【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#123 「ママの子どもで良かった」

2017-06-22

こんにちは、伊藤です。

本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。

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前回のおさらい
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前回は、
英二という高校1年生の男子の
お話をご紹介しました。

気は優しく、おとなしい性格で
周りにもよく気を配る少年が、
父親の一言をきっかけに
豹変しました。

父親は、英二に対して
「テストで良い点をとることは当たり前だ」
と言い、
少しでも成績が下がれば激しく叱り、
ときには暴力をふるうこともありました。

その結果、
英二の胸の中には徐々にストレスが溜まり、
父親の心無い一言についにキレてしまいました。

英二は台所から包丁を持ち出し
父親に襲いかかりました。

幸いにも父親の傷は浅く
大事には至りませんでした。

その後、
私は部屋に閉じこもる英二と対面しました。

包丁を持ったままの英二に

「いい加減目を覚ませよ。コラ!!」

と言うと同時に包丁を取り上げ
英二を強く抱きしめました。

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泣き崩れた母親
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私は、

「怖かったろ、
刃物で人を傷つけるのは怖いことだろう。」

と言い、さらに英二を
強く抱きしめてやりました。

英二は大声をあげて
泣き始めました。

「よしよし、
もう大丈夫だぞ。

英二、風呂に入ろう。

サッパリしようや。」

と言って風呂を沸かし、
2人で一緒に入りました。

私は、英二の爪の中に入っている血を
洗ってやりました。

「お父さんの怪我は
大したことなかったよ。」

というと、すぐ英二は

「すみません」

と謝りました。

「俺に謝ってもしょうがないよ、
親父とお袋に謝ったほうがいいぞ。

まあ若い時は色々あるが
それに負けないのが男というもんだ。

がんばれよ!」

と声をかけてやりました。

風呂からあがった英二は
両親のいる部屋に行きました。

しばらく、沈黙の時が流れた後、
母親が

「英二、ごめんね。」

と泣き崩れました。

その後、

「英二、悪かった。

俺が言いすぎた。」

と父親も謝りました。

英二は黙って下を向いていました。

私は両親に

「今日はひとまず
彼をうちに連れて帰ります。」

と言い英二を家に連れて帰りました。

親子と言えども、時には距離をあけて
お互いを見つめ合うことも大切だと
思ったからです。

それから英二は
2か月ほど私の家に滞在しました。

学校は退学し、
私の家からアルバイトに行き、
休みになるとうちの子どもと一緒に
遊園地に出かけたり、
釣りなどをして一緒に遊びました。

そしてしばらく経ったある日。

私たちが車で帰宅途中に
信号待ちをしていたら
70歳くらいのおばあちゃんが
アパートの窓から顔を出し、
こちらを見て手を振っていました。

英二は

「伊藤さん、あのおばあちゃん知ってるの?」

「知らないよ。なんだろうな・・・」

などと話していると、
英二が突然叫びました。

「火事だよ!!伊藤さん!」

つづく

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編集後記
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包丁の事件をきっかけに
英二は私の家で暮らすようになり、
少しずつ変わり始めました。

英二の両親もまた、
包丁の事件をきっかけに
少しずつ変わり始めました。

このエピソードの教訓は、

「どんな子でも
親からの干渉がひどいと
愛情を感じられなくなり、
包丁を振り回さなければいけないほどに
追い詰められる」

ということです。

このメルマガを機に、
ご家庭での子育てを振り返ってみてください。

お子さんにかける言葉、
お子さんへの態度を見直し、
過干渉になっていないか
ご確認ください。

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読者の方から頂いた喜びの声
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続いて、DVD、メルマガ、
子育てラジオ定期便などをご覧になり
状況を改善された読者の方の喜びの声を
ご紹介します。

本日紹介させていただくのは
KYさんからのメッセージです。

KYさんは過去の過干渉に気づき、反省し、
行動を変えられました。

その結果、不登校だった娘さんが
定時制高校に通われることになったと
メッセージをくださいました。

娘さんが変わる様子をお読みになり
あなたの子育ての参考にしてください。

*******************ここから********************

伊藤先生、いつもメルマガで
貴重なお言葉をありがとうございます。

私の娘は中2の三学期から学校に行けなくなりました。

休み始めたのが学年末試験の前だったので、
最初は勉強が原因だと思い、
学力で自信をつけて、
なんとか学校に戻れたら、と思っていました。

しかし、
学力だけでなく全てにおいて自信が持てず、
自己否定感が強かったのです。

その時ネットで伊藤先生のことを知り、
今やるべきは勉強ではないのかも知れない、
と気付きました。

娘には愛情を注いで育ててきたつもりでした。

小さい頃からいろいろな習い事をやらせ、
走り方教室とか跳び箱教室などにも通わせました。

とにかく苦手なことがあれば、
娘が何かが出来ないことで悲しい思いをしたり
困ったりしないようにという思いでいました。

逆に娘に自信を失わせ、
親の期待に応えられない体験をさせていました。

「どうせ私なんか」

という口癖になり、自己評価を低くさせてしまった
のかもしれないと今では思います。

娘の望んでいないことをやらせ、
親の思いをただ押し付けていたのだと思います。

何事も娘の先回りして、
手を口を出していました。

娘が困らないように!

