【伊藤幸弘の子育てアドバイス】#121 問題行動を解決する鍵になる2つの自信とは?

2017-06-08

こんにちは、伊藤です。

本日も子育ての悩みから、
ひきこもりや非行など、子どもの問題行動に
悩む親御さんに役立つ情報をお伝えします。

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前回のおさらい
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前回は、
美加(仮名)という
当時中学3年生だった女の子の
お話の結末をご紹介しました。

私が家で預かり、
しばらく面倒を見ていると、
髪を黒くし、アルバイトをするなど
前向きな変化が出てきました。

しかし、結局は
両親が連れ帰ってしまい、美加は
元の非行少女に戻ってしまいました。

親も正しい子育てを理解し、
実践できていないと、
「変わろう」と前向きになった
お子さんの変化の機会を
逃してしまうことになります。

「子どもを変えるには、まず、親から」

そんな教訓になるようなお話を
させて頂きました。

本日は、
英二という高校1年生の男子にまつわる
エピソードをご紹介いたします。

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突然包丁を振り回す英二
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英二(高校1年生・仮名)は
身長180cm、体重70kgという
がっちりとした体格で
スポーツも万能でした。

気は優しく、おとなしい性格で
周りにもよく気を配る少年です。

しかし、その英二が
ある日、突然包丁を振り回し、
父親に切りかかりました。

父親の仕事は自営業です。

母親は英二を連れて
今の父親と再婚したのですが、
父親も英二のことを我が子のように
可愛がってくれました。

ただ、教育熱心で、
テストで悪い点をとると、
英二をひどく叱りました。

父親は英二に、

「自分は勉強したかったが
お金がなくて学校へ入れなかった。

だから出世もできなかった。

せめて、おまえには
良い学校に行ってほしい」

と言っていました。

テストで良い点を取っても当たり前で、
少しでも成績が下がれば激しく叱り、
時には暴力をふるうこともありました。

英二は彼なりに頑張っていたのに、
父親はとにかくその努力を
認めようとはしませんでした。

それでも、英二は
そんな父親に応えようと
彼なりに頑張って勉強しました。

ですが、高校受験に失敗してしまいます。

父親が望んでいたところではなく、
1つ下のランクの高校へ
入学することになりました。

父親はこれを機に
英二に冷たく接するようになり、
何かと干渉することが多くなりました。

その結果、英二は
次第にストレスを溜めるようになり、
そのストレスをタバコやシンナーによって
発散するようになっていきました。

父親は英二のタバコを見つけると
激怒して注意するものの、
父親が怒れば怒るほど
英二の態度は悪化してゆきました。

母親も父親の手前、
ついつい強く叱ってしまいます。

そんな母親に対して英二は

「うるせー、だまってろ!」

と怒鳴りながらも、
暴力をふるうことはありませんでした。

家具などを蹴ったり、
壁をドンドンたたいたりして
ストレスを発散していました。

一方、父親は次第に
小言を言わなくなっていきました。

いえ、
言わなくなったのではなく、
言えなくなったのです。

「もし力で英二に負けたら・・・」

という気持ちが大きくなっていったのです。

つづく

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編集後記
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正しい子育てにを学ばれているあなたなら、
父親が英二に対して
いかにひどいことをしているのか、
お分かりになっていると思います。

多くの親御さんは、

「子どもの将来を思って」

英二の父親のように
子どもの成績に口うるさく言いますが、
結局は親の要望を押し付けているだけなのです。

あなたにも思い当たる節があり、
今なお誤った子育てをしているなら、
どうか、

「幸せは親が押し付けるものではない」

ということを今一度考えてみてください。

本日は、
【子育てラジオ定期便】の一部を
特別にご紹介いたします。

部活の怪我などから不登校になった
中2の息子さんについてのご相談です。

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中1までは部活で活躍し、成績も良く
問題なく過ごしていました。

中2のとき、
無呼吸症候群で1ヶ月運動できず、
部活に戻った矢先に胸骨を骨折しました。

その後も体調不良で思うように部活ができず、
全てにやる気を無くし、成績が落ち、
五月雨登校になりました。

現在は、終日ゲームばかりで、
歯磨きや入浴もしないので注意していました。

すると父母を罵倒しはじめ、
蹴ったり殴ったりするようになりました。

「お前がうるさいから行けなくなった」
「ダルい、頭が痛い」

と言って朝起きれず、学校も行けません。

【質問】
どうすれば自信を取り戻すことができますか?

