っているかもしれません。

しかし、
あなた自身が変われば、
そして何かのキッカケさえあれば
ちゃんと元の状態に戻れます。

お子さんが本来の姿を取り戻せるよう
親子関係を改善していきましょう。

そのために親であるあなた自身が変わり
問題の解決に近づくことを願っています。

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読者の方から頂いた喜びの声
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続いて、読者の方からいただいた
喜びの声をご紹介します。

本日紹介させていただくのは
MSさんという方からのメッセージです。

息子さんが約1年半ぶりに
一緒に学校に挨拶に行けた、
という嬉しいご報告をくださいました。

息子さんにはもともと
ADHD(注意欠如多動性障害)の
傾向がありました。

また、ご両親が離婚などの
環境の変化が悪く影響して
荒れてしまったようです。

そんな息子さんに
一つの進歩が見られるまでの
過程を細かく書いてくださいました。

今週と来週の2回に分けてお届けします。

どうぞご覧ください。

*******************ここから********************

いつもメルマガ配信していただき、
ありがとうございます。

DVD購入後もこのような形で
サポートし続けていただき、
何度も考えなおすきっかけをいただいたり、
支えになっていただいたりと、
本当に感謝しております。

昨日、中一の夏休み以降ずっと不登校だった長男が、
約1年半ぶりに私と一緒に学校に挨拶に行けました。

我が家には4月からは中三になる長男と、
小4になる二男がいます。

元夫とは昨年末にやっと調停離婚が成立しました。

長男が不登校になったきっかけは、
両親の離婚問題が
一番大きなきっかけだったと思います。

また、中学生になっていろいろな点で
周りについていけなくなったこともあると思います。

他にも、
(診断は受けていませんが、グレーゾーンだと思われる)
ADHDの傾向があることや、
多感な思春期の時期に両親の離婚問題により
精神的に追い詰めてしまったことも原因だと思います。

そこに不登校のストレスも加わり、
一時は人が変わったように
ものすごく荒れてしまい、
うつのような症状もありました。

何か月もお風呂に入らず、
髪の毛も伸びたまま、
といった状況が何か月も続き、
怒りの矛先は私と弟に向けられました。

そんな状況を変えるためにも、
環境を変えることを勧められ、
私の実家のある県へと引っ越しました。

引っ越した後も、相変わらずでしたが、
少しずつ一緒に食事をするようになったり、
たまにお風呂に入ったり、
たまに外出したりするようになりました。

でも、ゲーム依存症は相変わらずで、
就寝時間と起床時間はいまだに
グルグル回り続け確立できていません。

今は幼稚化している部分もありますが、
あのひどい状態の時のことを思えば
良くなったなと思います。

アニメがきっかけで
少しずつ変わることができたと
後で長男が教えてくれました。

今は長男のおすすめのアニメを
私に見てほしいとのことで、
私も時間を取って少しずつ見るようしています。

私も今までの過干渉な子育てを反省し、
過保護な子育てへと変わろうと
伊藤先生の勉強会にも
何度か参加させいただきました。

過保護に接することで、
子どもも変わっていくことは
実感できたのですが、
少しならできても、
なかなか過保護を継続できません。

少し過保護にできても、
毎日ゲームばかりして、
生活ペースも一向に改善せず、
好き勝手やっている状態の長男を見て、
「言うだけ言って待つ」の
「待つ」がなかなかできず、
こちらもだんだん「いい加減にして」と
言いたくなってしまうパターンです。

それでも毎週届くメルマガを見て、
また少し思い直すとことの繰り返しです。

つづく

*******************ここまで********************

MSさん
貴重なメッセージをありがとうございました。

MSさんが、必死に変わろうとしている様子が
よく伝わってきます。

そして、約1年半ぶりに
一緒に学校に挨拶に行けたこと、
本当におめでとうございます!

とても大きい1歩ですね。

お母様も一緒に息子さんの好きなアニメを
ご覧になっているのはとても良いと思います。

子どもの好きなものを
親も好きになり一緒に見ることは、
子どもを認め、尊重していることになります。

きっとお子さんはそこからも
安心や自信をもらっている事と思います。

MSさんはメッセージの中で

>過保護に接することで、
>子どもも変わっていくことは実感できたのですが、
>少しならできても、過保護をなかなか継続できません。

>生活ペースも一向に改善せず、
>好き勝手やっている状態の長男を見て、
>「言うだけ言って待つ」の
>「待つ」がなかなかできず、
>こちらもだんだん「いい加減にして」
>と言いたくなってしまうパターンです。

と書かれていましたが、
そのお気持ちよく分かります。

親も人間ですから、いつでも前向きに
お子さんのことばかりを考えて
行動するのは難しいでしょう。

ゆっくりでもいいんです。

無理のない範囲で結構です。

少しずつ、少しずつ
焦らず実践して行ってください。

お母さんの変化と共に
お子さんも必ず成長します。

「いい加減にして」

と思うことも
少しずつ減ってきますので
このまま頑張ってください。

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MSさんが

>子どもも変わっていくことは実感できたのですが、
>少しできても、それをなかなか継続できません。

と書かれたように、
このメルマガをご覧の方の中にも、

・自分に余裕がない
・自分は頑張っているのに
 ダラダラしている子どもを見るのは許せない
・子どもの事を心配しすぎて、
 自分の気持ちが沈んでしまった

など、さまざまな理由で
「過保護」を実践すれば良いと頭ではわかっていても
うまく実践できない、
あるいは、継続できないことに対して、
焦りを感じている方も少なくないでしょう。

でも、焦らないでください。

無理もしないでください。

お子さんを守るはずの親御さんが
倒れてしまって大変です。

少しづつでいいんです。

あなたの「愛情」は
必ずお子さんに伝わります。

MSさんは、

>それでも毎週届くメルマガを見て、
>また少し思い直すことの繰り返しです。

と、このメルマガをきっかけにして
前向きな努力を継続されました。

%%NAMESei%%さんは
いかがですか?

親が明るく、幸せで、前向きでないと
お子さんにも「愛情」がうまく伝えられません。

たまにはお友達と食事に行ったり
長話をするなどして楽しむ時間を作ってください。

スポーツをされるのも良いと思います。

リフレッシュしながら、
心に余裕を持って
お子さんに接していただければと思います。

親が諦めない限り、
子どもは必ず変われます。

回復します。

どうか最後まで諦めずに
問題解決に向けて頑張りましょう。

こちらのメルマガで
引き続き応援させていただきます。

本日も最後までご覧いただきまして
ありがとうございました。

お子さんの問題が
1日も早く解決することを
心から願っています。

PS:

メルマガでお伝えしていることを実践されて
何か変化はありましたか?

「子どもの態度が変わった」

「ついに学校に通えるようになった!!」

など、改善の兆しがみられるような
エピソードがありましたらぜひご連絡ください。

こちらのメルマガで
他の親御さん方に共有させていただきたいと思います。

あなたの体験談が多くの同じお悩みをお持ちの
親御さんの参考となり励みとなります。

どうぞご協力のほどよろしくお願いいたします。



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