と思う生活のすべてが過干渉そのものでした。

伊藤先生のメルマガに出会ってからは、
とにかく過保護であることに心がけました。

まず私が不登校を受け入れ、
不登校だろうが大切な娘に変わりはない
と伝え続けました。

欲しがるものは可能な限り何でも買いました。

服や漫画もたくさん買いました。

買い物は私も楽しみ、
漫画も全部一緒に読みました。

ある日、娘が、

「ママはどうして私にそんなに尽くしてくれるの?」

「ママの子どもで良かった。」

と泣きながら言ってくれました。

改めて、幼い頃からの
無条件の愛情が足りなかったことを痛感しました。

中3で不登校は克服できませんでした。

不安や自信の無さはまだ抱えています。

一緒にお風呂に入ったり
一緒に寝たりします。

抱きついてもきます。

まだまだ親の愛情を確認してきます。

娘はとても真面目で完璧主義のがんばり屋です。

優しくて他人に気を使いすぎてすぐ疲れてしまいます。

でも不登校の一年で
少しだけ手を抜くことも覚えました。

高校は昼間の定時制にしました。

明日入学式です。

興味のある部活があるので、
楽しく通えるといいなと思っています。

これからも伊藤先生のメルマガを読みながら、
娘が自分を大切にし
自分で歩いていけるようになるまで、
過保護に愛情を伝えていきたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします。

*******************ここまで********************

KYさん、素敵なメッセージをありがとうございました。

K娘さんが変わられていく様子が
とてもよく伝わってきました。

以前のメルマガでお話しましたが、
「自信」には2種類あります。

「根拠のある自信」と、
「根拠のない自信」です。

■根拠のある自信
スポーツが得意、勉強ができる等、
人と比べて勝っているという
経験に基づく自信です。

■根拠のない自信
「理由は無いけど親が言うから大丈夫」

「親から愛されていているから
みんなも僕の事を愛してくれるはず」

「親がいるから安心して生きていける」

という、比較はできなくても、

「自分は大丈夫」と思える自信のことです。

KYさんのように

>小さい頃からいろいろな習い事をやらせ、
>走り方教室とか跳び箱教室などにも通わせました。

>とにかく苦手なことがあれば、
>娘が何かが出来ないことで悲しい思いをしたり
>困ったりしないようにという思いでいました。

このように多くの親御さんが
人よりも勝っているものを習得させたいと
「根拠のある自信」ばかりつけさせようとします。

ところが、
この「根拠のある自信」は
KYさんが書かれているように
とてももろいものなのです。

「根拠のある自信」は
他人との比較により得られる自信
でしかないため、
劣っていると感じる人の前では
優越感と自信を感じる一方で、
優れた人間の前では
劣等感を感じ、自信を失います。

自分より上の人間は必ず現れます。

このもろい一面を持つ自信は
問題に直面したときに
お子さんを支えるものとはなりません。

KYさんが今、娘さんに対して
過保護に接していることは
娘さんに「根拠のない自信」を
つけさせるものです。

この「2種類の自信」のお話をご存知でなくても
真剣に娘さんに向き合われる中で
過保護に裏打ちされた
「根拠のない自信」の必要性に
本能的に気づかれたのですね。

そして、娘さんの変化から、
少しずつ「根拠のない自信」を
つけてきている様子が見て取れます。

改めまして、貴重なメッセージを
ありがとうございました。

普通のお子さんでも新しい環境は
気を使い疲れるものです。

繊細なお子さんなら、くたくたに疲れて
帰ってこられることもあるでしょう。

どうかこれまで同様、過保護に
暖かく明るく迎えてあげてくださいね。

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KYさんと
同じように、

「自信をつけさせてあげたい」

「苦労させたくない」

という気持ちが先走ってしまい
かえってお子さんの自信を奪うケースは
多々有ります。

部活動やスポーツクラブなどのトラブルが
不登校やひきこもりのきっかけとなる場合も、
この「根拠のある自信」ばかりを
褒めて認めてきた結果かもしれません。

あなたのお子さんはいかがですか?

こういう場合は、
「根拠のない自信」が
不足しているのかもしれません。

KYさんが実践されたように、

「お子さんのありのままを受け入れて、
お子さんが必要とするだけ愛情を注ぐ」

そうすれば、必ずお子さんは変わります。

「愛されている」

という自信を身につけ、
1人で歩き出す日が必ずきます。

それぞれの性格がありますので
結果が出るまでの時間は様々です。

ですが、どんなお子さんでも
最終的には必ず良い状態にまで
持っていくことができるでしょう。

お子さんを信じて頑張っていきましょう。

本日も最後までご覧いただきまして
ありがとうございました。

お子さんの問題が
1日も早く解決することを
心から願っています。

PS:
私がお伝えしていることを実践されて
何か変化はありましたか?

「子どもの態度が変わった」

「ついに学校に通えるようになった!」

など、何か変化がありましたらぜひご連絡ください。

こちらのメルマガで他の親御さん方に
ご紹介させていただきたいと思います。

あなたの体験談が多くの方の参考となり励みとなります。

ご協力をよろしくお願いいたします。



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