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「自信」には2種類あります。

「根拠のある自信」と、
「根拠のない自信」です。

■根拠のある自信
スポーツが得意、勉強ができる等、
人と比べて勝っているという
経験に基づく自信です。

■根拠のない自信
「理由は無いけど親が言うから大丈夫」

「親から愛されていているから
みんなも僕の事を愛してくれるはず」

「親がいるから安心して生きていける」

という、比較はできなくても、

「自分は大丈夫」と思える自信のことです。

多くの親御さんは「根拠のある自信」のため
子どもが小さい頃から、習い事をさせます

ところが、「根拠のある自信」には、
実はもろい面があります。

他人との比較により得られる自信
でしかないため、
劣っていると感じる人の前では
優越感と自信を感じる一方で、
優れた人間の前では
劣等感を感じ、自信を失います。

必ず自分より上の人間は現れます。

このもろい一面を持つ自信は
問題に直面したときに
お子さんを支えるものとはなりません。

お子さんに本当に必要なのは、
「根拠のない自信」です。

「根拠のない自信」からは、
一見不確かな印象を受けますが、
実は、この自信こそが
挫折した時に立ち直る力となるのです。

「何かあっても両親に頼れば良い」
「何があっても僕には家族がいる」

と思えれば、また立ち上がり、
歩き始めることができるのです。

そして、子どもに「根拠のない自信」を
持たせるため必要なのが過保護なのです。

ただし、過保護と一言で言っても
なかなか一筋縄ではいきません。

具体的な過保護の方法については、
「子育てラジオ定期便」をご覧ください。

→ https://futoukou365.com/radio/

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読者の方から頂いた喜びの声
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では、読者の方の喜びの声をご紹介します。

本日紹介させていただくANさんは、
不登校だった息子さんの高校進学について
ご報告くださいました。

ぜひあなたの子育ての参考にしてください。

*******************ここから********************

中3の5月の連休明けから
不登校になった息子が高校に進学します。

生後半年頃から仕事を始め、
実家や保育所に預けていました。

幼い頃から手がかからなかったので、
抱っこすることが少なく、
息子は寂しかったのかもしれません。

私は介護のストレスもあり、
息子と楽しく過ごす時間は少なかったと思います。

小2年の頃、
毎日面倒を見に来る祖母に当り散らし始め、
私や主人が帰るとお利口になる
という異変が始まりました。

この頃に、息子の辛さを理解し、
自分が変わろうとしなかったことを悔やみました。

「学校に行きたいのにどうしても行けない」

と、辛い表情で引きこもるようになり、
私は職場に頼んで長期休暇を取りました。

最初の3ヶ月は、私のところに怖い顔で来て
暴言を吐き、物を壊す日々でした。

どうしたら良いか解らず
伊藤先生のDVDを何度もみて、
電話での個別相談もお願いしました。

クリニックや臨床心理士の先生方、
スクールソーシャルワーカーさん等には
長くかかるかも、と言われるだけでした。

「高校に行けなくても仕方ない、
長い目で見守ろう」と考えてたところ、
父親が行動を起こしました。

父親は不登校を恥じて、
初めは息子を無視していました。

息子はそんな父親でも、恐る恐る話しかけるのです。

「息子は父親に自分を見てもらいたいんだ」
と気づいた私が父親に「話を聞いてあげて」と頼むと、
秋頃から二人のコミュニケーションが始まりました。

主人が変わってから息子の表情がみるみる明るくなり、
家族3人でリビングで過ごす時間が急激に増えました。

時間をかけて、今のままではいけないこと、
高校で新しくスタートを切れば変われることを伝えると、
入試直前に家族で「高校に行く」という結論を
出すことが出来ました。

不登校でも受け入れてくれる高校の中から
校風がよく通学しやすい学校を選び、
入試直前の数日間、塾の個別指導で詰め込み、
なんとか合格を頂きました。

親子関係の修復は大変でしたが、
何年かかるかと不安を抱えていたのに
無事に中3を終え進学できました。

これも伊藤先生のお話を信じて
息子が落ち着くのを待ち、
自分達が変わって行動できたお陰です。

主人も私も変われなければそれこそ何年も
息子を苦しめることになっていたでしょう。

まだ不安定で心配ですが、今後は干渉せず、
離れて見守り過保護を続けたいです。

本当にありがとうございました。

*******************ここまで********************

ANさん、息子さんの高校入学おめでとうございます。

ご主人に素晴らしいアドバイスをされましたね。

ANさんが息子さんときちんと向き合い
そして、息子さんの様子や変化を見ていないと
できないアドバイスです。

そのアドバイスに誠実に応えられたご主人も
素敵なお父様ですね。

息子さんは、忙しいご両親のために、

「お利口でいなければいけない」

と寂しさを我慢してきたのかもしれません。

でも、ご両親共に息子さんの気持ちに気づき、
正しい子育てを始められたので一安心です。

これからも素敵な親子関係を築いていってください。

貴重なメッセージをありがとうございました。

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ANさんの息子さんの場合は、
お父様が解決の鍵を握られていました。

息子さんにとっては
お父さんに認めてもらえることが
本当に必要だったのです。

このように、お子さんの
問題行動を解決する方法の本質は1つですが、
細かいポイントや解決の鍵はケースバイケースです。

メルマガや、子育てラジオ定期便、
DVDなどで様々な事例をご覧いただき、

「我が家の解決の鍵は何か?」

をしっかり見極めてください。

本日も最後までご覧いただきありがとうございました。



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